最終更新日 2022/06/05

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116話 天空の島

1月5日(日曜日)

午前8時

今日は、イベント当日で、開始1時間前。

あと、ユヅキの修練の間管理棟への引っ越しの日

今は、拠点に多くの知り合いが集まり、ユヅキの引っ越しの見送りをしている。

「でも、こんなタイミングで、ユヅキちゃん引っ越してしまうなんて。」

アカネさんは、悲しそうな顔をしている。

「本当だよ。」

リンネさんも寂しそうだ。

「皆さん、ありがとうございます。でも、再開発が決まった頃から決まっていましたから。」

「まぁまぁ。ユヅキちゃんには、フィンテル行けば会えるんだし。

一番悲しいのはコウちゃんなんだよ?」

アキホお姉ちゃんが、しんみりする雰囲気を止めた。

「そうだね。コーヤ君とは、この拠点が見つかる前かららしいし。」

「それで、ユヅキは天空の島には行かないの?お兄ちゃんは興味ないと思うけど。」

「時間があれば行こうとは思っています。

でも、ドタバタ忙しいので、行けるかは分からないです。」

「そう。でも、行けそうなら、一緒に探索しよう。」

シエラちゃんが、ユヅキと約束を交わす。

「はい!あ。そろそろ、知り合いも待っているので行きますね。

コーヤさん、命を助けてくれて、ありがとうございました。(深々とお辞儀)

これからも、困った事があった時は、よろしくお願いします(深々とお辞儀)

みなさんも、良くしてくれてありがとうございました(深々とお辞儀)」

そう言って、ユヅキは、拠点からみんなが見えなくなるまで、
手を振って、フィンテルまで歩いて行った。

落ち込んだ雰囲気を、吹き飛ばす様にみんなに聞いた。

「さて。みんなは、島に行く方法を見つけたの?」

魔法のほうき

まず最初に、リイトちゃんとファルちゃんが勢い良く手を挙げる。

「はーーーーい!コーヤお兄ちゃん!一応作って実験済みだよ!これ!」

どうやら、魔法のほうきらしい。

ファルちゃんが、実際に披露する為に、ほうきに跨り空中に浮かぶ。

周りからは、おぉぉぉ〜!と言う声が響く。

しかし、空中に浮かび、上空にある島を目指すが、
ふらふらしながらだし、スピードが全然出ていない。

たぶん、動力源であるエネルギーが足りない気がした。

一通り披露すると、地上に戻って来て、ファルちゃんはお辞儀をした。

みんなからは拍手が贈られた。

「一応、出来る限り頑張って作ったんだけど、わたしはファル程安定しないの。

それに、安定のあるファルでもふらふらだし、遅いし。コーヤお兄ちゃん、何が悪いのかな?」

鑑定して調べて見ると、思っていた通り、魔力量が足りていなかった。

「これは魔力量だね。

レースゲームとかで、安定したスピードがないと安定した操作が出来ない。

それと同じで、全体の魔力量が足りないから、バワーもスピードもでないんだよ。」

自分で作った魔法のほうきを出す。

本体には、《出発》を合言葉にした〈飛行〉を付与し、跨がる所の少し前に、
半分程魔力を注入してある、大きさ中の魔石、合言葉設定し〈上げる〉を付与した小さな魔石、
合言葉設定し〈落とす〉を付与した小さな魔石の3つを、三角形になる様に、埋め込んで配置。

イメージ的には、バイクで、上げるがアクセル、落とすがブレーキ、
大きさ中の魔石は燃料となり、合言葉は《スピード》となっている。

「木を合成して、新素材にして試しに作ってみたんだ。ファルちゃん。試して貰える?」

「うん!わかった!」

簡単なレクチャーをして、ファルちゃんは上空に上がって行く。

「すごーい!さっきのより、ぜんぜ〜〜ん!安定している!」

その後、ファルちゃんは、僕の指示に従って、終わると戻って来た。

「コーヤお兄ちゃん!すごーーい!動きやすい!」

今は他の人が試乗している。

「コーヤさん。良く出来たわね。

ベータで挑戦した人知っているけど、完成しなかったわ。

難易度高めのパーツを組み込んだの?」

「いいや。初期パーツだけだよ。安定感があるからね。

それと、木材を新素材に出来たから、耐久力も上がったし、
無茶な使い方しなければ、長い間使えるかもね。

ちなみに、本体のほうき部分は店売りだから、
イオさんならアレンジも出来るんじゃない?」

「なるほどね。確かに、初期パーツは安定しているものね。

何かに特化させたりとアレンジも出来ると思うわ。

ただ、私だと現実の物をファンタジーに変換する発想が無いから、
こうやって、オリジナル品を作るのは難しいわね。」

「そうかな?最初に作りたい分野を考える。

その後に、材料を考えて、基礎が決まれば、イメージでパーツを付与して行く。

ダメなら、魔法陣使うなり、他にも方法はあるだろうし。

元々ある物を利用して、何かを作るという意識が必要かな。

僕の両親は、身近にある物を、上手く使う事に長けていて、
それを見ていたから、当然と言う感じだからかも知れないけどね。」

「そうね。私も少しずつ、意識する様にするわ。

それで、相談なんだけど、魔法のほうき、売るつもりは無い?

