最終更新日 2022/06/05

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50話 合成スキル

「はい!はーーい!わたし行きまーす!だから、お金ちょうだい!」

コノミさんは、素材の買い出しに立候補した。

「はぁ。コノミだけだと心配だから、私も付いて行くわ。」

シェーラさんが、コノミさんに付いて行った。

「いってらっしゃーい!」

「さて、コーヤ君、あの素材をどうするの?」

「簡単だよ。魔法袋(小)を作って、それを複製するんだ。」

「複製?そんな事が出来るの?自分で作ったの?」

アカネさんが、不思議そうに聞いて来た。

「うん。拠点買って、畑もあると言うから心躍らせたんだけど。

種がランダムBOXでは出るんだけど、その他だと、なかなか手に入らなくてね。

そこで、コピー出来ればって思って作って見たんだけど、品質は元の8割だったよ。

とは言え、元の品の能力を最大限使わなければ、良い感じに使えそうだね。

ちなみに、コピー品の袋は無限にならなかったよ。」

「そっかぁ。やっぱり、偽物は偽物ってわけか。
それに、そう都合良くは行かないんだね。容量は?」

「調べていないけど、大と無限の中間かな?」

「それだけあれば、問題無いわね。コーヤさん。今、白金貨持っていないから、今度で良い?」

「うん。僕は構わないよ。ただ、出来るなら、今まで手に入れた物で、
アイテム作りに参考になる物や、各地の情報があると嬉しいんだけど。」

「ハヅキ。何かあったかな?」

「う〜ん。覚えていないから、拠点に帰らないと分からないよ。」

アカネさんが、拠点の言葉で何かを思い出したみたいだ。

「そうだ!コーヤ君は、この建築物どうやって再生したの?気になっていたんだよね。」

「これは、拠点の設定画面で、解体して新しいのを作るか、
それとも、復元するかを問われたから、復元にしたら、1週間で復元されたよ。」

「その時、建築士の設定ってなかった?」

「(思い出しながら)あったかも知れないけど、気にしなかったなぁ。」

「もしかして、コーヤ君は建築士のスキル持っているの?」

「うん。フィンテルの修練の間でレベルが5まで上げれたよ。現在は、レベル7だね。」

「すごい!じゃぁさ!わたし達の拠点のランクアップをして欲しいの!」

「ランクアップ?」

聞き慣れない言葉が出て来た。

「うん。わたし達がその拠点を買った時には、ボロ屋だったの。

調べたら、お金と素材と建築士が必要らしくてね。

知り合いにも、建築士のスキル取得している人いなかったから、
第三エリアの街の建築士に頼んだら、1年以上先になるって、ずっと待っているのよ。」

「まぁ。別に僕達は構わないよ。でも、エリアボス倒す必要あったんだっけ?」

「そうだね。コーヤ君達がどれだけの強さを持っているか分からないけど、
たぶん、大丈夫だよ。危なくなったら、支援するからさ。」

「ユヅキちゃんも大丈夫?」

「はい!新しい場所を見るのは楽しみです!」

この時に、買い出し組が戻って来た。

「たっだいま〜!」

「帰って来た。素材あった?」

「あったよ。はい。(素材を渡す)」

「ありがとう。ユヅキちゃん。複製機持って来て。」

「はい、分かりました。」

ユヅキちゃんが複製機を持って来る間に、説明をする。

「その間に説明するね。まずは、魔法袋(小)を作って貰って、必要分、複製したら、
次に、魔法袋(小)を重ねて合成する作業をしてもらう。」

「合成?どんな風に?」

「じゃあ、お手本見せるね?」

残っていた魔法袋(小)の複製品2枚を手に取り合成する。

「出来たよ。」

「え!?もう?」

「鑑定して見るとすぐに分かるよ。」

「ほんとだ。ちゃんとプラス2になっている。」

「でもさ。合成って自動でも出来るよね?」

アカネさんが不思議そうな顔で聞いて来た。

「うん。出来るよ。でもね。調べてみると、魔法袋の場合、成功確率が半分なんだって。」

「半分の成功確率しか無いのか。それじゃぁ。使えないね。」

シェーラさんが聞いて来た。

「自動ではなくて、手動で地道に100回合成をするのね?」

「うん。最初は大変なんだけど、慣れてくると短時間で、小から中、中から大にと、
ランクアップする事が出来るよ。まずは、複製品作りをしてちょうだい。」

「はーい。」

みんなで、魔法袋(小)複製品100個を完成させた。

「魔法袋を合成するコツなんだけど、僕の場合は、油揚げを広げて、その中に油揚げを入れて、
1枚の油揚げにするイメージで作業して出来たから、色々と試してみると良いかも。

