• 最終更新日 2022/06/05

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    78話 魔王の兄

    コーヤSIDE:

    イベント開始から40分後。

    「コーヤさん、戻りました。」

    偵察に行って貰ったユヅキが戻って来た。

    「お疲れ様。どうだった?」

    「はい。関係チームを見て来ましたけど、
    魔法陣初級応用編パーツは問題無く作動していました。」

    「そうか。それは、良かった。当分の戦力増強は出来たからね。」

    「コーヤさんは、どれだけ狩りました?」

    「僕は、遊撃で闘技場防衛組が大変な敵を、狩っていただけだからね。約300体だね。」

    「さすがですね。それで、魔軍も当初の戦力を、プレイヤーの頑張りもあって、
    残り3割まで減らす事が出来ました。この後、どうしますか?」

    「人間が居たぞ!殺せ!」

    コーヤとユヅキが今後の相談をしている時に、小隊と思われる集団が襲い掛かって来た。

    しかし、2人との力の差は歴然で、50人程の集団は2分程で倒されてしまった。

    「さて、これで最後かな?」

    「(辺りを確認して)どうやら、そのようですね。」

    「それで、いつまで隠れているつもりですか?(敵が隠れている場所を向く)」

    「(隠密スキルを解く)ほぉ〜。いつから気が付いていた?」

    「最初から?」

    「儂の隠密スキルを感知するとは。なかなかの手練のようじゃな。

    それに、先程の50人の集団を苦もなく、簡単に倒してしまうその力。

    どうじゃ?儂に仕えんか?待遇は最上級にしてやろう。」

    「へぇ〜。人間を家臣にするとは驚きだなぁ。」

    「別におかしな事ではあるまい。どの陣営も有能な人材を欲しいからのぅ。」

    「なるほど。確かに種族を差別する理由にはならないですね。」

    「じゃろ?で?答えを聞こうか。」

    「わざわざ、言わなくても分かるでしょ?別に魔族に仕えるのが嫌なわけでなく、
    誰かに仕えて面倒な事態になるのが嫌なので、ご遠慮します。」

    「そうか。まぁ、最初から分かっておったが。それだけの才能を散らせてしまうのは惜しいが、
    仕方あるまい。儂らの強敵になる前に死んでもらおう。」

    「ユヅキは、先に闘技場防衛に向かって貰える?」

    「えぇ!私の出番は無しですか!?」

    「2人も必要ないし、ヴィオさん達も心配だからね。」

    「しょうが無いですね。分かりました。先に行っています。(闘技場へと走り去る)」

    「耳が遠くなったかのう。2人も必要ないと、聞き捨てならん言葉が聞こえたが?」

    「戦えば分かるんじゃないですか?」

    「言ったな?小僧!消し屑にしてくれるわ!」

    「ホルルガ伯父様。そこまでです。あなたも煽らないで下さい。」

    一人の女性が、近付いて来た。

    「む!?アリアよ。なぜ、そなたがここに?」

    「今、魔界で大変な事態になっているので、連れ戻しに来たのです。
    とは言っても、出発時の2割程しか生き残って無さそうですが。」

    「なんじゃと!くっ!強行出陣が仇となったか!お前の名を教えて貰おうか。」

    「僕ですか?僕はコーヤです。」

    「そうか。コーヤよ。全力でのぶつかり合いをしようぞ!」

    この会話がされている間に、アリアは残存兵力を纏めて撤退準備に入る。

    「ホルルガ伯父様はどうしても聞き入れてくれないのですね。」

    「ふん。アリアは何を怖がっている?こやつなどすぐに片付ければ良い。はっはっはっ!」

    「コーヤさんでしたか。遠慮入りませんので、よろしくお願いします。

    私は、先に弟を回収して帰ります。

    では。(一礼して、部下に指示出ししながら、闘技場に歩き出す。)」

    「まぁ。良い。コーヤとやら!儂の全力で相手をしてやろう!」

    「その必要は無いですよ。もう、決着が付いていますからね。」

    「なんだと!」

    ホルルガが、一歩前に出た瞬間に、勝敗は決していて、周りに巡らされた罠によって、
    ホルルガの身体は切り刻まれて、言葉を発する事も無く消滅した。

    その場には、極大よりも大きな魔石が残っただけだった。

    その後、周りを見ると、煙を出す建物、怪我人を治療する人はあるが、
    戦いは収束したようだったので、罠を回収し、闘技場に向けて走って向かった。

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