私のクランで請け負うわよ?」

「そんなに買う?だって、一人乗りだよ?

使いどころだって、そんなに無いでしょ?」

「コーヤさんって。(ため息)変なところは抜けているのね。」

ため息をつかれてしまった。

「まぁ。それが、コーヤ君だしね♪」

「その通りだな。

俺達が魔法の絨毯の素材を持って行って、作業した後にでも作ったのか?」

カイトとアカネさんがやって来た。

「そうだよ。

魔法の絨毯は、耐久力やパーツ穴の都合で、狩りに行く必要があったんだけど、
木なら、買えば良いから、一度作ってみようかなと。」

「はぁ。コーヤは、思い付いた事を、すぐに形に出来るからな。

それでだ。全員分作ってくれないか?」

「いやいや。カイトには、魔法の絨毯があるでしょ?」

「ああ。あれば、パーティー用だが、単独行動するには適していない。

だが、魔法のほうきなら、単独行動も出来るし、
上空から見て、気付く事もあるからな。」

「コーヤ君!わたし達も欲しいな!探索で、活躍しそうだし♪」

「コーヤさん。ほら。欲しい人は欲しいのよ。

確かに通常は要らないかも知れない。

でも、緊急事態に遠い人に連絡するには時間がかかる。

でも、これなら、間に合うかも知れないわ。」

「お兄ちゃん。別に直ぐじゃなくても良いから!よろしくね!」

「はぁ。分かったよ。

ただ、技術的には、イオさんも可能だと思うから、半分、お願いして良いかな?」

「ええ。分かったわ。後で、作り方を教えてちょうだい。」

イベント開始

《皆様、おはようございます。今から10分後に、天空の島が姿を現します。

初心者は元より、ベータ組ベテラン組でも楽しめる様になっています。

公式で通知した通り、
期間は1月5日午前9時から2月2日午後11時59分までとなっています。

たくさんのご参加お待ちしております。》

上空に天使AIが、上記の内容を伝え終わると姿を消す。

「おお!始まる様だな。俺達は、行く準備をするか。」

「わたし達も準備しよう。」

カイトとアカネさんのパーティーは、出発準備を始めた。

エレベーターもどき

「ねぇねぇ。お兄ちゃん。わたし達が使えそうなの無い?」

ミュウちゃんとシエラちゃんが聞いて来た。

「ねぇ。コウちゃん、私達もお願いしても良い?」

アキホお姉ちゃん達まで来た。

「まぁ。受験組は厳しいか。(エレベーターもどきを渡す)
これは、アカネさんに課題として作って貰ったんだ。」

「という事は、今回はコウちゃん作っていないの?」

「うん。監修くらいかな。ほら、試運転しているよ。」

「(試運転を見ながら)なるほどね。エレベーターの様に上に行くのね。」

アキホお姉ちゃんが感想を話す。

「そう。パーツとしては、魔法陣の基礎を使っているから、
多くの魔力が必要無いからね。」

レビア板

「でも、お兄ちゃん。あれ、浮いてない?」

シエラちゃんは気付いたようだ。

「うん。あれは、12月30日と31日に、時間が出来たから、
その時に、鉄と鋼の新素材を、色々と合成して行って出来たのが、あの素材。

名は”レビア”、性質は”浮遊”だよ。」

「”浮遊”って事は、靴に付ければ、空を歩けるの!?」

ミュウちゃんが、興奮した様に聞いて来た。

「うん。出来るよ。付けてみる?」

「する!!!!」

ミュウちゃんの靴に”レビア”板を装着し、説明した。

「おお!」

何もしなくても浮いた事に、びっくりしつつも、階段を上る感じで、足を前に出す。

「どう?」

「すごいね!足を置いた場所に、地面がある様に感じるし、安定感があるよ!」

ミュウちゃんは喜びながら、どんどんと上がって行くが、途中で引き返して来た。

「ミュウ、どうしたの?」

シエルちゃんが、ミュウちゃんに聞いた。

「寒い・・・。」

「え?」

「上に行けば行くほど、すごい寒い。」

ミュウちゃんが、体を震わせていた。

「ああ。そりゃぁね(苦笑)

