午前中は、昨日の残りの探索と、エイウルさんの一言により、
瞬動の講習などがあり、慌ただしく、動いていた。
その為、第二エリアの情報を気にしてはいなかった。
昼食を摂り、一休みしている時に、
第二エリアのと境に設置した複数台のマイクから、声を拾った。
それは、2つのエリアの座をかけて、一騎打ちしろという内容。
「これって、罠?」
僕は罠なのかどうかの判断が出来かねている時に、
エイウルさんとマウシスさんが話し出す。
「あー、罠はない。あいつは脳筋だから、戦う事しか考えていないんだ。」
とマウシスさんが言うと、エイウルさんも同意している。
「ああ。確かに、あいつは脳筋で有名だからね。気にする必要は無いだろう。」
慎重にしつつ、最近完成した転移門の試用実験も兼ねて移動し、
微調整は必要だが、大枠では問題なかった。
ちなみに、ドローンで転移門の存在が分からない位置に、設置してある。
「おい、マイヤ。このマイク、ちゃんと伝わっているんだろうな?」
「伝わっているんじゃないか?鑑定で作動していると出たしな。
来る時間は、簡単には来れない距離だし、ゆっくり待ったらどうだ?」
「そうは言うが、早く戦いたくてな!」
「はぁぁ。それより、何で、一騎打ちなんだ?やっと、手に入れたのに簡単に手放す気か?」
「なんでだよ!俺が勝って、増やすんだろうが!それに、もう6日目だ。
まだ、4つもエリアがあるんだ。ちんたらしていられないだろ。」
「ほう。ライグにしては珍しいな。戦い以外にも頭を使うなんてな。」
「どういう意味だ!」
「じゃぁ、代表同士の一騎打ちは間違いないのですよね?」
僕は二人の背後から確認する。
「そうだ。それ以外に方法なんてあるか。」
「おい、ライグ。それは俺が話したんじゃない。」
「??はぁぁ?じゃあ。誰が喋ってんだよ。」
二人が後ろを向くと、僕は笑顔で答える。
「(二人)!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「ぜぇ。はぁ。ぜぇ。はぁ。お前!いつの間に!」
「(気配に敏感な俺なのに、気が付かなかった。)」
「すみません。何度か話しかけたんですが、気付いて貰えなかったので。
それで、改めて確認ですが、代表同士の一騎打ちで間違いないのですよね?」
「おうよ!賭ける物が大きければ燃えるだろ!」
「ライグ。これは、第二エリア全体の運命がかかっているんだ。
お前の考えだけで判断するな。」
「そうは言うが。マイヤ。良い案があるのか?」
「残念ながら、良い案が無い。」
「そうだろう!じゃぁ、一騎打ちで決定で良いな!」
エイウルさんとマウシスさんが、マイヤさんに近寄って行く。
「お〜、マイヤ久々だなぁ。」
「久しぶりだな。マイヤ。」
「ん?エイウルとマウシス。お前達はどうしているんだ?」
二人が状況説明する。
「というわけで、僕達はコーヤ組に入っている。」
「そんなに強いのか?」
「とんでもないぞ。化物級だな。」
「ええ。戦って身に染みて分かっているので、総取りではなく、分割する事を進める。」
「ふむ。でも、良いのか?敵である俺に教えて。」
「ははは(苦笑)これで、コーヤが止まるなら簡単だが、それは無いだろうな。」
「ああ。それは断言出来る。」
マウシスは、腕を組んで頷く。
「分かった。その案を受け入れよう。」
こうして、負けた方が10区画を譲与する事で、話がまとまった。
「なんだよ。めんどくさいな。1回で済めば楽なのに。(ぶつくさ)」
「先程、聞いたんだが、対戦相手のコーヤは、強いらしいぞ。
1回の対戦で満足するのか?お前は?」
「それは、本当か?」
「ああ。実際に戦った人物の話だ。」
「ほう!そうか!やる気が出て来た!マイヤの話通りに行こう!」