昨日は、午後4時近くに合流し、諸々の設置や食事を作り、
時間が空いた時に、瞬動を教えたりした。
そして、今日から、本格的に講習が始まる。
予定では、午前8時から午前9時までが朝食の時間で、
午前9時から、学びたい分野の受付をして、得意な人が講師を務める。
大人気は、やはり、瞬動だったが、僕が教えたのは一回だけで、
あとは、慣れた人が講師になった。
内容としては、瞬動・縮地、食事、裁縫、地理学、戦略、採取など多岐に渡る。
「ふあああ(あくび)なんか、面白いこと無いかな。」
「う〜ん、ほとんど、膠着しちゃったもんね(苦笑)」
そんな時、勢い良く、拠点入り口の戸が開く。
「マキエちゃん。戸は静かに開けようよ。」
「大変です!第三エリアの三分の二を占拠した、第一エリアの人達が・・・。」
「え!?最終日に攻めて来た!?」
「(水を飲む)はぁ。違います。キャンプしているんです。」
「キャンプ?」
「はい。炊事場や宿泊所、そして、銭湯などの建物が設置されていました。
そして、わたしが偵察していた時間が、朝食時だったんですけど、すごく美味しそうでした。」
「それじゃぁ。相手は、こちらに攻め込むつもりは無いと言う事?」
「はい。実際に、聞いてみましたが、
クラン対抗イベントは、満足したから、こちらから攻め込まないと言っていました。
あと、なんと、親切な事に朝食を10人分分けてくれました!(袋を見せる)」
「うそ!本当!どんなのかな♪」
その中には、おにぎり、サンドイッチ、ハンバーガーもどきなど、種類は10種類ある。
「すごい!美味しそう♪いっただきまーす♪あむ。!!!!!」
「うわぁ。すごい美味しいわね。こんな食事が出来れば、もっと楽しくなるのに。」
「それで、どうします?来る人は拒まないと言っていましたけど。」
「ちょっと!マキエ!それって、私達でも参加出来るって事?」
「はい。敵味方関係なく、暇なら来ても良いですよと言ってくれました。
ちなみに、昼食は肉メインで、夕食は最終日なので、豪勢にして、
キャンプファイヤーをするとも言っていました。」
「へぇー。本当に、キャンプみたい。」
「よし、ドラグに報告しましょう。」
10分後
「ほう。確かに、美味しそうだ。・・・が、
パンはイースト菌、おにぎりは稲が見つかっていない。
こいつらは、どこから手に入れたのだ?」
「ドラグ、ほら、食べて。細かい事は、あちらに聞けば教えてくれるかもよ?
それで、今後、どうする?」
「あむ。ん。確かに現実の食事と大差がない。
今後はどうするべきかだが、このまま、14区画を維持するか。
それとも、第一エリアの軍門に下るかだが、お前達はどう思っている?」
「う〜ん。第四・第五には行けそうもないし、かと言って、第三エリアの統一も出来ない。
なら、楽しそうな第一エリア側に付いた方が得だと思うな。」
「わたしもリュウカちゃんに賛成かな。ドラグは知ってる?
せっかく、仲間になってくれたクランが、
ポイント稼げないから、仲間契約解除して、今、野良で活動しているの。
確かに、緊迫しているなら良いけど、膠着したなら、
ポイント稼げないから、面白そうな方向に進めば、イベント後にも役立つと思うわ。」
「あたしも、偵察で見た感じ、今後に生きる内容が多い様に思ったので、
第一エリア側に合流に一票です。」
「そうか。分かった。確かに、このままでは、ポイント稼ぎも出来なければ、
イベントを楽しむ事も出来ないだろう。”核”を持って、交渉に行こう。」
「コーヤ君、第三エリアのクランが、話をしたいって。」
入り口まで移動した。
「どうも、初めまして、クラン≪悠久の水≫代表のコーヤです。」
「俺は、クラン≪ドラゴニア≫の代表のドラグだ。」
「それで、話の内容は、”核”を渡す代わりに、講習会に参加したいで良いですか?」
「ああ。なかなか、有意義な講習をしていると聞いている。
ちなみにだが、イースト菌と稲は、お前達が見つけたのか?」
「そうですよ。
イースト菌は今月中に大量生産し、来月以降に店舗に並ぶ手はずを整えています。」
「え!?じゃぁ。イースト菌買って、
リアルと同じ方法で作れば、ふかふかのパンが食べれるの?」
「はい。皆さんもふかふかのパンを作りたいと思ったようで、
パン作りが得意な人が講師となって、色々と作っているようです。」
「ええ。良いなぁ。パン好きだから、早く参加したいなぁ。(ちらっ)」
「もう少し待て。稲は?」
「稲はですね。僕もびっくりしたんですが、最初、雑草と区別がつかないんです。」
「なんだと!という事は、俺達が踏んでいた雑草の中に、
稲があったかも知れないという事か?」
「ええ。偶然、稲の穂がある時に、見つける事が出来たんです。
でも、さすがに個人で流通させるには時間がかかりすぎるので、
王宮に国策として使って貰う事にしたんです。」
「うん?じゃぁ。ここにあるのは?」
「自作の複製機で、大量生産しました。
発見者特典で、国の事業に影響でなければ、自由にしても良いと言われていますので。」
「そうか。メンバーがそわそわしているから、後で話を聞かせてくれ。
それで、これが、俺達の”核”だ。」
クラン≪ドラゴニア≫の所有する14区画を吸収し、
3エリア(120区画)を手中に収める事になった。