最終更新日 2022/06/05

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32話 相談

8月15日(月曜日・祝)

「なんじゃと!それは、本当か?」

「ええ。僕達も見つけた時はびっくりしましたよ。」

「はい。生まれ育った家に、あの様な施設が隠されていたなんて。」

「カルスと言う男が、言っていたのは本当だったと言う事か。」

「当時の領主が意図的に隠したのか。当時の国王の命令なのか。
このどちらかな気がしますけど、今になっては分からないですね。」

「コーヤが話した通り、
元から地下への階段が開いた状態だったなら、後者のように思えるのう。」

「そうですね。当時の国の状況が分からないですけど、
わざわざ、邸宅にしたのには意味がありそうです。」

ソアリスさんは、その意味を考えているようだ。

「それで、僕達は開放するつもりではいるんですが、
あの場所は国有地で国王様の許可が必要になります。どうしますか?」

「コーヤよ。その施設は誰でも使えるのか?」

「管理者に聞いたら、
隠される前は国王や騎士団、冒険者、一般人に至るまで、使っていたようです。」

「そうか。今後の国の発展を考えるなら、開放以外になさそうじゃな。

それにしても、神殿の封印された魔獣に、北区の閑静な住宅街に修練の間か。
連続して変化がおこるのう。」

「わたしが住んでいた時は、
周りの皆さんが良い人ばかりだったので、大丈夫だと思います。」

国王様は、数分間、考える時間があり決断する。

「分かった。許可しよう。ちなみに、野ざらしにしているのか?」

「ありがとうございます。平屋建ての建物を設置しました。
見て貰った方が良いですね。ディスプレイOPEN、リアルタイム映像出力開始。」

僕はディスプレイの魔法で、フィンテルの元1代男爵邸宅跡地を映し出した。

「な・な・なんじゃ!!!これは!!!」

「コーヤ様!素晴らしいですね!この場所は、先程、言われた場所ですか?」

国王様は驚いているだけだが、ソアリスさんは、当然だとでも言うように喜んでいる。

「はい。わざわざ、現地に行くのは大変だと思ったので用意しました。」

「なんと。そのような魔法があるとは。オリジナルか?」

国王様は落ち着いたようだ。

「そうです。元々は、きれいな風景を見たり残したりしたいと思って考えたんです。」

「なるほどな。しかし、あの小さな建物だけだと、寂しい気がするのう。」

国王様は、ディスプレイに映る、修練の間がある平屋を見て、意見を言う。

「本当ですね。お父様。あの辺りに宿屋、休憩施設、飲食店とかがあれば、
人を呼ぶ事が出来そうですよ。」

ソアリスさんは、さすが、王位継承権一位だけあって、今後の青写真を意識しているようだ。

「コーヤよ。近隣との距離とか分かるようにならんか?」

「でしたら、もう少し、調整しますね。(周辺1キロ圏内を見えるように調整)」

「良い感じです。この土地も比較的、周りの建物と土地からも離れているので、
色々な施設を作っても苦情は出なさそうですね。」

「僕達も周りを確認しましたけど、問題は少ないと思いましたね。
まぁ、近隣に迷惑料として、施設の割引券とかを渡して置けば良いと思います。」

「確かにな。よし。ソアリスよ。関係者と話し合いをするから集めてくれ。
あ〜、あと、コーヤ。これらの魔法を売ってくれんか?」

「売る為に作ったわけでは無いんですけど。(苦笑)
でも、これは、僕以外に操作出来ないと思うので、今度、新しいのを作って来ます。
ちなみに、1個で良いですか?」

「ソアリス。どうする?」

「そうですね。王宮には死角が多くありますから、出来れば100個程あれば、
近隣の見廻りも含めてなんとかなると思います。」

「100個ですか。時間かかりますけど?」

「ああ。問題ない。自分のペースで作ってくれ。」

この後、国王様とソアリスさんは、執務室へと移動したので、
僕達もフィンテルに戻りヴィオさんとルクウェルさんに報告して、拠点に帰って来た。

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