最終更新日 2022/06/05

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99話 最終日 前編

午前8時

昨日は、午後4時近くに合流し、諸々の設置や食事を作り、
時間が空いた時に、瞬動を教えたりした。

そして、今日から、本格的に講習が始まる。

予定では、午前8時から午前9時までが朝食の時間で、
午前9時から、学びたい分野の受付をして、得意な人が講師を務める。

大人気は、やはり、瞬動だったが、僕が教えたのは一回だけで、
あとは、慣れた人が講師になった。

内容としては、瞬動・縮地、食事、裁縫、地理学、戦略、採取など多岐に渡る。

第三エリアSIDE:

「ふあああ(あくび)なんか、面白いこと無いかな。」

「う〜ん、ほとんど、膠着しちゃったもんね(苦笑)」

そんな時、勢い良く、拠点入り口の戸が開く。

「マキエちゃん。戸は静かに開けようよ。」

「大変です!第三エリアの三分の二を占拠した、第一エリアの人達が・・・。」

「え!?最終日に攻めて来た!?」

「(水を飲む)はぁ。違います。キャンプしているんです。」

「キャンプ?」

「はい。炊事場や宿泊所、そして、銭湯などの建物が設置されていました。

そして、わたしが偵察していた時間が、朝食時だったんですけど、すごく美味しそうでした。」

「それじゃぁ。相手は、こちらに攻め込むつもりは無いと言う事?」

「はい。実際に、聞いてみましたが、
クラン対抗イベントは、満足したから、こちらから攻め込まないと言っていました。

あと、なんと、親切な事に朝食を10人分分けてくれました!(袋を見せる)」

「うそ!本当!どんなのかな♪」

その中には、おにぎり、サンドイッチ、ハンバーガーもどきなど、種類は10種類ある。

「すごい!美味しそう♪いっただきまーす♪あむ。!!!!!」

「うわぁ。すごい美味しいわね。こんな食事が出来れば、もっと楽しくなるのに。」

「それで、どうします?来る人は拒まないと言っていましたけど。」

「ちょっと!マキエ!それって、私達でも参加出来るって事?」

「はい。敵味方関係なく、暇なら来ても良いですよと言ってくれました。

ちなみに、昼食は肉メインで、夕食は最終日なので、豪勢にして、
キャンプファイヤーをするとも言っていました。」

「へぇー。本当に、キャンプみたい。」

「よし、ドラグに報告しましょう。」

10分後

「ほう。確かに、美味しそうだ。・・・が、
パンはイースト菌、おにぎりは稲が見つかっていない。

こいつらは、どこから手に入れたのだ?」

「ドラグ、ほら、食べて。細かい事は、あちらに聞けば教えてくれるかもよ?
それで、今後、どうする?」

「あむ。ん。確かに現実の食事と大差がない。

今後はどうするべきかだが、このまま、14区画を維持するか。

それとも、第一エリアの軍門に下るかだが、お前達はどう思っている?」

「う〜ん。第四・第五には行けそうもないし、かと言って、第三エリアの統一も出来ない。

なら、楽しそうな第一エリア側に付いた方が得だと思うな。」

「わたしもリュウカちゃんに賛成かな。ドラグは知ってる?

せっかく、仲間になってくれたクランが、
ポイント稼げないから、仲間契約解除して、今、野良で活動しているの。

確かに、緊迫しているなら良いけど、膠着したなら、
ポイント稼げないから、面白そうな方向に進めば、イベント後にも役立つと思うわ。」

「あたしも、偵察で見た感じ、今後に生きる内容が多い様に思ったので、
第一エリア側に合流に一票です。」

「そうか。分かった。確かに、このままでは、ポイント稼ぎも出来なければ、
イベントを楽しむ事も出来ないだろう。”核”を持って、交渉に行こう。」

午前9時頃

コーヤSIDE:

「コーヤ君、第三エリアのクランが、話をしたいって。」

入り口まで移動した。

「どうも、初めまして、クラン≪悠久の水≫代表のコーヤです。」

「俺は、クラン≪ドラゴニア≫の代表のドラグだ。」

「それで、話の内容は、”核”を渡す代わりに、講習会に参加したいで良いですか?」

「ああ。なかなか、有意義な講習をしていると聞いている。

ちなみにだが、イースト菌と稲は、お前達が見つけたのか?」

「そうですよ。

イースト菌は今月中に大量生産し、来月以降に店舗に並ぶ手はずを整えています。」

「え!?じゃぁ。イースト菌買って、
リアルと同じ方法で作れば、ふかふかのパンが食べれるの?」

「はい。皆さんもふかふかのパンを作りたいと思ったようで、
パン作りが得意な人が講師となって、色々と作っているようです。」

「ええ。良いなぁ。パン好きだから、早く参加したいなぁ。(ちらっ)」

「もう少し待て。稲は?」

「稲はですね。僕もびっくりしたんですが、最初、雑草と区別がつかないんです。」

「なんだと!という事は、俺達が踏んでいた雑草の中に、
稲があったかも知れないという事か?」

「ええ。偶然、稲の穂がある時に、見つける事が出来たんです。

でも、さすがに個人で流通させるには時間がかかりすぎるので、
王宮に国策として使って貰う事にしたんです。」

「うん?じゃぁ。ここにあるのは?」

「自作の複製機で、大量生産しました。

発見者特典で、国の事業に影響でなければ、自由にしても良いと言われていますので。」

「そうか。メンバーがそわそわしているから、後で話を聞かせてくれ。

それで、これが、俺達の”核”だ。」

クラン≪ドラゴニア≫の所有する14区画を吸収し、
3エリア(120区画)を手中に収める事になった。

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