最終更新日 2025/03/05

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契丹古伝 へようこそ Welcome to Japanese History


○六章
因亦念之 雖世降族斁 瓜瓞猶可繹 綿緒而格其原壤 例如瑪玕靺鞨渤海同聲相承
珠申粛愼朱眞同音相襲 傳統自明也矣 乃爰討 探舊史作次第如左

○七章
塢須弗耶馬(摩)駘記曰 其國所以未嘗隤頽(頺)者 職由潭探上古 明覯先代 審設神理
善繩風猷 一曰秋洲 讀做阿其氏末 蓋亦因于阿其比也

○八章
氐質都札曰 阿藝也央委也陽委也潢弭也伯弭也潘耶也淮委也 列名聯族 尋其所由
皆因於秦率旦阿祺毗矣

○九章
止浥婁異種 原稱羊鄂羅墜 本浥且之地也 神祖伐懲元兇 化育久之

○十章
命令作澡 然後容爲河洛 賜名閼覆祿 卽浥婁也 或曰閼覆祿禊誓之謂也
故至今爲成者 指其不渝於閼覆祿大水焉
解読

因って亦之(これ)念ず

世と雖(いえど)も、族(やから)斁(やぶれ)降りる

猶(なお)瓜瓞(大小のうり?)繹(たず)ねる可(べ)き

其の原の壤(つち)、格而(に)綿の緒

例えば、瑪玕、靺鞨、渤海の如く、同じ聲、相に承(つぐ)

珠申す

粛愼、朱眞、同音、相に襲う

明かりに自(より)矣(矢が当たり止まる)を統(おさめて)傳(伝)う也

乃(すなわ)ち、爰(ここに)討つ

舊(旧)き史(ふみ)に作る次の第の左の如くを探る


塢(とりで)を須(もと)めるを弗し、耶馬(摩)駘記曰く

其の國、未だ嘗(かつ)て隤(くず)れて頺(たおれた)所以者(は:短語)、
上古の潭(ふち)を探る職(もと)由し

先代、明るさに覯(あ)わせる

神理を審(つぶさ)に設け、善き猷(はかりごと)の風を繩(ただ)す

一に曰く、秋洲、阿其氏末に倣って讀む

亦、阿其比于(に)因って蓋す也


都の札(ふだ)は氐(てい、根本)の質曰く

阿藝也、央委也、陽委也、潢弭也、伯弭也、潘耶也、淮委也

族(やから)の名に聯(つら)ねて列(なら)べる

其の所の由しを尋ねる

皆、因って秦に於いて、旦(あき)らかに阿祺毗を率いる


異なる種を浥(くぼち)に婁(ひっぱる)のを止める

原を稱(たた)え、鄂(地名)の羊に羅(あみ)をかけ墜ちる

本、浥(くぼち)、且(小さな台?)之地也

神祖、兇(わるさ)の元を懲らしめて伐(うつ?)

久しく之(これ)育み化ける


澡(あらう)を作るを命令する

然し後、河洛を容(ゆるす?)と爲す

閼覆祿の名を賜る

卽(すなわ)ち、浥(窪地)を婁(ひく)也

或いは、閼覆祿と曰(い)う

禊(みそぎ)の誓(ちかい)之(これ)謂う也

故に、成者(は:短語)今に至ったと爲す

其の指、閼覆祿に於いて大水、焉(ここに)不渝(かわらず)

