最終更新日 2022/06/05

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119話 天空の島の素材

2月3日(月曜日)

「ふわぁぁ。おはよう。」

「おはよう。眠そうだな。」

「ちょっとね。用事があったから昨日の夜は0時半まであっちにいたから。」

「おはよう。光矢君。昨日の夜はどこにいたの?
島の崩壊一緒に見ようと思ったらいなかったけど。」

「おはよう。先に上がっちゃったけど、島の崩壊ってどうだったの?」

昼休み

「ん?海人は何見てるんだ?」

「これは、昨日の島の崩落後の掲示板をな。なかなかに荒れているぞ。」

「ええ〜?なんで?荒れる原因なんてあったっけ?」

道下さんも驚いている。

「俺も知らなかったし、多くのプレイヤーは知らなかった事だ。

今日の朝に、イベントも終わった事だし、新しい情報は無いかと、
公式や掲示板を見ていたら、面白いタイトルの掲示板見つけてな。

タイトルは〈島から素材が落ちて来た〉だ。」

「え?でも、あの島って崩落しながら消えるんじゃないの?

妹もそうだろうって言っていて、誰かが動画を上げるだろうから、
それを見れば良いかなぁって思っていたんだけど。」

「わたしは、あの木から、崩れ行く島を見ていたわ。

星もきれいだったし、ロマンチックだった。」

海人が説明を始めた。

「タイトル聞いて分かると思うが、
偶然、パーティーでダンジョン探索したプレイヤーが、眠くて落ちるメンバーをよそに、
時間的にも島が崩落する時間だったそうだ。

そこで、せっかくなら、崩落する島の近くに行こうと考えて、
移動しながら、光景を楽しんでいた。

ところが、そのプレイヤーが投稿し、みんながまったりしている所へ、爆弾が投下された。」

「爆弾って。それが、素材だったの?

話の流れから、島から落ちた物の中に使えそうなのが、
あったんだと思うけど、そんなに良い物だったの?」

「らしいぞ?そいつも、良い物見つけたから自慢したかったんだろうさ。

なんせ、ミスリルの塊だった見たいだからな。」

「(がた!)はぁぁぁぁ!ミスリル!?(周りを見る)あ!ごめんなさい(がた、座る)」

道下さんが、急に立ち上がったから、クラス中の視線が集中した。

「ははは(苦笑)まぁ、分からんでもないがな。

掲示板には、島の落下物を1つずつ調べたら、
1kg程のミスリルの塊を発見したと書いてあった。」

「ああ〜。なんとなく分かったわ。

あれね?その書き込みを見たプレイヤーが、その場所に殺到するも、
まともな物は見つからなかった。

諦められなかった人が、書き込んだプレイヤーが、
他の素材も持っていったんだろうとね。」

「まぁ。そう言う事だ。

ただ。イベントが終わった以上、落下物は見つけて回収した人の物だから、
非難される理由は無いんだがな。八つ当たりだな。」

この時に、牧ノ原さんが、僕が無言な事に気が付く。

「あれ?そう言えば、光矢君。さっきから無言だけど、何しているの?」

「拠点の素材の整理。

気づいた時にしないと、類似品ばかりになって、混乱するから。」

この言葉が悪かった様で、牧之原さんが不思議そうな顔をする。

「あれ?でもさ、水晶君。

先月もしていたし、ここ1ヶ月は合成は、放置していた素材から装備作ったりしていたから、
整理するような状態じゃないよね?」

「そうだね。

今まで、光矢君は、増えた素材も別の袋で管理していたし。

増え過ぎたとしても、わざわざ、昼休み中にする事はなかった筈だけど?」

道下さんが追い打ちをかけて来た。

「光矢。お前。何か隠してるな?

以前にも確か、いつも、しない事をしているから、聞いて見たら、
料理のレシピ本を出して、キラキラした目で、作りたい料理が一杯あるんだ!って
言っていたよな?その時と似ている。」

僕は、逃げ切れないと思って、トイレに避難しようと思った時には、既に遅しだった。

「(汗)そろそろ、昼休み終わりそうだし、ちょっと、トイレに・・・。」

「光矢君?後で、じっくり聞かせて貰うから?ね?」

「はい。」

その圧力には敵わず、拠点で教える事で納得して貰った。

午後8時

「まぁ。秘密って程では無いんだけど。イオさんには昨日の時点ではバレていたし。」

「ちょっ!イオ!教えてくれても良いじゃない!」

アカネさんがイオさんに噛み付いた。

「しょうがないでしょ。

私がおかしいって思ったのは、島の全てが無くなる直前だったんだから。

そもそも、コーヤさんの作った転移札が無ければ、直ぐに行こうとは思わなかったわ。」

「それで、話は簡単で、島の物を素材として持ち帰る事が出来れば良いなと思ったから、
イベント終わるギリギリの時間を狙って、島に行ったんだ。

試しに、崩落が始まった場所の物を袋に入れたら、普通に収納できて、袋にも残っていたから、
イベントが終わると持ち帰る事が可能になると言う、推測が当たったと思ったんだ。」

「そう言えば、昔、読んだファンタジー系の小説にも、確か、似たような話があったわ。

イベントの塔にソロで行って、期間ギリギリまで粘っていて、
危険域に入ったから脱出する時になって、足を滑らせて、脱出不可能な場所に落ちてしまうの。

死に戻りしか方法は無いかと、諦めかけた時、レンガの部屋で飛び出しているレンガを発見し、
期間中はどんなに頑張っても、動かせなかったレンガが簡単に動く事にびっくりするんだけど、
一刻を争う事態を思い出すと、レンガを抜いて行って、無事に脱出出来たって話。」

