最終更新日 2022/06/05

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112話 正月元旦

1月1日(水曜日)

クリスマスから日付が進んで、今日は正月元旦。

天光暦2100年の世紀末から、天光暦2101年の新世紀になった。

100年に一度の、世紀末から新世紀へと替わるのは、
偶然、生まれて来たけど、感慨深いものがあった。

朝起きたら、正月料理を作って食べて、お参りに行き、毎年恒例の行事を行った。

一方、ゲームでは、1周年と銘を打った祭りをしていた。

ちなみに、稲の種の配布は、昨年12月26日、王宮にて予約受付を行ったところ、
殺到したので、急遽、抽選になったという話を巡回中のヴィオさんから聞いた。

最終的に、3000人近くが予約に来たようだ。

午前11時

拠点に行くと、ユヅキは元1代男爵家で働いていた人達と、
お祭りを楽しむ旨の書き置きを残していた。

次に、運営からの贈り物〈ユグドラシル〉に上がり、
作物の確認をして、上からフィンテルを見ると、人でごった返していて、盛り上がっていた。

僕は、お祭りで盛り上がっている、フィンテルに向かった。

「うわぁ。すごい人。神殿には行けそうも無いか。」

上から見ていたよりも、人の数が多く、ヴィオさん達への新年の挨拶には行けそうも無いので、
興味のありそうな、場所を歩いてみる事にした。

ガチャ屋や貸衣装屋、祭りの出店が噴水広場に所狭しと、配置され、
東地区の工房や西地区の商人街も活気があり賑わっていた。

クラン≪翠の泉≫フィンテル支店

歩いていると、見知った人物と看板があった、

「あら?コーヤさん。1人?」

「ええ。イオさん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

お互いに、新年の挨拶を交わし、店内を見ると大盛況だった。

「大盛況みたいですね。売れ行きは、どんな感じですか?」

店内を改めて見ると、受付カウンターの上には、
《新作!!魔法陣使用!性能当社比2倍!!!》と書かれた垂れ幕が設置され、
棚には試験運用品と書かれたコーナーやポーション類があったり、
わかり易いレイアウトになっている。

他には、魔法陣適正確認コーナーもある。

「そうね。やはり、魔法陣で底上げされた、装備品に反応が多かったわ。

今も、問い合わせが多いわね。

そうそう、騎士団でも導入したいらしく、色々と聞いて来たわよ。」

「まぁ、そうでしょうね。

そろそろ、色々な技術を取り入れて、強い装備にしないと困るでしょうし。」

「あ。忘れていたわ。団長さんから言付けよ。

”いつでも良いから、強い装備を作るコツを聞きたい”ですって。」

話題:魔法陣の適正

「という事は、試行錯誤しても、頭打ちという事でしょうね。

あと、適正のあった人はいましたか?」

「いいえ。テスト用の紙を置いているけど、全て見えた人はいないわ。最高で2個ね。」

そんな事を話していると、適正確認コーナーで、「おお〜!」と大きな声が聞こえた。

「だれか、出たのかしら。ちょっと、見て来るわ。」

5分後

「おまたせ。さっきの人が半分見えたと言っていたわ。

せっかくなので、他の紙で試したけど、嘘を言っている感じでは無いわね。」

「それなら、色々な知識を持てば、初級編を見つける事が出来るだろうし、
今年一年で、多くの人に、使って貰えれば、生産系の人は、少しは楽が出来るかもね。」

話題:魔法陣中級編の書物

「そうね。ちなみにコーヤさんは、中級編見つけた?」

「まだなんだよね(苦笑)

時間がある時に、ありそうな場所を虱潰しに廻っているんだけど・・・。」

「やはり、簡単には見つからないような場所なのね。」

「ですね。ただ、先月、カイト達と行ったダンジョンで面白い物を見つけました。」

他の人に見えないように、イオさんに見せる。

「(無限袋の中を見る)え!?これは、違うの?」

イオさんから、返して貰う。

「後で、見て貰えれば分かるけど、記載の形式が違うんです。

なので、僕が探しているのとは違いました。」

「なるほど。という事は、時代が異なったり、違うバージョンが存在するのね。」

「らしいです。でも、この内容が、初級編の続きかどうかは不明です。」

話題:第五エリアボス討伐武器

「そうなのね。どうやら、中級編から複雑な様ね。

そうだ、今、思い出したんだけど、
第五エリアのボスを倒すほどの武器作れそう?」

「まだ、倒した人いないんですか?」

「ええ。たまに、新しい装備を探している人で、第五エリアのボスに挑んだ人がいて、
勝てる装備は無いか?と言われる事があるの。」

「そんなに強いんだ。」

「らしいわよ。変異する度に攻撃力が数倍増えるとか言っていたわ。」

「一応は考えていて、今は研究段階かな。」

「ちなみに、バスター砲は、通用すると思う?」

「う〜ん。どうだろう。使い方次第かな。」

「と言うと?」

「僕は、公式の映像を見ていないけど、ミュウちゃんとシエラちゃんが、
魔族と2対2の決闘をした時に、避ける事を考慮して、
魔族の上空に五芒星を出現させ倒したというのを、本人達から聞いたんだ。

そういう風に、エリアボスの裏をかければ、倒せるかも知れないかな。」

話題:天空の島

「なかなか、面白い発想ね。

今の話で少しアイディアが出たから、試行錯誤してダメだったら、聞きに行くわ。

あと、来週のイベント内容見た?今度の舞台は天空の島らしいじゃない。

コーヤさんも行くんでしょ?上がる手段はどうするの?」

「イオさんも、何個かアイデアはあるんでしょ?

普通に考えれば、飛ぶ魔法を取得する人が多いように思えるけど。」

「そうね。

アイデアは数個あるから、繁盛期が終わったら効率の良い方法を考えるつもり。

でも、飛ぶ魔法は扱いが難しいって話聞いた事あるけど、どうなのかしらね。」

「ネタを取るか。実用を取るか。って感じかな?

上がった後の罠によっては難易度が上がるかも知れませんね。」

「やはり、何かありそうかしら?」

「あると思いますね。逆に、ボーナスステージを運営が用意するとは思えませんし。」

「そうね。確かに、期間が一ヶ月弱と言うのも、大きな仕掛けがあるんでしょうね。」

「ええ。まぁ、カイトはそういうのを全く考えないで、突っ走りそうですけどね(苦笑)」

「それはしょうがないわ。ベータでもそんな感じだったし。」

「そうなんですね(苦笑)僕は、他の店も見るので行きますね。頑張って下さい。」

「ええ。ありがとう。」

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