最終更新日 2022/06/05

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81話 ポイント交換とイオ

11月5日(火曜日)

昼休み

「で、光矢はポイント何に使うんだ?」

海人が食べながら聞いて来た。

「昨日、ポイントの確認はしたんだけど、多いから悩んでいるんだよね。」

「結局、何ポイントだったの?」

道下さんが聞いて来た。

「う〜んと。昨日話していた、全体分の8万。倒した魔族は300位だったから、30万弱。
騎士団への装備品の配布で10万。魔王の兄撃破で50万。他諸々合わせて、110万だったよ。」

「ほら、言っただろ?にしても、110万かぁ。格が違うなぁ。」

「本当よね。でも、光矢君のくれた装備がないと瞬殺だったんだけど。」

「うんうん。私と妹にとっては、魔獣イベント行けなかったから、助かったよ。」

普通に話が流れて行くが、不思議な点にみんなが気付く。

「あれ?光矢。さらっと変な事言わなかったか?」

「わたしもすごい違和感あるんだよね。」

「私もだよ。」

3人が違和感の正体を考えている。

「え?別に変な事は言っていないよ?」

「よし。光矢。ポイントの内訳をもう一度、ゆっくり言ってくれ。紙に書く。」

「疑り深いなあ。全体分の8万。倒した魔族は300位だったから、30万弱。
騎士団への装備品の配布で10万。魔王の兄撃破で50万。」

「へ!?魔王の兄?」

「そんな人いた?」

「ちょっと、待て!魔王の兄撃破ってなんだ?」

すごく驚いている。

「50人程度の魔族の集団が襲って来たから、2人で迎撃してると、隠れている人がいたんだ。
その人が、どうも、フィンテルで倒した魔王の兄だったんだ。鑑定で分かったんだけど。」

「50万ポイントも貰えるのだから、相当強かったんだろう?」

「全然。気配駄々漏れしておいて、良く自分に気が付いたなとか言っているし。
何より、近くに張ってある罠に気付かずに、そのまま、僕に攻撃しようと自滅したからね。」

「良くその人、今まで生き延びて来たね。罠を見破れないのに。」

道下さんは呆れている。

「水晶君。何を仕掛けていたの?」

「確か。鋼鉄の線を近場に張り巡らせて置いただけだよ。」

「光矢の事だから、その線に細工しているんだろ?」

「そりゃあ。まぁ。隠密付与したけど、あそこまで反応できないとって感じだね。
その時には魔族は強くてみんな苦戦していたから、余計にそう思ったよ。
そうだ。ポイントの使い道なんだけど。表の中に、世界樹劣化版があったの知ってる?」

「メンバーが欲しがっていたが、50万ポイントだからな。」

「50万ptの世界樹劣化版1個、5000ptの鍛冶生産成功率50%上昇アイテム10個、
3000ptの品種改良確率50%アップを3個、1000ptの土壌環境測定器を10個、
1000ptの高級肥料を10個、3万ptの龍の鱗を10個、2万ptの幸運の宝箱を10個、
1000ptのジビエ肉詰め合わせ(100キロ)を8個、30ptのハーブの種100個、
2000ptの土壌改良剤を5個を頼む事にしたよ。」

「やっぱり、装備品類は無いんだな。(呆れ)」

「まぁ。そっちは、海人達に任せるよ。」

「と言いつつ、光矢君て、ラノベの主人公のあるあるを地で行っているよね。」

道下さんが変な事を話し出す。

「うん。分かる。そういう小説の主人公って、基本、運の値が高く無いと主人公出来ないよね。
水晶君の所に幸運が吸い寄せられているようにも見えるね。」

「ああ。光矢とは長く付き合っているから言うけど、こいつはリアルラック持ちだぞ。
苦しい時もあるが、結局、光矢の身になっているしな。」

「ちょっ!今が幸運って事は、今後、不幸続きって事じゃないか!」

「そこだよね。私から見たら、光矢君の不幸は幸運に見えちゃうんだよ。
(端末が鳴る)はい。なに?え?うん、居るよ?分かった。
光矢君に従姉妹の伊織からお願いがあるんだって。(声を2人にも聞こえるようにする)」

「初めまして。プレイヤーネームはイオリが使われていたから、イオにしているわ。

詳しい話は、今度にして、お願いがあって電話したの。

私自身はシークレットイベントには参加しなかったわ。

ただ、修理依頼や買い替えのお客さんから聞くと、相当に厳しい戦いだったと聞いたの。

それで、公式が編集したダイジェスト動画を見たんだけど、
朱音達の装備だけが、他のプレイヤー達の装備より壊れ具合が少なかった。

今後の事を考えると、もっと、技術力を上げたい。

でも、ヒントになりそうな媒体や、人がいなかった。

朱音に聞いた話だと、あの装備は光矢さんが作ったって聞いたわ。

さすがに技術を教えろとは言わないわ。

でも、ヒントになりそうな事は教えて欲しいの。だめかしら?」

「って事なんだけど。光矢君どう?」

「イオと言うプレイヤーは信用して良いと思うぞ。悪い噂は聞かないからな。
それに、ある程度、情報を流しておけば、お前がしたいスローライフにも近づくぞ?」

「あら。その声はカイトだったかしら?ベータの時はお得意様だったわね。」

「ああ。あの時は、大変助かった。
これからは、あの装備があれば、当分は問題ないだろうけどな。」

「はぁ(ため息)良いわよね。規格外の知り合いを持っている人は。」

「なんか。無敵超人みたく話が広がっているんだけど(苦笑)、伊織さんの話は分かったよ。

僕も、新技術の実験の第一段階は終了したし、来年以降の事考えると、少しずつでも、
全体の技術力を上げて貰いたいと思うしね。

平日は午後8時から10時頃まで、休日は午前10時から午後9時頃まで。

疲れ具合や内容によっても違うけど、だいたい、
その時間に拠点にいると思うから、来てくれれば話すよ。」

「本当!?助かるわ。色々と行き詰まってしまって。
時間のある時にお邪魔するわ。ありがとう。」

通話が切れた。

「私も色々と気になるし、行こうかなぁ。」

「私も。最近、生産も良いかなぁって思っているんだよね。」

道下さんと牧ノ原さんは、来るつもりのようだ。

「おい!ちょっと待て!2人は光矢の拠点の場所知っているのか?」

「え!?まさか。まだ、分かっていなかったんだ。びっくり。」

「はぁ!?そんなに簡単なのか?
メンバーにも話ししたんだが、そこでも教えて貰えなかったんだよ。」

「なるほど。メンバーさんはすぐに分かったのに、陸原くんだけ、分かっていないんだ。」

「あ〜。うん。陸原君。頑張って。」

「いや。牧ノ原。それは、地味に刺さるんだが。」

海人はショックを隠しきれない。

「海人のメンバーも大変だ。

牧ノ原さんは、僕達もいつも生産室を使っているわけじゃないから、
空いていれば、使っても構わないよ。

まぁ。知り合いにしか使わせないけど。」

「本当!?それは助かるよぅ。」

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