最終更新日 2022/06/05

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    ライトノベル へようこそ Welcome to novel


3話 活動開始!

冒頭の様に、混雑前に冒険者登録をしようと早起きして始めてみたんだが、
同じように考えている人が多いようで、それなりに混雑していて、人気があるんだなと感じた。

その後、ログアウトして朝食を摂り、家の仕事を片付けて、午前10時頃、
先程の景色を思い浮かべて、わくわくしつつ、ログインして再開する事にした。

ただ、サービス開始から半年以上経過しているので、多くの謎は解決されていると思うから、
ラノベみたいに、目立つ事もないだろうし、好きな事をしてまったり遊べれば良いなぁと思う。

ちなみに、現在のステータスはこうなっている。

名前:コーヤ

種族:人族

性別:男性

体力(HP):100

魔力(MP):80

スキル:
[杖 lv1]、[錬金 lv1]、[料理 lv1]、[魔法(初歩) lv1]、
[索敵 lv1]、[足捌き lv1]、[鑑定 lv1]、
[罠感知 lv1]、[罠解除 lv1]、[遠見 lv1]

このゲームは、一般のゲームにあるようなステータス依存ではなく、
プレイヤーの行動により展開が変化する仕組みになっているのが、楽しみの一つだ。

その為に、ステータス、つまり、
通常の能力値は鑑定などのスキルでも見る事が出来ない。

しかし、ダメージ等の判断材料として使うので、隠し要素として存在する。

あと、ゲーム上にあるアイテムは全てのプレイヤーが使う事が可能だけど、
アイテムの力を引き出せるかどうかはプレイヤー次第。

特化するも良し、広く浅くも良し、全てはその人の選択次第で大きく人生が変わるシステムに、このゲームが人気を維持している秘訣かも知れない。

「(さて、今後の事を考える為にも静かな場所に行きたいけど。)」

西門の門番さんに聞いて見た。

「すみません。少し、良いですか?」

「ん?なんだい?」

「静かな場所で作業をしようと思ったんですが、どこか、良い場所知りませんか?」

「う〜ん。静かな場所か。そうだ!東地区の奥に、東の岩壁の上に出る道があるんだ。
 岩壁の上は静かだし、この街の周囲を一望出来るから良いと思うよ?」

「ありがとうございます。この街に来て日が浅くて。助かりました。」

「いいよ、いいよ。ここを通る商人にも街の観光名所を聞かれたりする事があるからさ。

ただ、魔物は出ないとは思うが、最近になって、今まで安全地帯だった場所にも、
魔物が出没したとの報告が上がっているから、重々気を付けて。」

「分かりました。情報ありがとうございます。気を付けます。」

門番さんとの会話を終了し、東の岩壁の上に上がって来てみた。

「おぉー!これは、すごい!」

岩壁は400メートル程の断崖絶壁になっていて、道を登っていても迫力があった。

上に到着すると、奥には洞窟があり、手前は低い草が生い茂り、下に目を移すと、
400メートル程の高さがある事もあり、街道や森、川などを一望出来て素晴らしかった。

「(辺りを見渡して)うん。ここなら、所持品の確認や今後の事を考えられそうだ。」

まず、現在の装備品は、最初から身に着けていた[初心者装備一式]。

次に、所持品の確認。

[初心者ポーション(HP、MP)各々20個]:登録したプレイヤー全員に配布

[魔法の袋(中)]:Ultimate版のみ魔法の袋(小)を(中)に変更

[黒の装備一式]:Ultimate版特典で頭・胴・腕・脚の装備一式。

         頭:魔法攻撃の威力を3割軽減

         胴:状態異常の成功率を3割軽減

         腕:アイテムの熟練度を2段階上昇

         脚:脚技の速さを2割上昇

         各部位には上記の特殊効果が付加され、
         一式効果としては、装備に魔力を蓄え、体力の回復に使える。

