11月25日(月曜日)
「それで、光矢は今回のイベントはどうするんだ?」
海人が、今度のイベントの事を聞いて来た。
「内容見たら、意外に面白そうだから、
今回のイベント限定でクランを作っても良いかなって。」
「おいおい。このイベント終わったら、解散するのか?勿体無い。」
「そうだよ。水晶君。」
「それにだ。付けた名を他の人が付けてしまえば、改めてクランを作る時に困るぞ?」
確かに海人の言う通り、気が向いた時に、また、作ろうとした時に、
同じ名を使用出来るかは分からない。
「う〜ん。確かに。でも、一人で作ってもなぁ。」
「じゃあ。私と妹を入れてくれない?」
考えていると、牧ノ原さんが提案してくる。
「良いの?」
「うん。私もゲームを始めて、3ヶ月だし、
妹とも、このまま無所属なのもね。って話していて。」
「じゃあ。わたし達は、光矢君のクランの専属パーティーにして?」
今度は、道下さんが、知らない単語を言って来る。
「なにそれ?」
「クランにはね。ギルドとパーティーを専属契約出来るの。
拠点の防衛とか、後は、生産専門ギルドとかね。
最近、わたし達のパーティーも、生産も良いよねって話していて。」
確か、拠点のランクアップして3ヶ月程経つ。
「でも、拠点ランクアップしたよね?勿体無くない?」
「そうでもないよ。拠点に使った費用の7割は戻って来るし。
あとね。掲示板で話題になったパーティーは、都合の良い拠点見つけたら、
すぐに拠点移動するらしいよ。まぁ。使いやすさが大事だしね。」
「なるほどね。
あまり使っていない施設もあるし、
道下さん達が良ければ、こちらは問題ないよ。
それじゃあ、早速、今日の夜8時頃にクランを立ち上げるから。」
「了解♪後でメンバーには伝えて置くね。」
僕達の話を静観していた海人が、提案して来た。
「光矢。話はまとまった様だな。
今回のイベント出るなら、俺達のクランと提携してくれ。」
「あれ?海人。クラン作っていた?」
「いや。以前はただのパーティーだったんだが、話し合って、クランに昇格させた。
今回だけじゃなく、今後も、必要になるかも知れないからな。」
「それで?クランの名は?」
「色々と案はあったんだが、《疾風雷》になった。」
「へぇー。かっこいい名じゃない♪わたし達も何か考えないと。」
「これからは、名に恥じない行動しないとな。」
その後、打ち合わせして、昼休みは終わった。
クラン申請に署名
「よしっと。みんなも署名して。」
「(3人)はーい。」
リンネさん、あくあさん、ユヅキの3人が署名し、最終確認の後、決定ボタンを押す。
《おめでとうございます。クラン設立が承認されました。》
「うん。これで、この拠点もクラン仕様になったはず。」
「コーヤさん。クラン仕様になると、変化があるんですか?」
ユヅキが聞いて来た。
「(画面を見ながら)え〜と。防衛力の強化、生産設備の成功確率向上だね。」
「成功確率が上がるのは良いですね!どの程度上がるんですか?」
「(画面を見ながら)う〜ん。最高難度の成功確率で2%だから、
それほど、高くないけど、今まで成功しなかったのも成功するかもね。」
「楽しみですね。(にこっ)」
「こんにちは〜♪」
アカネさんが達が到着したようだ。
「いらっしゃい。」
「設立は、上手く行った?」
「うん。問題無く承認されたよ。じゃあ、画面出すから、署名よろしく。」
アカネさん達5人が、専属契約に署名する。
「コーヤ君。確認して?」
問題が無かったので、承諾して、契約は完了した。
「アカネ!本館の横見て!」
シェーラさんが指した方向を見ると、建物が建っていた。
「え!?移転したら、拠点って自動で建つの?」
ミリスさんが否定する。
「アカネ。そんな、都合の良い事がある訳無いでしょ。
たぶん、拠点ランクが高そうだから、その効果じゃないかしら。」
「(確認する)う〜ん。ミリスさんの話は合っていそうだね。
今、確認したら、拠点ランクが7だと1つ、8だと2つ、9だと3つの
ギルドやパーティーの拠点をランク5で、自動配置するみたいだね。」
「へぇー。考えた事無かったから、知らなかったよ。」
「ねぇねぇ!早く、中を確認しようよ!」
コノミさんは、早く中に入りたそうにしている。
「そうね。早速、入りましょ。(かちゃ)」
僕も入ってみたけど、必要最低限の設備があるようだ。
「前の拠点で使っていたのを設置しましょう。
その後は、この拠点のランクアップの費用を考えないと。」
アカネさん達が、新拠点の調整をしている頃、カイトから連絡があった。
「あ!コーヤ、すまんが今、イベントの為の物集めしているから、
そっちに行って、提携の登録が出き無さそうなんだ。
だから、コードを送るから登録をしてくれないか?」
「分かったよ。」
その後、カイトのクランを登録した頃、ミュウちゃん達とアキホお姉ちゃん達からも、
お願いされたから登録した。
ちなみに、アカネさん達は、前の拠点のランクアップ分のお金が手数料引かれて、
白金貨3枚・金貨3枚が戻って来たので、拠点を7までランクアップして、二階建てにし、
ランク7になった事で、追加出来る設備に、小さな生産部屋を選択していた。
そして、日は流れて、イベント当日を迎えた。