最終更新日 2022/06/05

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91話 2日目 前編

午前8時

「今日から2日目、何か変化があるかも知れない。だから、慎重に行かないとね。」

「確かにね。それで、コーヤ君。現状の勢力図はどうなっているの?」

「それなんだけど・・・。」

現状の勢力図

第一エリア:10、9、7、5、5、3、1→7つの勢力

第二エリア:5、5、5、5、5、5、5、5→8つの勢力

第三エリア:8、4、4、4、4、4、4、4、4→9つの勢力

第四エリア:10、10、10、10→4つの勢力

第五エリア:5、5、5、5、5、5、5、5→8つの勢力

「この様になっているね。」

「なるほど。第四エリアは、潰しあいの結果かしら。」

ミリスさんが考察する。

「でも、やはり、勢力図を見ると、多くは様子見の様ね。
これから、どの様に変化するのかだけど、私達に影響あるかしら?」

シェーラさんが聞いて来た。

「そうだね。6つの勢力が潰しあいをするだろうから、当分は僕達への攻撃は無さそうかな。

ただ、確保数が少ないクランは、1つでも手に入れたいと思っているだろうから、
注意は必要だと思うけど。」

「分かったわ。それで、コーヤ君とユヅキちゃんは採掘?わたし達は何をしようか?」

そんな風に今日の行動について話をしていると、チャイムが鳴る。

「うん?誰かしら?」

ハヅキさんが様子見に行ったが、すぐに戻って来た。

「あれ?ハヅキ。どうしたの?」

コノミさんの問いには答えず、険しい顔で報告した。

「みんな。〈イベント楽しみ隊〉が話し合いに来たわ。」

「は?なんで?」

アカネさんは困惑している。

確かに、〈イベント楽しみ隊〉は現在10確保しているから、
僕達の場所は後回しにしても構わないと思う。

話の内容をハヅキさんが話し出した。

「それがね。この拠点を何度か攻撃したんだって。でも、攻撃は消滅。
高度なセキュリティを持っている土地は危険だと言う話になって、
とりあえず、話し合いをしようと来たみたい。」

「なるほどね。話し合いでは決まらないよね。となると、戦闘方法だけど。」

「はい!魔族襲撃以降、色々と訓練して来たから、戦いたい!」

コノミさんが積極策を提案して来た。

「そうね。どうせ、話し合いとは言っても、恐喝などして来るだろうし。
戦って、白黒付けた方が良いかもね。」

シェーラさんが賛成する。

多数決を取ると、全員一致で戦う事に決定。

戦いのルールは、勝ち抜き戦で、勝った数の多いクランが勝ちにした。

そして、皆で拠点入り口まで移動した。

拠点前

「お待たせしました。」

僕達が拠点前に到着すると、30人程の集団がいた。

「やっと来ましたか。それで、話し合いはして貰えるんでしょうか?」

相手の男性は、にこやかな顔をしているが、威圧を出して来る。

しかし、僕はそれをスルーして話し出す。

「話し合いですか?お受けしますよ。
あなた方からの挑戦状ですから、戦いのルールはこちらで決めさせて貰いました。」

「ほう。それなら、話が早い(にやり)それで?」

「戦う方法は簡単です。

僕達クランメンバーとあなた達の中で強い人で勝ち抜き戦をするだけです。」

「勝ち抜き戦か。良いだろう。くくく。しかし、お前達は良いのか?
俺は、ソロではあるが前線で活動しているから、負けない自身があるぞ。(にやにや)」

「ああ。大丈夫ですよ。時間が勿体無いので、さっさと決めて貰えますか?」

相手の挑発をスルーして、段取りを進めると、相手からは「ちっ」と声が聞こえた。

10分後

僕達は9人で、相手は人数を決めていなかった為、倍の18人を選出して来た。

「くくく。人数を指定しなかった自分達を呪うんだな!」

完全に悪者のセリフだ。

一人目:コノミさん

「ようし!試しがいのある人が多いなぁ♪(集団を眺める)」

「ちび。良いのか?お前なんて、数秒で負け確定だな!がぁぁはっはっは!」

戦闘開始すると、対戦相手の男性は重戦士の装備をしているが、
足捌きが軽く、コノミさんの攻撃を避けている。

そんな中、コノミさんは捕まり、羽交い締めにされてしまう。

「はぁはっはっ!どうだ!ちび!降参か?それとも、死に戻りでもするかぁ?」

ところが、後ろにコノミさんが現れる。

「ねぇ。丸太抱きしめて何してるの?(にやり)」

「なっ!ちび!どうやって!(腕の中には、コノミさんサイズの丸太がある)」

「さぁて。あなたには死に戻って貰うわよ!(土に手をつき)バインドサンダー!」

コノミさんが、発動させると、対戦相手は丸太を抱えている為、
すぐに行動が出来ず、その間にバインドで捕まり、
サンダーによって体力値がゼロとなり、死に戻って行った。