[黒の武器10種]:Ultimate版特典で基本武器10個が入っている。

[幸運の宝箱5個]:Ultimate版特典。

         ゲーム世界各地に隠されている宝箱で、誰でも開ける事が可能。

         ただし、ランダムBOX1000分の1程度の確率しかない。

         課金アイテム含め全アイテム対象。

[ランダムBOX10個]:Ultimate版特典で、
           幸運の宝箱と違って課金アイテムは対象外。

[謎のカード]:鑑定しても不明なカードで、タロットカードに近い大きさがある。

[私服ファッション(コーディネート済み:冒険者風)]:Ultimate版特典

Ultimate版には、まだまだ多くの特典があるが、残りは必要な時に使うつもりだ。

あと、ランダムBOXなどの宝箱は、自分の家を手に入れるまで開けない事にした。

魔法の袋が普通よりは容量が入るけど、何があるか分からないので空きは確保しておく。

最後にお金の確認だけど、金貨5枚持っていた。

金貨5枚と言う事は、円換算で確か50万円だったかな。

まだ、この世界の金銭感覚が分からないけど、
とりあえずは、贅沢三昧しなければなんとかなりそうだ。

ちなみに、ネットでゲーム内通貨を調べたら、

ゲーム内通貨の価値

小銅貨:10円
中銅貨:100円
大銅貨:1000円
銀貨:10000円
大銀貨:50000円
金貨:10万円
白金貨:100万円
黒金貨:1000万円
ミスリル金貨:1億円

と言った通貨が流通しているが、自分が使うのは白金貨止まりだろう。

あと、一般国民は日々の生活では主に「銅貨」を、商人は商売で「銅貨〜銀貨」を使用、
王族・貴族・領主は主に「金貨」を使用するみたい。

ミスリル金貨は、国家間で使用する為、多くの人達は見る事が無い。

「これで、確認は終了。特典の箱は・・・。
う〜ん、物によっては、魔法の袋を圧迫しちゃうしなぁ。今回は、保留にしておこう。
この後だけど、どうしようか。(見回して)街の探索でもするかな。」

そして、街に戻るべく歩き出した時に、一瞬だけど、洞窟内で何かがキラッと光る。

「ん?洞窟内に光を反射させる物でもあるのかな?」

慎重に周囲を確認しつつ、洞窟の入り口に到着。

「(罠感知)罠はなさそう。(索敵)敵になり得る存在もいないか。」

ライトの魔法を使って、辺りを明るくして進んで行く。

分かれ道も無く一本道で、入り口から奥が分かる程小さい洞窟のようだ。

それでも、警戒しながら、奥に行くと、
掘削途中で放棄したようで、それほど、広くは無かった。

入り口の光を反射させたと思われる物が、中央付近に置かれていた。

「これは、幸運の宝箱?しかも、2個か。」

悩んだが、せっかく見つけたのに、
他の人に持って行かれたら悔しいから両方持ち帰る事にした。

もしかして、宝箱を取った事による、洞窟の崩壊があるかも?と思って、走って脱出したけど、
どうやら、感知出来ない罠は無かった様で安心。

現在は収納スペースが圧迫される可能性もあるので、袋に保存することにして下山した。

人だかりの店

東の岩壁から冒険者ギルドに向かっていたら、中心地から少し外れた場所で
人だかりが出来ていて、気になったので行ってみた。

「(近くの人に事情を聞く)すみません。何かあったんですか?」

「ん?ああ、なんでも、この店の店主が他人の情報を無許可で広めたらしい。
その事に気が付いた被害者の兄ちゃんが、クレームを付けているところなんだ。」

「うわぁぁぁ。それは、気の毒ですね。」

その時、人だかりが多くて、直接見えないが、
口論をしているようで二人の怒鳴り声が辺りに鳴り響く。

「だぁ!かぁ!らぁ!あんたが、素直に謝罪と掲示板への謝罪文の投稿を約束し実行すれば、
それで、今回の件を終わりにするって言っているのに、なぜ、謝らない!」

「決まっているでしょ?わたしは悪くないからよ。
悪くないのに、なぜ、謝らなきゃいけないのよ!?」

「あんたは無関係ではないだろ!掲示板見たか?

