9月4日(日曜日)
今日は午前10時から、魔法陣抜きで、試作品を作り、神殿のダンジョンでテストをしていた。
「はっ!(魔物の首が飛ぶ)」
「ユヅキちゃん、今回のはどう?」
「今まで、魔力込めないで作った剣で一番攻撃力(6000)があるんですが、
一番弱い1階の敵でさえ、剣の力ではなく、ゴリ押ししている様に思います。」
「う〜ん。同じ感想かぁ。なぜ、今まで、発展がなく、探索も進んでいないのか。
大体、分かったね。」
「はい。これであれば、
確かに魔獣ケルベロスに大ダメージが入るようにはとてもでは・・・。」
「だよね。じゃぁ。次に、魔法陣を付与して作った剣のテストをしよう。」
魔法陣なしで、攻撃力(魔力込め)13000以上、ダンジョン産8500、
ところが、魔法陣ありだと、攻撃力が3倍に上がり、39000まで上昇する。
51階に降りて来た。
まずは、僕がテストしてみる。
「はっ!」
体力が6000のビッグボアの首に、一撃を当てると、
紙でも切るような感触で、軽く首が落ちた。
次に、ユヅキちゃんにも使って貰ったけど、同じ様な感じだった。
「やはり、すごいですね。
ある程度試して知っていましたが、ここまで苦も無く倒せるのですから。」
「うん。魔法陣が廃れる前は、これが当然だったんだろうね。
ただ、魔法陣の凄さを知っている人が、どんどんと減っていき、
大地震で付与された魔法陣が機能しなくなると、不便もあったかも知れないけど、
復興で頭が一杯で、結局、復興が完了した時には、魔法陣は忘れられてしまったのかもね。」
「そのようですね。でも、雑貨屋の店主のおばあさんの様に、
保存してくれていたから、わたし達が助かった。感謝しかありませんね。」
「本当だよ。次に、変形機能を試してみよう。」
魔法袋から、変形武器を取り出し、ユヅキちゃんに渡す。
今回の変形は、「赤龍装備」と同じ、”槍”・”弓”・”砲”の構成にしてある。
そして、魔力込めて、なおかつ、魔法陣を付与しているので、
1つの形態の攻撃力は39000を出せる。
「じゃあ。ユヅキちゃん。今の剣の状態から1段階変形して貰える?」
「はい!(”魔力を凝縮して注入した魔石”に魔力を流し)変形発動!」
魔法陣を発動させると、数秒後には、剣の状態から槍の形態に変形していた。
「おー!コーヤさん!すごいですね!」
「次に、同じく、第2、第3の変形を試して貰える?」
「はい!」
第2変形は、槍から弓へ、第3変形は、弓から砲へ変形した。
「とりあえず、変形自体は問題無さそうだね。」
「そうですね。あとは、武器としての攻撃力ですかね?」
「うん。細かい微調整は必要だけど、武器個体の攻撃力をどうするかが課題だ。
今回は試作だから、適当に作ったけど、完成品ではそうも行かないし。」
その後は、昼まで、魔物を狩ってデータを取ったり、他の試作品をテストする。
その結果、基本は剣・槍・弓となり、銃は単体での変形ではなく、
高出力砲に使う方が有効利用出来ると、話はまとまった。
「う〜ん(伸びをする)ユヅキちゃんお疲れ様。今回の実験は終了にしよう。」
「はい。お疲れ様でした。」
ピンポーン。
「あれ?誰でしょうか?わたしが見て来ますね?」