「ぶい!(にこやか)」

コノミさんは、僕達の方へピースサインを送る。

その後、素早さ重視の対戦相手5人を、簡単に撃破するが、
自分の役目は終わったとばかり降参する。

「あと、よろしくね。」

二人目:リンネさん

「ふぅぅ。次は私ね。緊張してきちゃった(汗)」

「お姉ちゃん!大丈夫!練習通りにすれば良いんだから!」

「ふふふ。さっきの子なら、捕まえるの大変そうだったけど、今回は勝ち抜けそうね。」

試合開始直後から、対戦相手は魔術師なので、魔法を多用する。

「ほらほら!守ってばかりでは、あたしには勝てないわよ!」

リンネさんは、魔法攻撃を避け、防御しながら、ある作業を完成させる。

「くっ!すばやい!簡単に捕まると思っていたのに!」

「ふふふ(にっこり)私の速さはまだまだ、遅いほうですよ?
でも、5分かかりましたが、準備が終わりました。今度はこちらの番です!」

そう言うと、リンネさんは、六芒星を発動させる。

「うん?何も起こらないみたいよ。ふふふ。失敗かしら(にやり)」

「まさか。あなたが使った魔力をお返ししますね。(上を見る)」

対戦相手も、釣られて上を見ると、その瞬間、先程の攻撃が全て自分へと降り注ぐ。

そして、すぐに体力値はゼロとなる。

「ふうう。なんとか、実践でもうまく行って良かった。」

最初こそ、ニヤニヤしながら見ていた、集団の代表は、
コノミさんとリンネさんの戦いを見て、格の違いを見せつけられて唖然とする。

「なんだ!あの化物は!前線でも見た事無いぞ!
勝ち抜き戦は止めだ!全力であの連中を潰せ!」

とうとう、本性を現した。

「やっと、本性を現したわね。みんな、さっさと終わらせましょう!」

僕とコノミさんとリンネさんを除いた6人が、20数人にまで少なくなった集団に突撃する。

結果は言わずもがなで、5分足らずで代表を残し、消滅した。

「ばかな!!!!!強者を集めたのに、合計15分程で全滅だと!!!!!」

僕は代表のところまで行く。

「あ〜、残念ながら、みんなは遊び感覚ですよ?」

「うそだろ。あれで、遊び感覚だと。どうすれば、あんた達の様に強くなれるんだ!」

「そんなのは簡単ですよ(にこ)

フィンテルにある神殿の地下ダンジョンを、往復するだけで強くなれます。

あと、スキルなら修練の間ですね。」

「なに?あのダンジョンでそこまで強くなれるのか?」

「ええ。きちんと100階まで踏破して下さいね?
それからは、往復作業です。」

そんな風に話をしていると、死に戻った集団がゾロゾロと戻って来た。

その中の1人が、土下座して来た。

「(土下座して頭を下げる)すまなかった!
あんた達が、あんなにも強いだなんて知らなかったんだ。
出来れば、強くなる方法を教えてくれないか?」

他の人も同じ様に、土下座して、頭を下げている。

この展開には、苦笑しか無かったけど、本当に強くなりたい!という気迫が伝わったので、
先程、代表に話した内容を改めて伝えた。

「え!?50階より下があるのか?」

「ええ。逆に言えば、50階までは肩慣らし状態で、51階からが本番です。
何回も死に戻るかも知れませんが、その壁を超えると、今の限界を突破出来ると思いますよ。」

「おお!ありがとう!」

集団はフィンテルに移動し、代表から「核」を貰った。

すると、元々所有していた”核”と融合された。

「この核にある数字が、現在所有している土地だ。
今後はお前が、11個の土地所有者となる。」

「え〜と、これは、譲渡って事で?」

「ああ。そうだ。」

そう言うと、元代表は、僕達に深々とお辞儀をして、フィンテルに向かった。

「う〜ん。撃退できれば良かったんだけど(苦笑)」

「水晶(コーヤ)君。

地理的には、第二エリア方面と第三エリア方面からの侵攻を、気にすれば良いだけだし、
10個に監視者を置く必要も無いから、それほど大変では無いと思うよ。」

現状の勢力図を見ると、リンネさんの言う通り、
侵攻する方向が決まっているから、戦略的にも問題が無さそうだ。

今回の譲渡によって、僕達のクランは、第一エリア最大勢力となった。

ちなみに、王都エリアはイベント除外地域となっている為、
隣接する第一エリアと第三エリアは王都エリアを気にする必要が無い。

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