因って亦之(これ)念ず
世と雖(いえど)も、族(やから)斁(やぶれ)降りる
猶(なお)瓜瓞(大小のうり?)繹(たず)ねる可(べ)き
其の原の壤(つち)、格而(に)綿の緒
例えば、瑪玕、靺鞨、渤海の如く、同じ聲、相に承(つぐ)
珠申す
粛愼、朱眞、同音、相に襲う
明かりに自(より)矣(矢が当たり止まる)を統(おさめて)傳(伝)う也
乃(すなわ)ち、爰(ここに)討つ
舊(旧)き史(ふみ)に作る次の第の左の如くを探る
塢(とりで)を須(もと)めるを弗し、耶馬(摩)駘記曰く
其の國、未だ嘗(かつ)て隤(くず)れて頺(たおれた)所以者(は:短語)、
上古の潭(ふち)を探る職(もと)由し
先代、明るさに覯(あ)わせる
神理を審(つぶさ)に設け、善き猷(はかりごと)の風を繩(ただ)す
一に曰く、秋洲、阿其氏末に倣って讀む
亦、阿其比于(に)因って蓋す也
都の札(ふだ)は氐(てい、根本)の質曰く
阿藝也、央委也、陽委也、潢弭也、伯弭也、潘耶也、淮委也
族(やから)の名に聯(つら)ねて列(なら)べる
其の所の由しを尋ねる
皆、因って秦に於いて、旦(あき)らかに阿祺毗を率いる
異なる種を浥(くぼち)に婁(ひっぱる)のを止める
原を稱(たた)え、鄂(地名)の羊に羅(あみ)をかけ墜ちる
本、浥(くぼち)、且(小さな台?)之地也
神祖、兇(わるさ)の元を懲らしめて伐(うつ?)
久しく之(これ)育み化ける
澡(あらう)を作るを命令する
然し後、河洛を容(ゆるす?)と爲す
閼覆祿の名を賜る
卽(すなわ)ち、浥(窪地)を婁(ひく)也
或いは、閼覆祿と曰(い)う
禊(みそぎ)の誓(ちかい)之(これ)謂う也
故に、成者(は:短語)今に至ったと爲す
其の指、閼覆祿に於いて大水、焉(ここに)不渝(かわらず)
第六章〜第十章
「例えば、瑪玕、靺鞨、渤海の如く、同じ聲、相に承(つぐ)」と解読しましたが、
「瑪玕、靺鞨、渤海」のうち、「瑪玕」の治めていた地域はどこなんでしょう。
参照67のサイトでは、「靺鞨の前身は瑪玕(馬韓)」と書いています。
確かに、「瑪玕」の読みを調べると「ばかん」になります。
しかし、根拠はありません。
色々と調べていくと、「靺鞨」の前身は、
参照68のサイトにある「勿吉」ではないかと思われます。
なので、「瑪玕」と「馬韓」を混同して考えるのは間違いだと思います。
参照67:4)渤海ぼっかい国の前身と遠祖 p.486〜p.489
参照68:靺鞨(マッカツ)とは? 意味や使い方
「塢(お、とりで)を須(もと)めるを弗し、耶馬(摩)駘記曰く」と解読しましたが、
分からない事も多いです。
「神領 契丹古伝 著:浜名寛祐」と参照1のサイトを参考にしていますが、
参照1のサイトでは「耶馬駘記」とあり、本では「耶摩駘記」となっています。
どちらが正しいかは不明ですが、もしかしたら、両方の表記が存在していたのかも知れません。
「駘」の読みが「タイ」と「ダイ」なので、「耶馬駘」、「耶摩駘」の両方が、
「やまたい」と呼べなくないですが、「邪󠄂馬臺國」を指すと、簡単に判断できません。
「耶馬駘」、「耶摩駘」には、「國」という漢字がなく、
場合によっては「地域名」の可能性もあります。
「一曰秋洲 讀做阿其氏末」を「一に曰く、秋洲、阿其氏末に倣って讀む」と
解読しましたが、「秋洲」は「阿其氏末」と読むようですが、「あきしま」では無いです。
仮に「万葉仮名」で読んだとしても、「阿其氏末」の「其」は「ご」ですし、
「氏」は存在していません。
なので、「阿其氏末」の「阿」と「末」しか通じません。
そもそも、これを、日本の事と考えている人は、
「秋洲」の存在した地域が不明なのを考えていません。
これが、「伊豫國」に存在したとかなら分かりますが、
「秋洲」は、古代中国の地名として、存在していても不思議では無いです。
「阿藝也、央委也、陽委也、潢弭也、伯弭也、潘耶也、淮委也」と解読しましたが、
これらが、何を指しているのかは不明です。
考えられるのは、小部族では無いか?と思っています。
人が小部族ならば、歴史書に載っていない可能性もあります。
しかし、前文が「都の札(ふだ)は氐(てい、根本)の質曰く」と
「氐」が「根本」とするならば、「札(ふだ)」での買い物をするのに、
「質」が悪いとも解釈できます。
なので、「小部族」でないとすれば、消えてしまった単語の可能性もあります。
「原稱羊鄂羅墜」を「原を稱(たた)え、鄂(地名)の羊に羅(あみ)をかけ墜ちる」
と解読しましたが、「墜」の漢字が本来、「おちる」ではないのではないか?と考えています。
「㒸」は、「阝(こざとへん)」と合わさり「隊」になりますが、
「隊」に「おちる」という意味があるとすれば、
「〇〇隊」という「団体名」としての使い方はおかしいと思います。
「㒸」については、参照72のサイトでは、「野生の豚」と書くが、
参照73のサイトでは、「いのしし」と書き統一感が無いです。
また、参照74のサイトでは、「重くて大きな豕(ぶた)」としますが、
こちらも、「重い」+「大きい」は「豕」自体の意味では無いので、間違いだと思います。
例えば、「重大豕」なら「重くて大きな豕(ぶた)」と解釈できなくはないですが、
「豕」のみなので不要です。
これら、3つの参照のサイトは、「八」+「豕」と考えているが、
本当にそうなのだろうか?
