最終更新日 2022/06/05

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80話 激戦の翌日

11月4日(月曜日)

闘技大会と闘技場死守イベントから一夜が開けた。

「ふぁ〜。おはよう。」

「おう。おはよう。なんだ?眠そうだな?」

「あの後、早めにゲーム打ち切って、家事して、早めに寝たんだけど、
朝7時まで爆睡していたから、寝過ぎかもな。」

「おはよう。まぁ、あれだけの激戦を体験したからねぇ。
脳はもう少し寝ろ!って言っているのかもね。」

「おはよう。私もそう思うなぁ。水晶君は1番大変な場所にいたんだし。」

「おはよう。道下さんと牧ノ原さん。」

「で?光矢はポイント確認したか?」

「全然。拠点に戻ってすぐに落ちたから。」

「その話、昼休みにしない?もう、時間よ?」

「(時間を見て)確かに。そうするか。光矢。驚くぞ?」

「そう?昼休み楽しみにしておくよ。」

昼休み

クラスでも、イベントに参加していた人が多いらしく、色々な場所で話に花が咲いている。

僕達4人も昼食が終わるまでは、普通の話をしていたが、
食べ終わって一息つくと、イベントの話に入って行った。

「さて。イベントの詳細はメールで来ていた。それによると、終了条件は4つだ。」

「私も見たけど、確か、人間側が魔族側を全滅させるか撤退させる。
そして、魔族側が人間側を全滅させるか撤退させるだよね?」

「ああそうだ。今回の場合、〈人間側が魔族側を撤退させた〉の条件に達した。
その事で、勝利した人間側に所属したプレイヤーには、1万ポイントが入る。」

「まぁ。普通だね。」

「そうだ。今までなら、次に個人結果に入るんだが、今回は違った。」

「もう1つの、勝利側に属したプレイヤーへのポイント加算条件が12個あったんだよね。
妹とも話ししていたんだけど、今後の布石かなって。」

「うん。確かに。その可能性はあるかもね。」

「勝利側に所属したって事は、人間側6個、魔族側6個って事か。それで、内容は?」

「俺たち目線だと、〈勝利した人間側に所属に〉に入る。複雑だから紙に書いて来た。」

海人が書いて来た紙を見ると

1.魔族の全滅

2.魔族の撤退

騎士団生存率75%以上、プレイヤーの死に戻り回数が、所属参加者の2割以下

3.魔族の撤退

騎士団生存率50%以上、プレイヤーの死に戻り回数が、所属参加者の5割以下

4.魔族の撤退

騎士団生存率25%以上、プレイヤーの死に戻り回数が、所属参加者の8割以下

5.魔族の撤退

騎士団全滅、プレイヤーの死に戻り回数が、所属参加者の9割以下

6.魔族の撤退

騎士団全滅、プレイヤーの死に戻り回数が、所属参加者の9割以上

「これは細かい。現実的には4番までかな。でも、NPCが騎士団だけってのは助かるね。」

「だな。ただ、次回以降も同じとは限らないから、なんとかするべきだろう。
ポイント的には、10万、7万、5万、3万、1万、ゼロとなっている。
俺達は2番の7万ポイントだ。」

「ここまでで、私達は8万ポイントだよね?後は個人ポイントだったっけ?」

牧ノ原さんの質問に、海人は別の紙を見ながら答える。

「メール見る感じではそうだな。
ポイントの詳細を見たら、魔族親衛隊撃破で10万が入っていた。
運営的には、ランダムだったようだ。と言うのも、魔族の数が、今回2000程だったが、
メールには、ランダムで最高値は1万ってあってゾッとなった。」

「あれだけの強さなら10万も納得だね。

今回、私と妹の2人で戦ったけど、
あの装備が無ければ、瞬殺されていてもおかしく無かったし。

でも、1万の大軍だと、他にも強敵居ただろうし、もっと、大変な戦いになっていたよね。」

牧ノ原さんは、昨日のイベントを思い出しているようだ。

「という事で、俺は60万弱だった。交換をどうしようか考えているところだ。」

「私は、確か、50万だったかなぁ。」

「私も、50万くらいだったけど、妹と2人だけだったからか、加算されていたよ。」

「まぁ。そりゃそうよね。6人で戦うのと2人だけでは難易度上がるし。
それにしても、良く、死に戻りしなかったわね。すごいよ。」

「うん。自分でもびっくりしている。負けたくない!って思えたのが大きいかな。」

「なるほど。今のを聞いていると、最低でも30万は貰えそうだね。
え!?ちょ!何さ!その目は!」

3人から、呆れた目を向けられてしまう。

「光矢。お前さぁ。そこまで、自覚ないとは。ゲームにおける個人ポイントの配分は、
大多数は勝利への貢献度に比例するのが多いのは分かるだろ?

その点を踏まえると、騎士団への量産型装備の提供、最後の魔国の王子の無力化、
大会の賞品の提供は、確実にポイント加算対象になるだろう。

場合によっては、100万でもおかしくないと俺は思う。」

道下さんと牧ノ原さんだけじゃなく、それとなく聞いていたプレイ組も、なぜか頷いている。

「そこらへんは運営のさじ加減だろうし、分からないだろ?

まぁ。そんなにポイント貰っても、
前線に出るわけじゃないから、消費するのに困るんだよなぁ。」

「う〜ん。じゃあ。光矢君?お店を開店させたら?」

道下さんから、提案を受けた。

「店かぁ。それをすると、研究とか出来なくなりそうなんだよねぇ。う〜ん。」

「私の従姉妹で、主に鍛冶関係でお店を出している娘がいるの。

従業員の教育とかは任せれば良いんじゃない?

簡単な物は職人の教育の一環で作って貰って、
難しいのは、光矢君が気が向いた時に作って、店で売れば、みんな喜ぶと思うよ?」

これまた、なぜか、周りからは開店してくれ!と言った、無言の圧力を感じる。

「なんにせよ、今すぐには、無理だから、色々と考えて見るよ。」

午後8時

ログインすると、ユヅキから神妙な顔で、話があると告げられた。

「コーヤさん。少し良いですか?」

「ユヅキ?どうした?何かあった?」

「はい。王宮から連絡が来まして、今のままだと、国を守る事が厳しい。

なので、修練の間を利用して、鍛える必要がある。

しかし、そうなると、他国の侵略などに対応出来なくなるので、
自由に動けるわたしに、管理者をして欲しいと打診がありました。」

「なるほど。ユヅキはどうしたい?」

「コーヤさんには命を助けて貰いましたし、戦闘や生産の技術も教えて貰いました。

最初は、ここから、出社しようと考えていましたが、
買い出しの時に、私の家に仕えてくれた人に逢って、
管理者の話をすると、一緒に仕事をしたいと言ってくれました。

すごく、悩んだのですが、自分の生まれた土地で頑張る事を決めました。」

「そうか。ユヅキが決めたんなら、それが良いと思うよ。

それに、僕はここにいるし、手に負えない事があれば頼って欲しい。

人数が必要なら、みんなも手伝ってくれるよ。」

「はい!ありがとうございます。再開発が1ヶ月程で完成すると言っていたので、
それまで、よろしくお願いします。(一礼)」

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