• 最終更新日 2022/06/05

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    49話 アカネパーティー

    ユヅキちゃんが、小走りで家の中に入って行き、少しすると、戻って来た。

    「コーヤさん。なんでも、土地がすごくきれいになってるから、
    見せて欲しいって言っています。」

    「どんな人達?」

    「冒険者と思われる女性5人です。年齢は、コーヤさんと同じくらいです。」

    「ふ〜ん。分かった。僕がそっちで見てから決めるよ。」

    ????SIDE:

    その頃、門では女性のパーティーが、応答を待ちながら、話をしていた。

    「(ねぇねえ、大丈夫かな。怖い人が出て来たりさぁ。)」

    「(大丈夫だよ!さっきの声の子が、目当ての子でしょ?保護者の人も良い人だよ。絶対!)」

    「あの。すみません。変わりました。それで、庭を見たいという事で良いですか?」

    「はいぃ!?あ、ごめんなさい。以前、土砂で埋もれていたところしか見ていなかったので、
    きれいなところを見たいと思いまして。」

    「そう言う事なら、構いませんよ。今、入り口の門を開けますから、どうぞ、入って下さい。」

    坂の下にある、出入り口の門が開いて行く。

    「うわぁ。これって、ホームの設定なのかなぁ?すごいよねぇ。」

    「うん。でも、ここを守るのは広すぎて大変じゃない?」

    「大丈夫じゃない?気づいた?門入ったら、違う空間見たいな感じになったのを。」

    「と言う事は、知られないように守っているって事だよね?」

    「みんな、そろそろ坂終わるよ。」

    コーヤSIDE:

    僕は、坂道を歩いて来る、お客を出迎えるべく、近くまで来ていた。

    「いらっしゃい。適当に見て行ってよ。」

    先頭にいる女性が、僕の顔を見ながら言う。

    「あれ?光矢君だよね?ここがそうだったの?」

    僕の事を知っている人らしいが、僕自身は、全然分からないので聞いた。

    「(少し考えるが分からず)ごめん。誰かな?」

    「あ〜、分からないか(苦笑)クラスメイトの道下朱音(あかね)だよ。」

    どうやら、クラスメイトの道下さんらしい。

    「あれ?全然分からなかったよ。でも、良く分かったね。僕だって。」

    「(少し考えて)ん〜、なんとなくかな。クラスにいる雰囲気と似ていたのもあるかな。」

    僕達の様子を見ていた、道下さんのパーティーが、紹介を要望して来た。

    「ちょっと!アカネ!紹介してよ。」

    「ごめんごめん(苦笑)
    みんな、さっきの会話で分かったと思うけど、クラスメイトのコーヤ君。

    そして、(僕の方を向いて)4人は私の中学校の友達で、
    ゲームの中で再会して、パーティーを組んでいるの。

    拠点は第3エリアだから、通常は居ないんだけど、始業式の日に、
    可愛い女の子がいるって言うから、修練やダンジョンの魔石狙いで来たってわけ。

    それで、メンバーは・・・。」

    アカネさんのメンバーが、順に名を言っていく。

    「初めまして!わたしはコノミだよ。よろしくね!」

    「私は、シェーラです。」

    「私は、ミリスです。」

    「最後に私は、ハヅキよ。」

    「こちらこそ、よろしく。僕は、コーヤで、こっちが・・・。」

    「ユヅキと言います。よろしくお願いします!(お辞儀)」

    「なるほど。ユヅキちゃんの事だったんだね。それにしても、かわいい♪」

    ユヅキちゃんを目的に来たようで、ユヅキちゃんは、アカネさん達に「かわいい」とか、
    頭を撫でられたりして照れている。

    そんな中、シェーラさんが、土砂撤去の事について聞いて来た。

    「コーヤさん。あれだけあった土砂をどうやって撤去したんですか?」

    「そうそう!すごい気になるよね!」

    「ほら、このゲームって、アイテムを作ったりするのって簡単に出来るでしょ?
    シンプルに魔法袋に〈吸収〉と〈自動〉を付与して、24時間フル稼働させただけだよ。」

    「う〜ん。なるほど。確かに、魔法袋に直接、吸収出来ればすごく楽だよね。」

    「ちょっと待って!?それって、おかしいわ。」

    ミリスさんが異議を唱える。

    「え?ミリスどこがおかしいの?」

    「みんな、忘れたの?魔法の袋(小)が満杯になって大変だった事。」

    「あ〜(遠い目)苦渋の選択だったよね。」

    「だから、あれだけの土砂を24時間フル稼働していたら、
    すぐに満杯になって吸収も停止するはず。」

    ミリスさんが鋭い観察眼を持っているようで力説している。

    「それは、あれじゃない?整理も兼ねて、庭に吸収した物を出す。
    そして、また、吸収するって感じで。」

    「でも、魔法袋(中)でも、1日に何回も吸収を止める必要があるわ。」

    「ねぇ。結局、ミリスは何が言いたいの?」

    シェーラさんが痺れを切らしたようで、結論を急かす。

    「私も掲示板とかで調べて見たんだけど、誰も、作業する人を見ていないのよ。

    そこから考えるに、コーヤさんが持っている魔法袋は、大か無限のどちらかだと思うの。

    私達に、どちらかが1つでもあれば、結構助かると思うわ。」

    ミリスさんは、ドヤ顔し、アカネさんは僕に答えを聞いて来た。

    「それで、コーヤ君?正解は?」

    「(拍手)いやぁ。ミリスさんすごいね。そこまで、考えられるなんて。」

    「と言う事は?推理は正しかったって事ですか!」

    ミリスさんは、前のめりに近づいて来る。

    「うん。大正解。当時は小しか持っていなかったから、小だと1時間程で満杯になったよ。
    そんな時に、偶然、無限袋のレシピを手に入れて、作って、あとは放置していたんだ。」

    ミリスさんは、ガッツポーズしている(苦笑)

    「おー!それは、すごいです!コーヤさん!わたし達にも!」

    コノミさんが、絶対欲しいと言って来る。

    「小だけで100枚の魔法袋が必要になるよ?」

    「うそ!?そんなに?コーヤ君!何か良い方法ない!?」

    アカネさんは落胆している。

    「お金なら貯め込んだ白金貨3枚あります!」

    「ちなみに、袋の小は何枚ある?」

    「ランダムBOXで手に入った1枚かな?ねぇ?」

    アカネさんは、メンバーで話し合うと、3枚以内という答えが返って来た。

    「じゃあ。作り方を教えるから、誰か普通の袋か袋に使う生地を買って来てくれる?
    いくら、ゲームとは言っても、無から有を作り出すのは無理で、素材が必要なんだよ。」

    こうして、僕は、魔法袋の作り方を教える事になった。

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