これらの字源サイトは、「説文解字」の字形から、
この様な意味と考えているのではないか?と思っています。
「説文解字」が正しいという保証はどこにもありません。
本来であれば、「甲骨文字」や「金文」の字形から推測するのですが、
「㒸」の「甲骨文字」や「金文」は、発見されていなく見つけられませんでした。
そこで、参考にするのが、「隊」の様に「㒸」が付いてのを見ます。
参照72のサイトの「甲骨文字」には、6個ありますが、
最初の3個は「㒸」ではなく、「古」の字形になっています。
しかし、「古」の「甲骨文字」には、「古」の字形には、まだなっていないので、
「古」に似た漢字だと思います。
もしかすると、「古」も「別事衝突」かも知れませんが、証拠は無いです。
次の3個は、「二又の枝」の様な形をしています。
これらは、本当に「隊」なのか怪しいです。
次の「金文」は、「八」と言うよりかは、「艹(くさかんむり)」の様にも見えます。
「甲骨文字」と「金文」の字形は、今回は信頼できないので、
「楚系簡帛」を見ると、「「隊」包2.168」の字形があり、
これが、本来の字形を知る手がかりになるかも知れません。
ここで比較したいのが、参照72のサイトにある「楚系簡帛」の「「隊」包2.168」の字形と、
参照73のサイトにある「楚(戰國)簡帛望山」の字形です。
一番、異なるのが、「八」の下にある「刀」と「タ」です。
参照73のサイトでは、「八」+「刀」+「巾」に見えるのに対して、
参照72のサイトの「「隊」包2.168」の字形では、「八」+「タ」+「巾」に見えます。
これは、大きな違いです。
ここから、「㒸」には二種類存在した可能性が出てきます。
つまりは「別事衝突」です。
参照69:音符「㒸・遂スイ」 <やりとげる> と 「隊タイ」 「墜ツイ」
参照70:紛らわしい漢字 「逐チク」 「遂スイ」 「墜ツイ」 - 漢字の音符
参照73:㒸: zi.tools
意味を探すのは難しそうです。
ただ、参照73のサイトにある「説文新證」には、下記のようにあります。
説文新證:
郭沫若認為「㒸」「彘」本為一字。季旭昇認為「彘」從豕矢,會以矢射豕,
所射之豕取名為「㒸」。豕中矢墜地故有墜落義。㒸从「豕」「一」,「一」為矢箭簡體〜(略)〜
矢を會わせるを以って豕を射る
射る所之豕の名を取り㒸と爲す
〜(略)〜
「矢を會わせるを以って豕を射る」と「射る所之豕の名を取り㒸と爲す」は、
連動している様に見えるので、「豕」という物を使っていた可能性があります。
一部のサイトでは「豕(ぶた)の矢」としていますが、
そうではなく、「矢」の一部と考えれば、「豕」の字形には、
別の形が存在していたとも解釈できます。
これにより、「ぶた」や「いのしし」の様な動物を指す字形と、
「矢」の一部を指す字形が存在した可能性があるように思えます。
とはいえ、「墜」の意味に通じる事がなかったです。
そもそも、「隊」を「おちる」とするのは、意味からしてもおかしな話なので、
もし、本当に「隊」=「おちる」と、伝わっているのならば、
そこには、異なる字形があったと考える方が、良いような気がします。