最終更新日 2025/03/05

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 古史古伝契丹古伝〜契丹族の伝承〜

契丹族の伝承

解説

03

まとめ


契丹古伝とは

「契丹古伝」を検索すると、日本の古史古伝に分類されたり、
日本について書かれたとありますが、
今回の解読により、それらは、全くの嘘だと思いました。

この書物は、主に「辰沄繾翅報」の話です。

「辰沄繾翅報」は、第二章にある「日祖名阿乃沄翅報云」から来ているのだと思われます。

なので、「辰沄繾翅報」は「日祖」の関係者、もしくは、
第三章の「日孫名阿珉 美辰沄繾翅報順瑳檀彌固」にあるように、
「阿珉美辰沄繾翅報」と読んだ場合、「辰沄繾翅報」は「日孫」となります。

しかし、「阿珉」なのか、「阿珉美辰沄繾翅報」なのかは、
調べても、名が見つからないので、どちらが正しいかは不明です。

ちなみに、本文では「日孫名阿珉 美辰沄繾翅報順瑳檀彌固」として、
「阿珉」と「辰沄繾翅報」は別として考えています。

初文

「曰若稽諸傳有之
(若し、諸(もろもろ)傳(つた)えるに稽(とど)める之(これ)有りと曰(い)う)」
というのが、「契丹古伝」の初文ですが、「曰」から始まるのが不自然です。

これは、「曰」の前に文章があったのでは?と思ってしまいます。

「若稽諸傳有之曰」であれば、問題ないですが、
なぜ、「曰」が一番最初なのか、気になります。

日本の言葉?

「契丹古伝」には、日本と関係がありそうな言葉が登場しますが、
解読した結果、全く、関係ない事が分かりました。

第七章の「耶馬(摩)駘記」と「秋洲」と第三十四章の「故事以之紀國曰
(故事、之(これ)を以って國を紀(しるす)と曰(い)う)」が、
余計に日本との関係を考えてしまいますが、違います。

例えば、「紀國」は「紀伊國」と考える人がいるかも知れませんが、
これは「國を紀(しるす)」で、文が成立します。

また、「耶馬(摩)駘記」は、「邪摩台國」と考えている人もいると思いますが、
当然、漢字表記が異なるので違います。

この他にも、「日祖」や「日孫」なども、日本と関係づけられますが、
「日」なんて、どこの國でも必ず、歴史書に載るでしょうし、
決して、根拠にはなりません。

五京と五原

五京は、第十一章「神京」、第十二章「仲京」、第十三章「海京」、第十四章「齊京」、
第十五章「離京」で、五原が、第十七章「西原、東原、中原、北原、南原」となります。

まず、「五京」ですが、契丹國である「遼國」は、五道に分けられて「府」があった様です。

「上京臨潢府」、「東京遼陽府」、「中京大定府」、「西京大同府」、「南京析津府」の
五箇所であり、「神京」などの漢字はありません。

もしかしたら、情報が無い時代に「神京」などが、存在したかも知れませんが、
現在の情報源では、見つける事は難しいです。

次に「五原」ですが、これは、「契丹國」である「遼國」が存在した場所が、
モンゴル高原近域なので、「五原」としても違和感はありません。

國名

一番、「契丹古伝」でおかしな場面が、「國名」の登場する場面です。

普通の史書であれば、時代に合わせて、整理して書いていますが、
なぜか、この「契丹古伝」では、國名が乱雑に書かれています。

主に、「夏」、「殷」、「商」、「周」、「秦」、「燕」、「韓」、「邵」などの國名が登場します。

第三十二章に「及秦滅燕」という文がありますが、
第三十四章で「燕瞞說殷曰」という様に、意味が不明です。

先程も書きましたが、普通の史書であれば、
「夏」の時代、「殷(商)」の時代と分けて載せますが、「契丹古伝」はそうなっていません。

そもそも、「辰沄繾翅報」の名自体が、「契丹古伝」にしか載っていない様で、
どこを探しても見つかりません。

この事から、これらの文章が本当に「契丹族」の伝承だったのか、
最近では疑問に思っています。

あと、第二十四章には「國號辰沄殷」という名を見ることができて、
「辰沄殷」という國が存在していた様に書いています。

他にも第二十八章の「辰殷大記曰」、第三十一章の「國號徐珂殷」があり、
どうやら、過去において、「殷」という國名を使用していたと考えられます。

それから、検索していたら「契丹國志」なるものがあるようなので、
参照15のサイトから、色々と見てみましたが、「契丹國志卷之二十六」にある「諸国」の中に
「辰殷」、「辰沄殷」、「徐珂殷」は見つかりませんでした。

これらは、どの資料によって、記載されたのか、非常に気になります。

参照15:契丹國志

まとめ

「契丹古伝」は、何度か書いていますが、日本列島には全く関係が無いです。

「契丹古伝」の記事を使って、関係があるように見せているサイトはありますが、
根拠も証拠もなく、単なるこじつけだと感じます。

また、「契丹古伝」の内容が、整理されていなく、例えば、「燕滅ぶ」とあるのに、
その後の章で普通に登場するのは、明らかにおかしいです。

他にも、「契丹國志」などの「契丹國」に関係のある記事にある内容が、
ほとんどありません。

例えば、「辰沄繾翅報」ですが、
この名を検索しても使われていたという足跡を見つけるのは困難です。

「契丹族」の國である「遼国の太祖は「耶律阿保機」と云われていて、
「辰沄繾翅報」と比べて、文字数は同じですが、表記が全く異なります。

そもそも、この様な整理されていない情報に、

なぜ、日本列島が関与しているなんて話になったのでしょうか?

「日祖」は、「日(太陽)」なので、つまりは、「太陽」を祀る人々という解釈ができます。

その様な國は、「エジプト」の「ラー神」など、他国でも存在していると思うので、
これだけで、日本列島と繋げるのは、ありえないと思います。

「辰沄繾翅報」が使われた形跡が無く、内容も整理されていない、
この様な、書物は何を参考に書いたのか、すごく、気になります。

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