最終更新日 2022/06/05

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47話 魔法陣の発見

9月2日(金曜日)

ログインし、今後の資料探しに、フィンテルの街をぶらついていると、
通りがかった雑貨屋で、掘り出し物を見つけた。

「え?魔法陣?あの〜!」

「はい。いらっしゃいませ。」

「すみません。ここにある本なのですが、他には無いですか?」

店の端に、他の古書と一緒に積まれていた、魔法陣の本を指して聞いてみた。

「え?ああ。その本なら、売れないので、廃棄にしようか考えているところなんですよ。」

「あの。それじゃあ。
同じ様な本があれば、全て買いたいんですけど、値段を教えてくれますか?」

店主が驚いている。

「良いんですか?

実は、先月亡くなった祖母が大事にしていた物だったらしいんですよ。

それで、売れるかな?って思っていたんですけど、なかなか売れなくて。

自分には内容がちんぷんかんぷんでした。

お客さんがそれでも良いなら、お売りします。

値段は、そうですねぇ。銀貨2枚でどうですか?」

「ありがとうございます!僕は、こう言う古い物を集めるのが趣味なので大丈夫です。」

「なるほど。分かりました。では、他のを持って来ますので、少々お待ち下さい。」

店主が店の中に入ってから、10分後、25冊の本を持って出て来た。

「お待たせしました。合計30冊になります。代金の銀貨2枚いただきます。
それと、こちらはおまけで差し上げます。」

「はい。(代金を渡す)えーと、こちらは?」

「倉庫に行ったら、この袋を見つけまして。

これも、祖母の物で売ろうとしたんですが、開かなかったんですよ。

そのまま、倉庫に置いておいたのですが、
価値の分からない本を買ってくれたお礼に、この袋も貰って下さい。」

「ありがとうございます。有り難くいただいて行きますね。」

「ありがとうございました!」

こうして、僕は意気揚々と拠点に帰って来た。

拠点

「ただいま〜。」

「あ。お帰りなさい。すごく、上機嫌ですね。」

「うん♪面白い物や、製作の参考になる物が無いか、街をぶらついていたら、
魔法陣の詳細が書かれた本を見つけてね。しかも、銀貨2枚だったんだよ。」

「へぇ〜。で、魔法陣って普通の魔法と違うんですか?」

「大地震前の技術図鑑にも載っているんだ。
魔法はパーツに分かれていて、組み合わせで大きな力を行使するよね?」

「はい。以前、教えて貰いました。
同じ組み合わせでも順番を変えるだけで、効果が変化する事があるとも。」

「魔法を前衛と考えると、魔法陣は後衛で支援職に相当するって、僕は考えている。」

「支援職って事は、あまり、直接ダメージを与えるようなパーツが少ないんですか?」

「だと思うんだけど、実際に見て見ないと分からないね。
ただ、魔法陣には変形パーツがあるらしいから、研究している事が全て叶うかも知れない。」

「変形出来るようになるんですね!面白そうです!」

「うん。これから複製を作るね。そうすれば、自由に読めるしね。
それと、古い袋をオマケで貰ったんだけど、何が入っているのか。」

「これは、また、古いですね。」

ユヅキちゃんは、古い袋を眺めている。

「なんでも、店主の祖母が大事にしていた物らしい。
でも、開けられなくて困ったから、廃棄するつもりだったんだって。」

鍵がかかっていないかを確認する。

「うん。やっぱり、鍵がかかっているね。おばあさん以外に解除出来なかったんだろうね。」

「どうするんですか?」

「以前に買った魔法大全集に、解除の魔法無かったかな。(ぺらぺら)あった。これなら。」

袋に向かって、解除の魔法を発動させる。

「うん。開けられるようになった。」

入っていたのは、日常品がほとんどだったが、白紙の紙が4枚出て来た。

「なんでしょうか?この白紙は?」

「これも、解除っと。えーと、これは。
どうやら、各地に魔法陣の本を持っている人がいるようだ。」

「と言う事は、連絡取り合っていたんでしょうか?」

「ここに書いてあると言う事は、そうなのかも知れない。
でも、これらを手に入れるには、エリアボスを倒しさなきゃならないんだよね。」

「強いんですか?」

「さぁ?多くの人が他の街に拠点を持っているようだから、
ケルベロスほどではないと思うけどね。まぁ、機会があれば行って見よう。
ユヅキちゃんは、この辺りしか知らないだろから、新鮮だと思うし。」

「はい!その時が楽しみです!」

この日は、大きな収穫を上げる事が出来た。

僕は早速、魔法陣の本30冊を複製し、ユヅキちゃんに渡した。

次に自分の分の複製を完成させて、原本は無限袋に保管した。

その後は、二人で魔法陣の本を読みながら、アイディアを出し、
時間いっぱいまで、この作業をしてログアウトした。

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