最終更新日 2022/06/05

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38話 他の地域の情報

「あぁぁぁぁぁぁ〜〜(落胆)」

全てが終わり、神殿から拠点に帰ろうとした時、
噴水広場で落胆した声がしたので行って見た。

「大丈夫ですか?」

「え?ああ。すみません。大丈夫です。(落胆している)」

「どうやら、わたし達、間に合わなかったようね。」

声をかけた人の後ろから5人の姿が現れた。

「しょうがないよ。今の時間でもギリギリだったんだし。」

「そうそう。ここで悔やんでいても、どうしようもないから、宿に行こうよ。」

「え〜と、話が見えないんだけど?」

1人が事情説明してくれた。

「ごめんなさい。えーとですね。わたし達は親戚同士でプレイしているんです。
で、6人みんながゲームに熱中しすぎて、夏休みの宿題を疎かにしてしまって。」

「そしたら、このリコの母親が中学の教師をしているんですけど、
夏休みの宿題と自分の出す問題を終わらせないと、ゲームはさせないってなっちゃったの。」

「それで、みんなリコちゃんの家に集まって宿題を片付けて、おばさんの問題も終わって、
さぁ、ゲームに戻ろう!ってしようとしたら、イベントは終わってるし、
知り合いはほくほく顔だしで、どよ〜んってなってたんですよぉ。」

「そんな時に、フィンテル噴水広場で、在庫一掃セール?見たいなのをしているって聞いて、
最大限の早さで着いたのが、さっき、だったと言うわけです。」

結局最後には、6人の内4人が、話を引き継いで事情を教えてくれた。

「なるほどね。まぁ。それならね?」

「そうですね。(こくん)」

事情を理解した僕達は、ダンジョン産装備を売る事を決断する。

「え?え?え?」

「あ〜。ごめんごめん。装備品売っていたのは僕達だったんだよ。

午後3時くらいに人も来なくなったし、他の用事が出来たから閉めたんだ。

でも、まだ、70点あるし、眠らせて置くのはもったいないから、
君達が良ければ売るけど?どうする?」

「是非!売って下さい!」

騎士団詰め所

フィンテル騎士団詰め所に移動して来た。

「それで、この場所を貸して欲しいと?」

「ええ。ここなら、明るいし、暴漢などが出た時の対応も出来ますし。」

「別に構わないよ。コーヤ君には助けられて来たからね。」

「ありがとうございます。」

敷物を敷いて、残った装備品を置いて行く。

「おー!これなんか良いと思わない?」

「えー?こっちの方が良さそうな・・・。」

次々に、欲しい商品を選んで行く。

1時間程で満足したのか、晴れ晴れとした顔をしていた。

「さて。選んだは良いけど。みんな、お金どれだけある?」

自己資金を見せ合い計算している。

「これだと、一人あたり2〜3点くらいかしら。」

「うん。でも、それでも、今までよりは全然違うよ!」

6人で何を買うかを相談している所に、僕は話しかけた。

「ちょっと良いかな?僕の望む物を持っていたりすれば、相殺してあげるよ?」

「望む物ってなんですか?(身体を隠すしぐさをする。)」

「身構えなくていいから!僕が欲しいのは、情報と他の地域で手に入れた物だよ!」

「他の地域でってなんかあったっけ?」

思い付かないようで、顔を見合わせて考えている。

「とりあえず、開けた場所に出して見てよ?僕が見て判断するから。」

6人は袋から、今までに手に入れた物を置いて行く。

「お金になりそうなのは、ランダムBOXよね。」

「うん。高額になりそうな物を手に入れる機会なかったし。」

みんなで話をしている横で、僕は1つずつ鑑定して行く。

「コーヤ君。面白そうな品はありそうかい?」

ヴィオさんが面白そうな品があるか、覗き込んで来た。

「ヴィオさん。この羽見て下さい。」

「普通の鳥の羽じゃないのかい?」

「鑑定して見たら、どうやら、普通の鳥の羽に偽装しているようです。
天使の羽と言うアイテムで、神族のいる神界への入り口を開く鍵らしいですよ。」

「なんだって!神界なんて夢物語だと思っていたのに。」

「え!?ウソ!?そんな風には見えないのに。」

「これをどこで手に入れたか分かる?」

「ごめんなさい。たぶん、軽いしかさ張らないから入れて置いただけだと思います。」

「まぁ。そうだろうね。もう、少しで終わるから。ごめんね。」

「いいえ!そんな。わたし達では分かりませんから、鑑定お願いします。」

その後、鑑定を続けて30分程で終了した。

天使の羽以外には、他の街で開発された種族識別球(試作品)、蜂の針、
琥珀(中5個)、儀式剣と儀式杖、簡易魔法札の欠片、大地震前の技術図鑑を貰った。

「あの。良いんですか?そんな物で。天使の羽はすごいですけど。」

「武器とか作る時の参考になるし、流用出来るかも知れないしね。
あと、使っている装備品も下取りするけどどうする?」

「はい。お願いします。」

「他には、出来ればこの街以外の情報が欲しいんだけど、無いかな?」

「う〜ん。そうですねぇ。乗り合い馬車で移動している時に、西に行って4つ目の町で、
山崩れがあって、そこから、魔物が出て来て農作物を荒らしていると聞きました。」

「あと、噂話だと思うんですけど、フィンテルの西にある山脈に、ミスリルの鉱脈があると。」

「護衛依頼で寄った南の村で、数年前、村の近くでドラゴンかワイバーンか分からないけど、
似た生物が飛んでいるのを見たという人がいました。」

「ほう。なかなか、面白い情報だね。」

「わたし達が興味を持った情報はこんなところです。」

「分かった。それじゃあ。精算しようか。有意義のある情報を貰えたし、
天使の羽なんてアイテムも手に入ったから、一人あたり金貨1枚で良いよ。」

「本当ですか!?」

「うん。予備の武器1つをオマケで付けよう。」

「ありがとうございます!」

6人はほくほく顔で帰って行った。

「いや〜。びっくりする事だらけだよ。飛行系の魔物は絶滅したと思っていたんだけどね。
それに、神界か。やっぱり、地上よりは強いのかな?」

「さぁ、どうでしょうね。最低でも、今のままでは太刀打ち出来ないとは思いますね。」

「だよね。なんとかしたいものだね。」

今日の売上は、露天で売れた600点が金貨1800枚と
先ほどのパーティーに売った40点が金貨6枚、計金貨1806枚だった。

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