最終更新日 2022/06/05

※Social Postage Stamps

    ライトノベル へようこそ Welcome to novel


92話 2日目 中編

午前9時

「はぁ。思いかけず、最大勢力となってしまった。」

「ははは(苦笑)本当だね。さすがに、全部貰えるとは思わなかったけど。」

アカネさんも予想外の展開と感じているようだ。

「それで、水晶(コーヤ)君。これから、どうする?」

「う〜ん。せっかく譲って貰ったのに、全部、他の勢力に取られるのは勿体無い。

だから、これから、手分けして、罠の設置、宝箱の回収、空間探査をしようと思う。」

「コーヤ君。空間探査ってなに?」

アカネさんが聞いて来た。

「以前、ライリーさんに会ったでしょ?

そのきっかけが、古代に掘られた道と繋がってしまったんだよ。

もしかしたら、他にも空間があって、そこになにかがあるかも知れない。」

「なるほど。分かったわ。何か見つかると良いね。」

僕達は、手分けして10区画に罠を設置し、
金属・宝箱・空間の3つのセンサーが付いた機械で、
10の土地を隅々まで探し、全て完了したのが2時間後だった。

午前11時

「(罠表示付きマップを見ながら)うん。きちんと作動しているようだね。」

「これって、ドローンと連携しているの?」

ミリスさんが興味深そうに、罠表示付きマップを見ている。

「そう。リアルタイムに知りたいからね。それに、ひと目で分かるし。

じゃぁ、次にセンサーで何を見つけたのかを報告して貰おうかな。」

僕から順に、報告していき、マップに金属・空間の場所を付与して行く。

最後は、アカネさんだったんだけど、鍵を見つけたと報告があった。

「鍵?」

「そう。これ」

アカネさんから鍵を受け取って、鑑定を使う。

「う〜ん。これって普通の鍵だよね(色々な角度で見る)」

何度か見ていると、文字がある様な痕跡を発見して、
研磨すると、神聖文字が現れた。

「これは。フィンテルの神殿で見た”神聖文字”みたいだ。」

「水晶(コーヤ)君。なんて書いてあるの?」

「うん。”封印”って書いてある。」

「ちょぅっと!また、あの魔獣みたいなのが出て来るのは困るわ!」

ハヅキさんが、少し、狼狽する。

「ハヅキさん。落ち着いて下さい。

僕もその可能性がありそうだから、解析と分析を使っていますので。」

数分後、鍵に関する情報が出て来た。

「ふむふむ。魔獣は関係無いみたい。あー、なるほど。」

「コーヤさん!もったいぶらずに教えて!」

シェーラさんがしびれを切らした。

「ははは(苦笑)ごめん。スキルレベルが上がったから、鍵の歴史を見れる様になったんだ。

それで、読んで行くと、鍵のあった場所は、のどかで穀倉地帯だった。

しかし、時代は戦争へと舵をとり、終戦後に復興する為に、重要な品物を避難させた。

ところが、その品々を受け取りに来る者は訪れず、長い年月が過ぎて行った。

最近、子ども達が土を掘り返した際に、出て来たけど、錆がひどいので、
そのまま放置されていたのを、アカネさんが見つけたと。」

「その時代って、いつの時代?」

シェーラさんが聞いて来た。

「え〜と、アレテユス歴1562年、アルティア神聖王国とありますね。」

「うーん。それっていつの時代?比較対象が無いから分からないわね。」

シェーラさんは考えている。

僕は、袋からライリーさんが、守護していた歴史書を取り出して探してみる。

「ライユール王国が1000年だから、関係のある書物を見れば、時代は分かるかな。

(りん)うん?おー、分析と解析のレベルが両方20に到達して、
何年前の情報も表示出来るらしい。」

「うわっ!高っ!そんなに使っているんですか?」

ミリスさんが少し引いていた。

「うん。まぁ、僕の場合、物作りする為に、情報が必要だし、
アイディアを出す為にも、鑑定・分析・解析は常用出来て便利だから。」

「なるほどねぇ。」

ミリスさんはしきりに感心している。

「それで?アルティア神聖王国はいつの時代の国なんですか?」

ハヅキさんが促して来た。

「分析と解析の情報だと、今から1500年前だとあるね。」

「そんなになんだ。」

この情報に皆、びっくりしていたが、鍵を見つけた場所へ移動した。

Copyright © 水晶光矢 All Rights Reserved.