最終更新日 2022/06/05

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74話 アカネパーティー編 前編

「ここは、それほど強い敵はいなさそうね。」

「ええ。とりあえず、ここを片付けて別の場所の援軍に行きましょう。」

「あら。こんな所に生きの良い人間がいたのね。」

移動しようと考えていたところへ、力を隠さない魔族が近付いて来た。

「アカネ。将軍クラス見たいよ。」

「そうらしいわね。
でも、みんなが強敵と戦っているのに逃げるわけには行かないわ!」

「ふふ。すぐに後悔する事になるわよ?」

10分後、アカネ達5人は、攻撃を開始するが一進一退の攻防で決めてに困ってしまう。

「やっぱり、そう簡単には勝たせてくれないようね。」

「へぇ〜。思っていたよりもやるじゃない。殺してしまうのはもったいないわね。」

「なに?もう、勝ったつもりでいるわけ?」

「あら。尺に触った?当然の事よ。あたしは、全力の3割程度しか出していないもの。
それで、やっと、互角に戦える程なら、あなた達は打つ手がないのも一緒。違う?」

「く・・悔しいけど、このままでは、確かに打つ手はないわ。」

しかし、アカネ達は武器を構える。

「なるほど。まだ、戦うのね。良いわ。今度は倍の力で絶望を教えてあげるわ。」

「アカネ!気を付けて!どんどん、力が強くなっているわ!」

「わか・・ぐっ!(敵の速い一撃を受けるが、足に力を集中して、
倒れずに砂埃を上げ後退するだけで凌ぐ。)」

「あら。良く、今の一撃を倒れずに凌いだわね。拍手してあげるわ。」

「なんて、速さなの。今のはなんとか反応出来たけど・・・。」

「アカネ大丈夫!?」

「なんとかね!」

「なるほど。このままだと時間がかかりそうね。
ここからは、7割の力を出させて貰うけど、いつまで持つかしら?」

5分後、アカネ達は防戦一方で辛くも凌いでいる状態だ。

ぴき・・・・ぴき・・・・。

「アカネ!装備が持たない!壊れそう!」

「ぐっ!(敵の攻撃を紙一重で躱す)とは言っても、この攻撃を凌いで反撃に出ようにも!」

「あらあら。なかなか、粘るわね。」

ぴき・・・・・・・・・ぱきん。

「とうとう。壊れちゃったか。
それにしても、新品で貰ったのに、30分も持たないなんて。」

「ふふふ。武器も防具も壊れてしまったようね。
降参する?するなら、すぐに楽にしてあげる。」

「そうは行かないわ。私達、冒険者は最悪の状態から勝利する事が出来る。
だから、今の状態でも必ず、あなたを倒して見せる!」

「それは、楽しみね。この絶望的な状況からどうやって、私を倒すの?」

ここで、アカネは別行動していたシェーラに声をかける。

「シェーラ!どれだけ吸取出来た!?」

「今のところ、吸収率は25%で全体の4分の1ってところね。」

「な!?あなた達!何をしたの!」

魔族は、人間に策を実行させないように、行動していたのに、
人間から吸収していたと聞き、冷静さを失う。

「敵にわざわざ教えるなんてするわけ無いでしょ?」

敵の魔力鎧が弱くなって来た頃のタイミングで、古い武器を使って攻撃し、
ダメージを与える事に成功する。

「がはっ!うそ!なんで、ダメージが・・・。くっ。なるほど。
私の魔力を減らしていたと言うわけね。
本当なら使いたくないけど、ここまで私を追い詰めたお礼に全力を見せてあげるわ!」

魔族が、全力を開放すると、アカネ達は成すすべが無く、闘技場の壁にまで飛ばされて、
体を打ち付けられて、地面に倒れて絶望的なピンチに陥る。

「くっ!(必死に立ち上がろうともがく。)
さすがに。はぁ。はぁ。はぁ。万事休すと言ったところみたいね。」

「あら。今さら実力の差を知ったところで、もう遅いわよ。
そう、簡単には殺さないで、苦しみを与えてあげるわ。」

魔族は勝利を確信した為か、ゆっくりとアカネ達に近づいて行く。

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