最終更新日 2022/06/05

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83話 ユグドラシルの中層で会談

11月10日(日曜日)

闘技大会と魔族の再襲来かあってから1週間が過ぎた。

その間、王宮で戦勝式典があったり、闘技場の再建着手、修練の間周辺の再開発着手など、
周りは慌ただしかったが、僕達はまったり過ごしていた。

伊織さんから、10日の日曜日に会いたいと連絡があって、
昼過ぎに来るとの事だったので、畑作業を終わらせて待っていた。

「こんにちは♪コーヤ君。イオを連れて来たから、許可貰える?」

「こんにちは。分かったよ。(拠点へ入る事を許可しますか?)許可っと。
許可出したから、入れるよ。」

以前にも言ったが、登録制になっていて、
初めての人は許可を貰えないと入れないシステムになっている。

仲の良い友達や親戚・親族等は、設定すれば、フリーパスで入る事は可能だ。

イオさんが上がって来た。

「いらっしゃい。イオさん。初めまして。コーヤです。」

「お邪魔します。初めまして。イオです。よろしくお願いします(お辞儀)」

「コーヤ君。拠点、以前来た時と少し違うんだけど、何か変えた?」

「うん。イベントポイントで、植樹するつもりで木に交換したんだけど、時間が無くてね。

3日程前に目隠し代わりに植えて見たんだけど。どう?」

「うん。以前は所々、見えていたけど、今は、高台にある森林地帯って感じだね。」

「そっか。じゃあ。大丈夫そうだ。」

「コーヤさん。新技術の事なんですけど。」

イオさんは、早く本題に入りたいとうずうずしている様だ。

「ああ。ごめん。イオさんは忙しいだろうから、本題に入ろうか。
と、その前に場所を移動しよう。」

〈ユグドラシル〉と言う名の木の中層に上がって、話をする事にした。

「じゃあ。その鉄板に乗って貰える?(全員乗る)そう。〈上昇〉発動」

〈上昇〉の魔法陣が付与された鉄板は、5分程で中層に到達する。

「ちょっ!コーヤ君!何これ!」

「(ぱくぱく)」

「事情説明は、イスに座ってからするよ。」

2人には、新たに設置したイスに座って貰い、机にはハーブティーの瓶を置き、
ガラスのコップを3つに、ハーブティーを入れて渡す。

「さて。事情なんだけど(説明)と言うわけなんだ。」

「なるほどね。そんな事があったのかぁ。まぁ。びっくりするなって言うのは無理よね。」

アカネさんが感心する隣で、イオさんはハーブティーを一気飲みしていた。

「ごくごく(一気飲み)、ぷはぁぁぁぁ。」

「あ。イオやっと復活したのね。」

「アカネはなんで驚かないのよ!」

「え?これでも驚いているよ?でもねぇ。コーヤ君だからで納得する自分が居るんだよね。」

アカネさんは、苦笑いし、イオさんは早速、エレベーターについて聞いて来る。

「えーと、コーヤさん。さっきのエレベーターもどきも新技術?」

「そうですよ。

今まで、使う場所が無かったんだけど、アキホお姉ちゃんが、
縄梯子での上り降りが大変そうだったから、なんか方法が無いかなって。」

イオさんは、我慢出来ないって感じに、身を乗り出して来る。

「コーヤさん!新技術って何なんですか!?」

「落ち着いて(苦笑)僕が見つけたのは《魔法陣》と言う技術さ。」

「魔法陣。このゲームでは、聞いた事無いなぁ。アカネは?」

イオさんは、腕組をして考えている。

「私も今初めて知ったよ。なるほど。

色々なゲームあるけど、このゲームは、別々の技術としたのか。

コーヤ君はいつ見つけたの?」

「う〜ん。確か。9月2日位だったかな。

参考になる資料が無いかと、装備品店や道具屋、雑貨屋を回っていたんだ。

雑貨屋で物色していたら、タイトルにシンプルに魔法陣と書かれた本を見つけてね。」

本を机に置く

「うわぁ。コーヤ君。良く気が付いたね。タイトル擦り切れて分かりづらいのに。」

「本当ね。私も資料探しに出歩くけど、こう言うのがあっても、通り過ぎるわね。」

「まぁ。そんな訳で、たまたま見つけて、
店主に聞くと、廃棄処分にしようかと思っていたようでね。

それならと、残っている本と合わせて30冊、
それと、店主のお婆さんが大事にしていた魔法袋を買って来たというわけなんだ。」

「アカネに聞いた、使用者の感想とさっきのエレベーターもどき、それらを考えると、
相当凄いものなのね。対価を払うから本を貸して貰えない?」

「貸すんで無くて、複製作ったので差し上げますよ。(魔法袋小を渡す)」

「え!?複製?うそ!こんな簡単に手に入るなんて!」

イオさんは早速、魔法袋から本を出して読んでいる。

「コーヤ君良いの?別に全冊でなくて2冊とかずつで良いのに。」

「ところがね。そうでも無いんだ(苦笑)

30冊で1つの初級編の様に作られているから、
途中から読むとちんぷんかんぷんなんだよ。」

「へぇー。じゃぁ、内容は?わかり易いの?」

「全然かな。

基本、書かれているのは、辞典を想像して貰えば良いかなぁ。

例えば、さっきの上昇だって、
「物に付与して発動すると、上昇させる事が出来ます」としか書かれていないからね。」

「ああ。それだと、どのように付与するのか分らないよね。イオ?どう?」

イオさんは、僕達が話している間に、10冊程パラパラと流し読みしていた。

「そうね。

少し見た感じだけど、確かに、発動させると、この様になります的にしか書かれていないわ。

でも、これさえあれば、面白い事が出来そうね。

コーヤさん。中級は無いんですか?」

「近々、探しに行こうと思っているよ。
お婆さんの袋に、ありそうな場所が書かれた紙があったから。」

「どのエリア?情報収集ならするよ?」

「そうだなぁ。(紙を見せて)中級の本はここにあるらしい。」

アカネさんは、紙に書かれている場所を見て嫌そうな顔をする。

「うへぇ。山岳地帯に埋めたって絶望じゃ無いの?」

「でも、アカネ。逆に考えると、まだ、残っている可能性が高いと思わない?」

「まぁ。そうかも知れないけど。山岳地帯って、国境線越えても続いているんだよ?
さすがに、他国の領地を勝手に探す訳にはねぇ。」

「う〜ん。それもそうね。コーヤさんは、何か策を考えているの?」

「策と言うほどでは無いけど、見つかりたくないと考えているのなら、
だいたい、洞窟や穴を掘れる場所だと思う。」

「そうね。でも、良いわ。

こちらは初級編を自分の物にしないと。中級はコーヤさんに任せます。

でも、手伝える事があれば、手伝いますので、教えて下さいね。」

「ありがとう。助かるよ。」

「そうだ。コーヤ君。

魔族と戦った時の装備って、
改良型の試作品って言っていたように思うんだけど、中級が無いと完成しないの?」

「そうかも知れないし、違うかも知れない。

でも、あれば、新たな切り札が載っているかも知れない。」

「なるほど。私達は、情報収集をして置くよ。有益な情報があれば教えるね。」

「うん。ありがとう。」

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