解説

06

第六章〜第十章


例如瑪玕靺鞨渤海同聲相承

「例えば、瑪玕、靺鞨、渤海の如く、同じ聲、相に承(つぐ)」と解読しましたが、
「瑪玕、靺鞨、渤海」のうち、「瑪玕」の治めていた地域はどこなんでしょう。

瑪玕

参照67のサイトでは、「靺鞨の前身は瑪玕(馬韓)」と書いています。

確かに、「瑪玕」の読みを調べると「ばかん」になります。

しかし、根拠はありません。

色々と調べていくと、「靺鞨」の前身は、
参照68のサイトにある「勿吉」ではないかと思われます。

なので、「瑪玕」と「馬韓」を混同して考えるのは間違いだと思います。

参照67:4)渤海ぼっかい国の前身と遠祖 p.486〜p.489

参照68:靺鞨(マッカツ)とは? 意味や使い方

塢須弗耶馬(摩)駘記曰

「塢(お、とりで)を須(もと)めるを弗し、耶馬(摩)駘記曰く」と解読しましたが、
分からない事も多いです。

耶馬(摩)駘記

「神領 契丹古伝 著:浜名寛祐」と参照1のサイトを参考にしていますが、
参照1のサイトでは「耶馬駘記」とあり、本では「耶摩駘記」となっています。

どちらが正しいかは不明ですが、もしかしたら、両方の表記が存在していたのかも知れません。

「駘」の読みが「タイ」と「ダイ」なので、「耶馬駘」、「耶摩駘」の両方が、
「やまたい」と呼べなくないですが、「邪󠄂馬臺國」を指すと、簡単に判断できません。

「耶馬駘」、「耶摩駘」には、「國」という漢字がなく、
場合によっては「地域名」の可能性もあります。

参照1:契丹古伝(東族古伝) 本文 (全文)と解説

一曰秋洲 讀做阿其氏末 蓋亦因于阿其比也

「一曰秋洲 讀做阿其氏末」を「一に曰く、秋洲、阿其氏末に倣って讀む」と
解読しましたが、「秋洲」は「阿其氏末」と読むようですが、「あきしま」では無いです。

仮に「万葉仮名」で読んだとしても、「阿其氏末」の「其」は「ご」ですし、
「氏」は存在していません。

なので、「阿其氏末」の「阿」と「末」しか通じません。

そもそも、これを、日本の事と考えている人は、
「秋洲」の存在した地域が不明なのを考えていません。

これが、「伊豫國」に存在したとかなら分かりますが、
「秋洲」は、古代中国の地名として、存在していても不思議では無いです。

阿藝也央委也陽委也潢弭也伯弭也潘耶也淮委也

「阿藝也、央委也、陽委也、潢弭也、伯弭也、潘耶也、淮委也」と解読しましたが、
これらが、何を指しているのかは不明です。

考えられるのは、小部族では無いか?と思っています。

人が小部族ならば、歴史書に載っていない可能性もあります。

しかし、前文が「都の札(ふだ)は氐(てい、根本)の質曰く」と
「氐」が「根本」とするならば、「札(ふだ)」での買い物をするのに、
「質」が悪いとも解釈できます。

なので、「小部族」でないとすれば、消えてしまった単語の可能性もあります。

止浥婁異種 原稱羊鄂羅墜

「原稱羊鄂羅墜」を「原を稱(たた)え、鄂(地名)の羊に羅(あみ)をかけ墜ちる」
と解読しましたが、「墜」の漢字が本来、「おちる」ではないのではないか?と考えています。

「㒸」は、「阝(こざとへん)」と合わさり「隊」になりますが、
「隊」に「おちる」という意味があるとすれば、
「〇〇隊」という「団体名」としての使い方はおかしいと思います。

「㒸」については、参照72のサイトでは、「野生の豚」と書くが、
参照73のサイトでは、「いのしし」と書き統一感が無いです。

また、参照74のサイトでは、「重くて大きな豕(ぶた)」としますが、
こちらも、「重い」+「大きい」は「豕」自体の意味では無いので、間違いだと思います。

例えば、「重大豕」なら「重くて大きな豕(ぶた)」と解釈できなくはないですが、
「豕」のみなので不要です。

これら、3つの参照のサイトは、「八」+「豕」と考えているが、
本当にそうなのだろうか?

これらの字源サイトは、「説文解字」の字形から、
この様な意味と考えているのではないか?と思っています。

「説文解字」が正しいという保証はどこにもありません。

字形

本来であれば、「甲骨文字」や「金文」の字形から推測するのですが、
「㒸」の「甲骨文字」や「金文」は、発見されていなく見つけられませんでした。

そこで、参考にするのが、「隊」の様に「㒸」が付いてのを見ます。

参照72のサイトの「甲骨文字」には、6個ありますが、
最初の3個は「㒸」ではなく、「古」の字形になっています。

しかし、「古」の「甲骨文字」には、「古」の字形には、まだなっていないので、
「古」に似た漢字だと思います。

もしかすると、「古」も「別事衝突」かも知れませんが、証拠は無いです。

次の3個は、「二又の枝」の様な形をしています。

これらは、本当に「隊」なのか怪しいです。

次の「金文」は、「八」と言うよりかは、「艹(くさかんむり)」の様にも見えます。

「甲骨文字」と「金文」の字形は、今回は信頼できないので、
「楚系簡帛」を見ると、「「隊」包2.168」の字形があり、
これが、本来の字形を知る手がかりになるかも知れません。

ここで比較したいのが、参照72のサイトにある「楚系簡帛」の「「隊」包2.168」の字形と、
参照73のサイトにある「楚(戰國)簡帛望山」の字形です。

一番、異なるのが、「八」の下にある「刀」と「タ」です。

参照73のサイトでは、「八」+「刀」+「巾」に見えるのに対して、
参照72のサイトの「「隊」包2.168」の字形では、「八」+「タ」+「巾」に見えます。

これは、大きな違いです。

ここから、「㒸」には二種類存在した可能性が出てきます。

つまりは「別事衝突」です。

参照69:音符「㒸・遂スイ」 <やりとげる> と 「隊タイ」 「墜ツイ」

参照70:紛らわしい漢字 「逐チク」 「遂スイ」 「墜ツイ」 - 漢字の音符

参照71:漢字の覚え方 㒸 - 風船あられの漢字ブログ

参照72:隊的解释|隊的意思|汉典“隊” 字的基本解释

参照73:㒸: zi.tools

意味

意味を探すのは難しそうです。

ただ、参照73のサイトにある「説文新證」には、下記のようにあります。

説文新證:

郭沫若認為「㒸」「彘」本為一字。季旭昇認為「彘」從豕矢,會以矢射豕,
所射之豕取名為「㒸」。豕中矢墜地故有墜落義。㒸从「豕」「一」,「一」為矢箭簡體

〜(略)〜

矢を會わせるを以って豕を射る

射る所之豕の名を取り㒸と爲す

〜(略)〜

「矢を會わせるを以って豕を射る」と「射る所之豕の名を取り㒸と爲す」は、
連動している様に見えるので、「豕」という物を使っていた可能性があります。

一部のサイトでは「豕(ぶた)の矢」としていますが、
そうではなく、「矢」の一部と考えれば、「豕」の字形には、
別の形が存在していたとも解釈できます。

これにより、「ぶた」や「いのしし」の様な動物を指す字形と、
「矢」の一部を指す字形が存在した可能性があるように思えます。

とはいえ、「墜」の意味に通じる事がなかったです。

そもそも、「隊」を「おちる」とするのは、意味からしてもおかしな話なので、
もし、本当に「隊」=「おちる」と、伝わっているのならば、
そこには、異なる字形があったと考える方が、良いような気がします。

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