リンネさんが、昔に読んだ本の事を話した。

「確かに、似ているな。しかし、コーヤの場合、自分から行っているけどな。」

「で、推理が当たっている事を確認して直ぐに向かったのが、図書室。

ミスリルなどの素材は、今後、手に入る可能性があるけど、
図書室はレアな存在だと思ったので、確保に動いた。

5分前に島に行き、推測を確認して、図書館に人がいなかったから、全てを袋に吸収。

まだ、この時点では図書館の特別室は開放されていないので持ち出せない。

イベント終了を確認すると、特別室の開放されたので、吸収。

これが終われば、後は、レアな素材を探しながら袋に吸収していくだけの作業。」

「と言う事は、水晶(コーヤ)君。落下物は要らない物?」

「さすがに、鉄をトン単位で貰っても、イオさんみたいに商売するわけじゃないからね。

ミスリルやアダマンタイト、ダイヤモンドも確認したら、結構あったよ。」

「ちょっと待て。それらしい場所は無かったぞ?」

カイトは思い当たる事が無いらしい。

「図書館の壁、壊そうとは思わなかった?」

「ああ。見た気がする。壁を壊そうとして、手を痛めたやつ。」

カイトは、当時を思い出して言う。

「なるほどね。塔などの目立った場所ではなく、壁の中間素材に使っていたのね。」

「イオさん、正解。

僕も、期間内に色々と見たんだけど、鑑定や分析を使っても”はてな”しか出ない箇所が、
多くあったから、何かを隠していると思っていたんだ。

イベント終了した事により、制約が解除。

図書館なんかでは〈一体化〉と言う魔法が付与されていたから、
相当大事な品を守っていたんだろうね。」

「確認したんでしょ?どんな物が手に入ったの?」

イオさんは、早く知りたいとうずうずしている。

「まだ、全部確認していないよ。

(魔法陣中級編20冊を出す)真っ先にこれは確認したけどね。

図書館の特別室にあるのは、確認済みだったけど、
実際に手に取って確認するまでは、心配だったんだよね。」

「見ていい?それと、上級編は無かったの?」

「どうぞ。上級編も探したけど無かったね。

たぶん、マスターしないと見付けられないんだと思うね。」

「それもそうね。」

イオさんは、中級編を読みながら答えた。

「(本を閉じる)簡単に見たけど、以前に見せて貰った別バージョンの中級編とは、
順番や表現等で、異なる箇所が多いわね。」

「まぁそこは、要検証だね。」

ここでカイトが神妙な顔で話を切り出して来た。

「コーヤ。2月中に整理終わるか?」

「え?まぁ。消耗品は合成して高品質化。

鉱石系は加工されていたからインゴット化。

ここまでは、物によるけど大体1週間弱。

一番面倒くさいのが、塔にあった宝箱や魔法の装備、魔法のアイテムをどのように、
処理するかなんだけど、そこで多くの時間を割きたいとは思っているかな。

でも、3月に何かあったっけ?」

僕には思い当たるイベントが無い。

「コーヤは興味無いだろうが、3月には闘技大会がある。

出来れば、今年は、本戦に行きたいと思っているんだ。」

「そう言えば、去年も3月にしたと言っていたっけ。

それで、新しい装備って事?」

「カイト君。水晶(コーヤ)君に貰った装備じゃダメなの?」

リンネさんが話に加わった。

「いや。ダメじゃない。

しかし、魔族や魔物、つまり、AI相手では無く、人間が相手になる。

俺達は、魔族の四天王戦で手札を見せているから、そこがな。」

「なるほどねぇ。

まだまだ、人間の思考能力には、追いついていないと、言われているらしいし。

でも、鍛えるなら、あとは、プレイヤースキルぐらいだと思うけど?」

「やっぱり、そこか。う〜ん。あとは、今あるスキルを磨くしかないか。」

この後、僕とイオさんは、収穫物の整理、
アカネさんとリンネさんは、闘技大会の話をして、時間になると解散した。

ちなみに、収穫物は以下の通り。

残念ながら、塔にいた魔物の素材は無かったので、塔の崩落時に消失したようだ。


森林地帯:

古代杉30本、縄文杉30本、白樺20本、沙羅樹28本、樫10本、
松26本、欅28本、栗31本、土20トン、土の宝珠1個

水エリア:

生命の水10トン、木材20キロ、蘇生薬製法スクロール1枚、水の宝珠1個

砂丘:

サボテン20個、砂20トン、岩石3トン、木材20キロ、
ガラス製法スクロール1枚、風の宝珠1個

火山:

鉄鉱石58個、金鉱石61個、銀鉱石41個、黒曜石60個、ルビー16個、サファイア21個、
ターコイズ13個、ラピスラズリ48個、ダイヤモンド15個、琥珀18個、黒錆1キロ、
エメラルド34個、粘土50キロ、木材20キロ、火の宝珠1個、鍛冶製法スクロール1枚

地下:闇の宝玉1個


塔:

四角に加工された石2万個、宝箱1532個


図書館:

神魔戦争後魔法全50巻、調薬レシピ全5巻、鍛冶レシピ全20巻、裁縫レシピ全20巻、
神魔戦争後歴史簡略資料全200巻など計1000冊

特別室:神魔戦争以前の失われた技術や歴史書、魔法陣中級編全20冊など数百冊

建物・庭園:

鉄3トン、ミスリル200キロ、アダマンタイト100キロ、大理石の机70個、
大理石のイス400個、魔法の木テミアン20本、合成木材(丸太)300本、
持ち出し可否センサー

隠された装備品:魔法付き武器30点、防具35点、アクセサリー25点


その他:

光の宝玉、魔力の籠もった粘土10キロ

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