「さて、どちらも動かないと、統一は出来ないぞ?コーヤ。」
昼食を摂り、第一エリア最後の戦いに備えていたが、
相手クランからの動きが無いまま、午後5時を迎えた。
これでは、埒が無いので、話し合いをする事になった。
「う〜ん。僕としては、このままイベント終了でも良いんだけど、
さすがにエイウルさん達は嫌だよね?」
「まあな。ここで終わるという事は、リタイヤしたのと同じだ。
旨味が無いまま、イベント終了するのだけは避けたい。」
「そうなると、今度はこちらから正面突破するか。」
「ほう。ずっと受け身だったのが、攻勢に行くとは。」
「まぁ。簡単だよ。実際に偵察に行ってみて、鑑定した感じ、
問題なく、正面突破出来ると思ったからだね。」
「(情報を見ながら)相手のクランは≪アプロム≫か。
確か、ゲーム始まって一番目にベータ組だけで結成し、前線で戦うクランだったはずだ。
それに、メンバーも100人いると噂だ。
戦った身からするとコーヤは強いが、他のメンバーはどうなんだ?」
「全然問題ないよ。仮に100人いたとしても、僕達なら勝てる。
なんせ、クランメンバーは魔国四天王を倒した人だからね。」
「なんだと!?そう言えば、合流してから気になってはいたが。ならば、いつ行く?」
「(時計を見て)そうだね。そろそろ行こうか。夕食も作らないと行けないし。」
「そちらから動くとは好都合。
戦闘方法は全メンバーでのぶつかり合いをしようじゃないか(にやり)」
「大丈夫ですよ(にこ)」
「ほう。余裕そうだな。俺達は100人だからな?後で言い訳するなよ?がーはっはっ!」
ここに100人vs9人の戦いが始まった。
・・・が、10分後、圧倒的に不利な9人で90人を倒し、残すは10人となった。
「なるほどなぁ。はぁ。総力戦しなくて良かった。」
「本当ですね。あたし達なんて秒殺されていましたよ。」
エイウルさん達は観覧場所で、サンドイッチなどを食べながら見ている。
その頃、クラン≪アプロム≫代表は困惑していた。
圧倒的有利な状況で、圧倒的不利になるなんて・・・。と
「なんでだ!!!!!こんなに強い奴らは前線にもいないぞ!!!!」
「マウシス!どうするんだ!相手は化物だ!!」
メンバーから指示出しを催促されるが、マウシスにはその様な余裕が無い。
「良いだろう!代表同士の一騎打ちだ!」
この時、エイウルさんは心の中で、「ご愁傷さま」と思ったと言う。
一騎打ち開始5分
「なんでだ!!くそっ!」
マウシスさんの攻撃は、僕には当たらずに空を切り、全体的なスピード不足により、
簡単に受け止める事が出来た。
「しょうがねえ!第四エリアボスとの使うべく温めて来た、新技で倒してやる!」
マウシスが技を発動させると、斧の中心に嵌め込まれた宝石が光り輝く。
「はぁぁぁぁ!!!!」
気合を込めて、技を放つと、地を切り裂き、襲いかかって来たが、
見ると、これはフェイクで、地中を移動している魔力の塊が主体みたいだ。
数秒後、魔力は竜の形へと変化し、僕を飲み込もうとする。
ここで、僕は攻守の指輪を発動し、バリアを展開、
そして、情報を取り込み、カードを出力する。
「はぁ。はぁ。はぁ。(土埃が消える)な・・な・・・なんだと!」
ここで、エイウルさんが登場して来た。
「マウシス。君の負けだ。」
「お前はエイウル!さっきのを見ていたのか?なぜ、あいつは無事なんだ!」
「落ち着け。答えは簡単だ。
コーヤは、索敵レベルが高いから、地中を移動した何かに気が付いたのだろう。
だから、落ち着いて対応が出来た。それだけだ。」
「くっ!そうか(落胆し、崩れ落ちる)」
これにて、戦いは終了となった。
10分後
落ち着きを取り戻した、代表のマウシスから”核”を渡して貰った。
「それで、この後、お前達はどうするんだ?」
「この後は、残り20区画に罠を設置して、宝箱などを探索します。
明日は、第二エリアの代表クランがどう出るかですね。
さすがに、代表同士の一騎打ちなんて無いと思いますから、
最終日に第四エリア近域まで、コマを進めれば良いかなと思っています。」
「まぁ。そんなところか。」
ところが、次の日に驚く展開になるのを、この時は知らない。