簡単に言えば、2枚を1枚にする事が出来れば、どんな方法でも問題ないと思うよ。

僕達は、他にもする事あるから。」

「え〜!手伝ってくれないの?」

アカネさんが、パーティーを代表して抗議して来た。

「だって、自分達用に欲しいんだよね?だったら、自分達で頑張らなきゃ。
それに、デメリットだけじゃなくて、メリットもあるんだし。」

「メリット?どんな?」

「僕は、スキルが生えて来たよ。みんなも頑張ればレアスキル取得出来るかもよ?」

「ちなみに、コーヤ君はどんなスキルが生えて来たの?」

「僕の場合は〈空間〉スキルを取得する事が出来たよ。」

「空間スキル?ミリス知ってる?」

「(考えながら)もしかしたら、レアスキルの1種じゃないかしら。
レアスキルは公式でも発表していないし、今でも、分からない事ばかりだから。」

「なるほど。じゃぁ!みんなで頑張ろう!(みんなで)お〜!」

2時間後

僕達が、今まで作った試作品を、魔法陣バージョンに切り替え終わって、
アカネさんパーティーのところに行くと、芝生に寝転がってバテテいた。

「アカネさんどんな感じ?」

「ダメ!無理!精神力が続かない!」

「でも、出来たんじゃない?」

近くには、魔法袋(小)+6が落ちていた。

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ。それは、交代交代でなんとか作ったんです・・・。」

ミリスさんは息も絶え絶えだ。

「めちゃめちゃキツイじゃないですか!」

ハヅキさんは、すごく怒っている。

「僕達もすごくきつかったよ?〈合成〉スキルは、色々な場面で有効活用出来るから、
取得して損は無いんだし。って、あれ?シェーラさんは?(辺りを見回す)」

アカネさんが中庭の芝生に、仰向けになって答えてくれた。

「ああ。なんか、コツが掴めて来て面白くなったからって、袋の生地を買いに行ったわ。」

「たっだいま〜♪あれ?コーヤさん、仕事終わったんですか?」

「みんなは死屍累々なのに、シェーラさんは元気そうだね。」

「はい!なんか、相性が良いみたいで。あと、私も〈空間〉スキル手に入れました♪」

「へぇ〜。おめでとう。楽になったんじゃない?」

「はい!だんだんとパズルのように思えて、面白くなっちゃって♪」

「空間スキルを手に入れたんなら、裁縫スキルを取って、袋を作って、
その袋に空間スキルで魔法袋に変化させる事が出来るから、今後は、正規品を作れるよ。」

「なるほどぉ。ねぇねぇミリス。裁縫お願いして良い?」

「はぁ。そうね。スキルのレベル上げにもなるし、たまになら良いわよ。」

「ほんとう!ありがとう♪じゃあ。買って来た分だけ作ってしまうね♪」

シェーラさんは、作業に入って行った。

「これで、合成はシェーラに決定ね。」

アカネさんは、起き上がって話しかけて来た。

「さて、コーヤ君、この授業料は何が良い?」

「授業料?なに、それ。別に僕は何も教えていないよ?」

「そういうわけには行かないでしょ。

だって、魔法袋を合成するなんて誰も知らないのよ?

それに、合成スキル取得出来たし。

逆に、私達の方が、要求してくれないと落ち着かないのよ。」

ミリスさんにそう言われたけど、思い浮かばないから、ランクアップで・・・。

「ちなみに、拠点のランクアップの件とは別ですよ?」

ハヅキさんに先手を打たれた。

「と言われてもねぇ。お金は、ダンジョン産売却益が残っているし、
そうだ。鉱脈の情報は無いかな?」

「鉱脈ねぇ。ハヅキ。そう言うのに詳しいのいたよね?」

「うん。サーシャね。今は確か、第4エリアだったかと思う。

でも、コーヤさんが欲しいのは、この地域のでしょ?知っているかなぁ。

とりあえず連絡するね。よし、送信完了。あとで、返信来たらアカネに渡すわ。」

「了解。それで?何か作るの?」

「うん。新しい技術を手に入れたから、色々な鉱石が欲しくてね。」

「新しい技術?そんなの聞いた事無いけど。」

「まだ、やっと、形になったばかりだからね。秘密にしておくよ。
ただ、2週間後にある防衛戦までには、その技術で色々と作っておくつもりだけどね。」

「じゃあ。コーヤ君は参加するの?やっぱり、1番近いフィンテル?」

「まぁ。準備が間に合えばの話だけど。」

「みんなぁ。そろそろ、日が傾いて来たから暗くなるよ?」

「本当ね。じゃあ。明日の午後9時頃に来るから、建築の件はよろしくね。」

「了解。また、明日。」

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