最終更新日 2022/06/05

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115話 移動方法

午前10時

拠点に帰って来ると、カイトとアカネさんが、
芝生の上で、 難しい顔をしながら、悩んでいた。

「なにしてんの?」

「(起き上がり)おお。帰って来たか。あけましておめでとう。」

「(起き上がり)あ。コーヤ君。あけましておめでとう!」

「カイトとアカネさん。あけましておめでとう。今年もよろしく。それで?」

「天空の島の事でな。」

「ああ。行く方法が無いと?」

「そうなんだよ!アイディアが出なくて・・・。

でね。何か良いアイディアない?あと、上昇で行くのは出来る?」

「俺は、魔法のほうきや魔法の絨毯を作れないか聞きに来た。」

なるほど、2人は一応、色々と考えているようだ。

「カイトへの答えとしては、出来るけど素材次第かな。

最低でもパーツをはめ込む穴が3つ以上の素材だね。

魔法のほうきなら、普通の木でも大丈夫だと思うけど、
耐久力を考慮すると、魔法に親和性のある木が欲しいかな。

パーツ穴は、同じく3つ以上。

次の魔法の絨毯は、素材自体は、どんな絨毯に乗りたいかによって変わるね。

乗り心地を優先するなら、良く考えて決めて。

あとは、素材を持って来てくれたら、僕が付与したり加工するから。」

「ああ。助かる。

最近、生産系の練習をした方が良いんじゃないか?と話していたんだ。

コーヤほどで無いにしても、色々な使い方が出来そうだしな。

まぁ。とは言っても、3人の大学受験終わってからだな。」

アカネさんが反応する。

「え!?1歳しか違わないんだと思っていたよ。」

「まぁ。そこは、人それぞれの感覚だからな。

ちなみに、シルフェが大学2年生、ライア・ユニ・オリエが高校3年生だ。」

「へぇー。シルフェさん、大学2年生だったんだ。」

「アカネさん。質問の答えを話すけど良い?」

「ああ。うん。お願い。」

「上昇のみなら、初級の基礎だから、島の高さまでは上昇するのは無理だと思う。

特に、空には風があるから、上に行くに連れて、不安定になると思うよ。

あと問題点としては、寒さ対策、スピード、コントロールがあるかな。

それらを、きちんと出来れば、エレベーターもどきが出来ると思うよ。」

「なるほど。って、もしかして、自分で作れって事?」

「うん。これは、付与を習得する良いチャンスと思って。」

「でも、さっきの話を聞くと難しそうなんだけど?」

「そうでもないよ。初級に載っているパーツで動くと思うよ。

それにね。今後、会社などで働けば、上司から、こんな事がしたいと言われた時、
今の内から、練習しておけば、頭の中にパーツを思い浮かべる事が出来る。」

「う〜ん。確かに、思考の高速化は、すぐに出来ないから、今なら時間があるか。

コーヤ君は、どれだけの期間で出来たの?」

「今考えれば、転機は昨年9月のイベント、防衛戦だったかな。

あの時は、生産系の技術力向上を目指していて、
イベント前日の夜に、色々なアイテムを思い付いたんだ。

それで、2人で徹夜してまで、作り上げたんだけど、あの時以降、なんとなく、
作りたい物に付与するパーツを思い浮かべる事が出来るようになったのは。」

あの時は、全てが新しかったから”わくわく”して、すごく満足出来た。

ふと、今はどうだろう?と思う。

新しい事と言えば、新素材があるけど、以前ほどの”わくわく”は無いかも。

そのうち、新しい”わくわく”を見つけられれば良いな。

「そうだね!新世紀にもなった事だし、挑戦してみるよ。」

「うん。がんばって。」

「ちなみに、コーヤはどうやって行くんだ?」

「僕?僕は空を歩いて行くよ?」

「いやいや。コーヤ君でも、空を歩くなんて無理でしょ?」

「ふむ。そこまでの自信という事は、何か見つけたのか?」

「なんだ。カイトには、分かっちゃったか。」

「え!?コーヤ君、新しい発見があったの!?」

「うん。

でも、9月の防衛戦の時も、初級編に”虚無の足場を作る”パーツがあって、
それを装備の靴に付与して、拠点から城壁まで、一気に飛んだんだ。

で、今回、新素材を、次々に合成して行くと、
”レビア”という浮遊能力がある素材へと進化したんだ。」

「え。でも、私達が現実世界で忙しくなる前には無かったよね?」

「無かったね。目につく所は、随時、掃除しているし、一人暮らしだから、
思ったほど、汚れていなかったから、時間が空いたから、
その時間で、前々から興味のあった、最終的にどの様になるのか?を試した。

そうしたら、”レビア”という素材に進化したんだ。

ちなみに、今、靴底には”レビア”を貼り付けているよ。」

「コーヤ君、実演して貰って良い?」

実演してみた。

「コーヤ。これは、俺達でも使えるのか?」

「そう言うだろうと思って、複数個作っておいたよ。靴の裏を出して。」

2人の靴に、”レビア”板を貼り付けて行き、一緒に使い方も教えた。

「おお!コツはいりそうだが、俺でも大丈夫そうだ。」

「ほんとう!すごい面白い!」

2人は、大満足して降りて来た。

その後は、雑談したりして、解散した。

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