最終更新日 2022/06/05

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114話 戴冠式

1月2日(木曜日)

今日は、王宮で戴冠式が行われる。

王宮 謁見の間

僕とユヅキは、特別枠で招待された為、現在は、謁見の間の後方で見ている。

この場面は、多くの場所にディスプレイを配置し、
謁見の間にあるドローンから、現在、生放送をしている。

儀式は、約30分となっていると聞いた。

過去の戴冠式では、形式的な事が多く、一日中かかったようだが、
現国王様が、不要な部分を省いた結果、30分にまで縮小出来たみたいだ。

午前9時20分

儀式は、前半の形式的な儀式を終わり、
後半の国王様から、ソアリスさんへの継承に入っていった。

「ソアリスよ。この冠を被せれば、そこで継承された事になる。

今後は、自分の時間はおろか、場合によっては、不眠不休があるやもしれん。

覚悟は出来たか。」

「もちろんです!

戴冠を引き受けた時には、それらは覚悟できています。」

「うむ。良い目じゃ。」

そうして、国王様は、ソアリスさんの頭に冠を置く。

「皆の者!国王の座は、今をもって、王位継承1位のソアリスへと移行した!

今後も難問が待ち構えているじゃろう。

それを、ソアリスと一緒に乗り越えてくれ!」

この言葉で、王宮で働く、政務官達は、一斉に立ち上がり、恭順の姿勢を取る。

「うむ。期待しておるぞ。次に新国王からの挨拶じゃ。」

ソアリスさんは、国民へも話す為に、国王の座の階段近くに、
演説用の台が設置され、そこへ移動した。

「(深呼吸)政務官達、並びに、謁見の間への参加者、
そして、国民の皆さん、新たに国王へ就任したソアリスです(深々と頭を下げる)

父である前国王は、私の相談役となり、
新しく国王補佐を設け、私の従姉妹であるエリシアを就任させます。

エリシアさんは、演説用の台の横で、深々と頭を下げる。

先程、国王の地位を継承しましたが、まだまだ、政(まつりごと)に関しては、初心者で、
日々、この国をそして、国民の生活を良くして行くにはどうするか?を考えています。

そこで、王宮の方達に話を聞き、今後の国政に参考に出来る事が無いかと思いましたが、
残念ながら、新しい事を取り入れたい、私としては、想像の枠を出ませんでした。

しかし、ある人物に聞いた話は、役立つと思い、すぐにではありませんが、
近い内に導入したいと思います。

その方法とは、国民の皆さんにも、国政に参加していただく事です。

なにより、流通や他の地域の情報に精通しているのは、国民の皆さんと思っています。

最終的に、決めるのは私ですが、その判断材料を出していただきたいと思います。

この点が、私にとっての大改革です。

他には、昨年の7月に、 フィンテルにあります、
女神アーシェシュトラ神殿より見つかりました、古代の遺物を公開します。

私達、王宮の者だけでは、研究できていません。

なので、公開し、多くの人に研究して貰えれば、国の発展にも役立つはずです。

これらの詳細については、準備が出来次第、連絡します。

今後、お叱りを受ける様な事態になるかも知れませんが、
どうぞ、よろしくお願いします(深々と頭を下げる)」

話が終わり、再び、ソアリスさんとエリシアさんは、深々と頭を下げる。

これにて、戴冠式は終了した。

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