お前から聞いた内容を掲示板に載せた奴が誹謗中傷を始めたんだ!
しかも、俺の家を特定しようという奴まで現れた。

あんたはちょっとした、いたずら心か知らないが、俺は多大なる迷惑を被ったんだ!」

「なによ!それは、わたしが悪いんじゃなくて、掲示板に書き込んだ奴が悪いんでしょうが!」

そこへ、パンパンと手を叩く音がしたので、
皆がそちらに注目すると、一人の男性が立っていた。

「皆さん、お会いした人がいるかも知れませんが、初めまして。
ゲームの運営を任されている者の一人です。(一礼)
先程、匿名で通報があり、問題解決の為にも調査させて頂きました。」

運営と聞いて、女性店主が声を荒げた。

「ちょっと、待って!わたしは悪くないわ!」

「誰が悪いかは、我々で公正に判断させて頂きますので、ご安心を。
さて、本題ですが、事の発端はこちらの女性店主の発した言葉から始まる事は確かです。」

「やっぱり、あんたが悪いんじゃないか!」

「落ち着いて下さい。ある一点を除けば雑談だったと判断しています。

問題なのは、そのある一点です。

店主。

あなたは、掲示板への問題投稿が自分の発言からと言うのは、気が付いていた筈です。
しかし、注意でも運営への報告でもなく、面白可笑しく煽った。この点、認めますね?」

僕は、二人の表情が見える位置を見つけて、女性店主を見ると、
運営と言えど、証明出来ないと思っているからか、口元を緩めて、穏やかに話しだした。

「運営さん、残念ですが、間違いですね。確かに、たまには掲示板を見る事はあります。
見るだけですし、問題投稿で盛り上がる様な掲示板は見ませんし、書き込みもしません。」

運営の人は、専用の画面を出して、その情報を見ながら話す。

「なるほど。確かに、システム上、ログインすればプレイヤーネームが記録されます。
確認したら、あなたは該当期間中、見たり書き込んだりした痕跡はありませんでした。」

「(ふふん)当然です。では、わたしは今回の件には無関係と言う事で良いですよね?」

女性店主は、勝ち誇った顔になり、これ以上関わる必要が無いでしょ?と確認を取るが、
運営の人は、ストップをかける。

「待って下さい。確かに、店主であるあなたの痕跡はありませんでした。

ところが、不正アクセスの中の一つを辿って行くと、あなたに辿り着きました。

そして、内密に詳しく調査した結果、使用者は女性店主、あなたの可能性が高い。

このゲームにおいて、キャラクター使用は1つまでと決まっているので、もし、
不正アクセスでゲーム内にいたとすると、2つ目のキャラクターがあるという事になります。」

女性店主は顔を真っ赤にして、猛抗議をする。

「はあ!?それじゃあ、わたしが不正したみたいじゃないですか!
なんで、わたしが不正しないといけないんですか!!」

「ふむ。では、不正はしていないのですね?」

「していません!!!」

「そうですか。これは、困りましたね。我々のセキュリティにも穴があった可能性もあるので、
素直に認めて頂ければ、アカウント停止3ヶ月で済まそうと考えていたのですがね。

良いでしょう。それでは、1つ取引をしましょう。

店主、あなたが不正アクセスしていないのに、したとなっているのであれば、
VR機本体へのウイルス等の設定上書きがあったはずです。

後ほど、調査方法を教えるので、情報を送って下さい。

その情報次第では、アカウント停止はしません。

店主どうですか?この方法ですと、確実に問題を解決出来ますが?

あと、被害者の方もこれでよろしいですか?」

「ああ。とことん迄調べてくれ。何回も言っているが、
俺への謝罪と掲示板への謝罪文の投稿をすれば、不正の事はどうでも良い。」

「分かりました。

なんにせよ、店主には不正容疑がかけられているので、
我々の本格的な調査が終わるまで、アカウント停止とさせて頂きます。

被害者であるあなたには、お詫びとして、幸運の宝箱1個を差し上げます。」

被害者の男性は了承するが、女性店主の怒りは収まらない。

「ちょっ!なによ!それ!」

「まぁ、妥当な判断だな。」

「はい。お集まりの皆さん。問題解決の目処が立ちましたので解散して下さい。」

運営の人がそう言うと、皆は解散し、散って行った。

途中からの話から、女性店主が冒険者の男性に対して犯罪まがいの事をしていたらしい。

女性店主は納得して無さそうだったけど、確かに本体に記録されたウイルス等の情報を
解析すれば、誰が悪いのかが、分かると思う。

多くの人は、その場を離れているので、僕もその場を離れて、
最初の目的地である冒険者ギルドに入った。

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