最終更新日 2022/06/05

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10話 発見

「いらっしゃいませ。ようこそ!サーシャスへ!」

「魔石を取り付けて欲しいのですが、良いですか?」

「はい。大丈夫ですよ!どれに取り付けますか?」

「この鍵に取り付け箇所があるので、取り付けて下さい。」

「ふむふむ。なるほど、分かりました。15分程で出来ますが良いですか?」

「お願いします。もっと、時間がかかるかと思っていたんですが早いですね。」

「(作業しながら)アクセサリーは魔石や宝石の交換が多いですからね。
そうそう、お客さんも冒険者ですよね?聞きました?新たにダンジョンが見つかったって。」

「え!?そうなんですか?どこで見つかったんですか?」

「南にある海の街アクセリアの海岸線にある見たいですよ。

海で遊んでいた冒険者が、高い岩場にぽっかりと開いた場所を調べたら、
ダンジョンだったんだって、うちに来るお客さんが教えてくれて。

最近1ヶ月は、宝石や魔石の水属性対策で来る人が多くて不思議で、不思議で。」

「そうだったんですね。1週間くらい前にこの街に来たので、全然、知りませんでした。」

この様に雑談しながら、20分弱で全ての鍵へ魔石の取り付けが終わった。

「はい。終わりましたよ。
え〜と、料金は、鍵1本中銅貨1枚なので、合計大銅貨1枚になります。」

「ありがとうございました。助かりました。また、機会があればお願いしますね。」

「はい。またのご来店お待ちしています!」

この後は、セリナさんのいる神殿に移動。

女神アーシェシュトラ神殿

「こんにちは。セリナさん。鍵が完成したので持って来ました。」

「コーヤさん。こんにちは。
なんか、鍵の持ち手の真ん中に、魔石が入っているなんて面白いですね、」

「ええ。実は、魔石を取り付けたら、特殊な力が、開放されるのかと思っていたんですが、
どうも、違うようです。セリナさんは聖魔法や光魔法を使えますか?」

「光魔法は威力が弱いですが、聖魔法は得意です。」

「でしたら、鍵の魔石に聖魔法を使って貰えませんか?」

「え?この鍵にですか?」

「そうです。鍵の魔石に何かを流す事によって、変化するかと思いまして。
まず、魔法から実験して、もし、だめなら他の方法を探せばいいですし。」

「なるほど。分かりました。では、行きます!(鍵の魔石に聖魔法を注ぐ。)」

1分程で魔石が光りだす。

「あれ?光るだけですね。コーヤさん。失敗でしょうか。」

セリナさんは、鍵を見ながら残念がっている。

「セリナさん。失敗では無いようですよ?後ろの神像の台を見て下さい。」

神殿内を見渡すと、神像の台が光っているのを見つけ、
移動し、光の照らされた場所を見ると、文字が書かれていた。

「これは!?失われた神聖文字で書かれています!」

「失われた神聖文字?」

「今から500年位前までは、神殿関係者で普通に使われていたようです。

しかし、神族と魔族の戦いに地上が巻き込まれて、多くの書物が失われたと伝わっています。

そして、神族と魔族が地上から去った後の復興において、神聖文字は忘れ去られていましたが、
100年位前に冒険者が神聖文字を発見して、現在、研究されています。

とはいえ、私も解読出来るほど詳しくないので、何が書かれているのか分からないですね。

でも、研究書を見れば分かるかも知れません。書庫に探しに行きます!」

セリナさんは、書庫に走って行ったが、僕はゆっくりと書庫まで歩いて行った。

「セリナさん。辞書の様な書物ありました?」

「あ!コーヤさん。たくさんあるので手伝ってくれませんか?」

その後、作業に移り、2時間かけて解読作業が終わった。

「ふぅー。なんとか、理解出来る内容になりましたね。」

「それにしても、本当に、この神殿の地下に、
500年前に地上で暴れた魔獣が、封印されているのでしょうか。」

「セリナさんが気が付いた魔物とは、この事かも知れませんね。

しかし、過去の僕達以上の力を有していたと思われる人でさえ、封印するしか無かったのに、
現代の僕達が勝てるのか?とは思いますが、文章が正しければ、近日中に封印が解かれるので、
完全ではない今が絶好のチャンスなんでしょう。」

「そうですね。これから、私は冒険者ギルドで対応を話し合って来ます。
コーヤさんはどうしますか?」

「封印解除は明日ですから、宿屋に戻って身体を休ませます。」

ログアウト前に、手配犯の所持品と報奨金を確認。

まず、報奨金は白金貨2枚だった。

魔法袋に、ヴィオさんの手紙が入っていて、5年以上暗躍していて、
報奨金の金額がどんどんと上がっていったようだ。

魔法付与装備品(皮装備一式、盾、剣、鎧、指輪、その他)計15種23点、
黒鉄製装備品10点、食材、酒類、衣服店の商人袋

手配犯の所持品では、上記の品が利用できそうだった。

ちなみに、食材と酒類は、ヴィオさんにプレゼントしたら喜んでいた。

その後、1日中動いていた事もあり、宿屋に戻ってログアウトをした。

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