「いらっしゃいませ。ようこそ!サーシャスへ!」
「魔石を取り付けて欲しいのですが、良いですか?」
「はい。大丈夫ですよ!どれに取り付けますか?」
「この鍵に取り付け箇所があるので、取り付けて下さい。」
「ふむふむ。なるほど、分かりました。15分程で出来ますが良いですか?」
「お願いします。もっと、時間がかかるかと思っていたんですが早いですね。」
「(作業しながら)アクセサリーは魔石や宝石の交換が多いですからね。
そうそう、お客さんも冒険者ですよね?聞きました?新たにダンジョンが見つかったって。」
「え!?そうなんですか?どこで見つかったんですか?」
「南にある海の街アクセリアの海岸線にある見たいですよ。
海で遊んでいた冒険者が、高い岩場にぽっかりと開いた場所を調べたら、
ダンジョンだったんだって、うちに来るお客さんが教えてくれて。
最近1ヶ月は、宝石や魔石の水属性対策で来る人が多くて不思議で、不思議で。」
「そうだったんですね。1週間くらい前にこの街に来たので、全然、知りませんでした。」
この様に雑談しながら、20分弱で全ての鍵へ魔石の取り付けが終わった。
「はい。終わりましたよ。
え〜と、料金は、鍵1本中銅貨1枚なので、合計大銅貨1枚になります。」
「ありがとうございました。助かりました。また、機会があればお願いしますね。」
「はい。またのご来店お待ちしています!」
この後は、セリナさんのいる神殿に移動。
「こんにちは。セリナさん。鍵が完成したので持って来ました。」
「コーヤさん。こんにちは。
なんか、鍵の持ち手の真ん中に、魔石が入っているなんて面白いですね、」
「ええ。実は、魔石を取り付けたら、特殊な力が、開放されるのかと思っていたんですが、
どうも、違うようです。セリナさんは聖魔法や光魔法を使えますか?」
「光魔法は威力が弱いですが、聖魔法は得意です。」
「でしたら、鍵の魔石に聖魔法を使って貰えませんか?」
「え?この鍵にですか?」
「そうです。鍵の魔石に何かを流す事によって、変化するかと思いまして。
まず、魔法から実験して、もし、だめなら他の方法を探せばいいですし。」
「なるほど。分かりました。では、行きます!(鍵の魔石に聖魔法を注ぐ。)」
1分程で魔石が光りだす。
「あれ?光るだけですね。コーヤさん。失敗でしょうか。」
セリナさんは、鍵を見ながら残念がっている。
「セリナさん。失敗では無いようですよ?後ろの神像の台を見て下さい。」
神殿内を見渡すと、神像の台が光っているのを見つけ、
移動し、光の照らされた場所を見ると、文字が書かれていた。
「これは!?失われた神聖文字で書かれています!」
「失われた神聖文字?」
「今から500年位前までは、神殿関係者で普通に使われていたようです。
しかし、神族と魔族の戦いに地上が巻き込まれて、多くの書物が失われたと伝わっています。
そして、神族と魔族が地上から去った後の復興において、神聖文字は忘れ去られていましたが、
100年位前に冒険者が神聖文字を発見して、現在、研究されています。
とはいえ、私も解読出来るほど詳しくないので、何が書かれているのか分からないですね。
でも、研究書を見れば分かるかも知れません。書庫に探しに行きます!」
セリナさんは、書庫に走って行ったが、僕はゆっくりと書庫まで歩いて行った。
「セリナさん。辞書の様な書物ありました?」
「あ!コーヤさん。たくさんあるので手伝ってくれませんか?」
その後、作業に移り、2時間かけて解読作業が終わった。
「ふぅー。なんとか、理解出来る内容になりましたね。」
「それにしても、本当に、この神殿の地下に、
500年前に地上で暴れた魔獣が、封印されているのでしょうか。」
「セリナさんが気が付いた魔物とは、この事かも知れませんね。
しかし、過去の僕達以上の力を有していたと思われる人でさえ、封印するしか無かったのに、
現代の僕達が勝てるのか?とは思いますが、文章が正しければ、近日中に封印が解かれるので、
完全ではない今が絶好のチャンスなんでしょう。」
「そうですね。これから、私は冒険者ギルドで対応を話し合って来ます。
コーヤさんはどうしますか?」
「封印解除は明日ですから、宿屋に戻って身体を休ませます。」
ログアウト前に、手配犯の所持品と報奨金を確認。
まず、報奨金は白金貨2枚だった。
魔法袋に、ヴィオさんの手紙が入っていて、5年以上暗躍していて、
報奨金の金額がどんどんと上がっていったようだ。
魔法付与装備品(皮装備一式、盾、剣、鎧、指輪、その他)計15種23点、
黒鉄製装備品10点、食材、酒類、衣服店の商人袋
手配犯の所持品では、上記の品が利用できそうだった。
ちなみに、食材と酒類は、ヴィオさんにプレゼントしたら喜んでいた。
その後、1日中動いていた事もあり、宿屋に戻ってログアウトをした。