魔族は勝利を確信した為か、ゆっくりとアカネ達に近づいて行く。
「(はぁ。はぁ。はぁ。もう、勝つ方法は無いの?本当にこれで終わってしまうの?)」
〈汝、我を求めよ。〉
「(え!?今の声は?なに? )」
〈我を欲するのならば、我をイメージせよ。さすれば、汝の欲する形になろう。〉
「(また、聞こえた。そう言えば、コーヤ君が切り札を何枚か実装したって言っていたわね。
なら、速さと力に特化した装備を想像すれば!)来て!」
望みの装備をイメージすると、
アカネの身体が光り輝き、収まると望んだ装備が装着されていた。
「これは。(体を動かして見る。)すごい!」
「ア・・カ・・ネ・・?そ・・れ・・は?」
「みんなも早く装備を装着して!勝ちがすぐそこまで来てるんだから!」
その言葉で、メンバーも次々と具現化した装備を装着して行く。
「ふ〜ん。まぁ、良いわ。結果は変わらないんだから!(アカネに突進する。)」
ところが、アカネは軽々と上空へと避け、降りると地面に何かを設置するふりをする。
この間に、アカネ達は装備にある念話を使って、戦略を立てる。
「また、何かするつもりね!そうはさせないわ!」
「ミリス!今よ!撃って!」
「了解!行けぇぇぇぇー!(魔族に向かって高出力砲を発射する。)」
「甘いわ!直線でしか無い攻撃など避ければ済む事よ!」
「ふふふ。甘いのはあなたよ。なぜ、私がここで作業をしていたと思う?」
「まさか!囮だったというの!」
「そう。私がここにいたのは、あなたの足止めの為。」
「くくく。先に答えを言うなんてね。味方の攻撃で死になさい!」
「それが甘いと言うのよ?(カードを地面につけて)バインドレベル5!発動!!!!」
魔法カードが発動すると、地中から蔦が魔族に絡み付き拘束した。
「な・・なによ!これ!くっ!硬い!でも、これくらいなら!(力で拘束から脱出する)
あとは、に・・げ・・。ぎゃぁぁぁぁぁー!」
魔族は、逃げるのに遅れて高出力砲の直撃を受けて、魔石を遺して消えた。
「ふうう。なんとか、勝てたわね。」
「それにしても、コーヤさんが開発した魔法カードは素晴らしいわね。」
「本当にね。スキルを持っていなくても、発動すれば使えちゃうのは助かるよね。」
「さて、時間かかったけど、どうやら、人間側の勝利に近づいているようね。
私達も、闘技場に向かって、援護しましょう。」
これで、魔族側は親衛隊四天王を連れて来た事が仇となり、
四天王3人までもが倒される結果となってしまう。