”虚無の足場”を付与しただけだし、天空の島の様な、
高い場所に行く為の物じゃないし。」

「でも、コウちゃん。色々と有効利用出来そうじゃない?」

「うん。今後、色々と改良をしてみるつもり。

さっきの、エレベーターもどきも、最初、寒さの問題があったから、
アカネさんにヒントを与えたから、改善されているよ。」

この後、エレベーターもどきは、アカネさんに発注され、
”レビア”板は、僕が不要品と交換で作る事になった。

ちなみに、イオさんの店にも、お試しで、各10台納品する事で合意。

その後の売上によっては、製作から販売を委託する事になり、
交渉により、売上の3割を貰う事で落ち着いた。

10分後

10分が過ぎて、イベント開始時刻になると、
雲が立ち込め始め、その雲も数分で分散して行く。

その分散した雲の上から天空の島が、少しずつ、姿を現す。

最終的には、雲は全て無くなり、
天空の島が、国の中心地辺りである王都から、西に1日行った所で停止した。

「お〜〜〜!すげぇぇぇ!オープニング、気合入れてんなぁ。」

「う〜〜〜〜〜ん!気分満点だよ!早く行こ!早く!」

「みんな、落ち着きなさい。

あなた達以上に待ち切れないプレイヤーで、渋滞が起きているわ。」

「あ〜〜、本当だねぇ。あの中に割り込むのは難しそう。」

「僕は、見物しているから、程々にね。」

どうも見た感じ、魔法のほうきや魔法の絨毯を自作した人が多いようだ。

中には、魔法の飛行を使っていたり、牽引して貰う人もいた。

僕とリンネさん・あくあさん姉妹、イオさんは生産したり、
新しい事に挑戦したりで、午前中、まったりしていた。

天空の島の罠


午後12時

昼食時になると、天空の島班が帰って来た。

「え〜と。アカネさん?何があったの?」

なぜか、みんな、ショックを受けている感じで、雰囲気がよろしくない。

「コーヤ君。イオ〜。聞いてよぉ。(泣)」

「上で何があったのよ、アカネ。話さなきゃ、対策も出来ないでしょ。」

「うん。(ぐすっ)さすがに、初日で攻略出来るとは思っていないから、
とりあえず、島を見て周ろうってなって、カイト君とミュウちゃんのパーティーは塔を、
私達は、素材の木を採取する為に、森の中に入って行ったの。

そして、時間見たら、お昼時だから、みんなに連絡とって戻ったんだけど。」

「ああ。なんとなく分かったかも(苦笑)

手に入れたと思った物が、確認すると無かったと?」

「(こくん)」

「幻術系の魔法でもあるのかしら。アカネ。変な事無かった?」

イオさんは、正体について考えている様だ。

「変な事かぁ。」

アカネさんは、思い出そうとしている。

「ちなみに、アカネさんは、どんな木を採取していたの?」

「え〜とね。

私達が入った森には、鑑定しても聞いた事が無い名前だったんだ。

レア度5だったから、コーヤ君に確認して貰おうと、頑張ってたんだけどなあ。」

「はぁ(ため息)アカネ。その時点でおかしいって気が付きなさいよ。

そもそも、運営がそう簡単に、レア度5なんて出さないでしょ。」

「もしかして。相手の欲望を増幅させる何かなのかも。

なんにしても、精神攻撃系の様な感じかな。」

「そうね。その可能性もあるわね。でも、精神攻撃って防げるの?」

「完全に、運営の手の上で遊ばれている事を考えると、
簡単な装備では無理そうだから、本を見て考えるよ。」

僕とイオさんが話していると、カイトとミュウちゃん・シエラちゃんが報告に来た。

「コーヤ。すまん。全然、役に立たなかった。」

「お兄ちゃん。わたしも。」

「島にいた他の人達は、どんな感じだった?」

「今、冷静になったら、私達が入る前に風の塔から出て来た人が、
ウインドドラゴン倒して、ドラゴン装備手に入れた!って、盛り上がっていたのはおかしい。」

「確かにねぇ。ドラゴン装備は凄いだろうけど。
魔族より強いウインドドラゴンに、現時点で勝てるわけ無いのに(苦笑)」

ちなみに、カイト達が倒したグリーンドラゴンは、
ウインドドラゴンの二段階下に属するので、
装備によっては、倒すことが可能になっている。

アキホお姉ちゃんも来たので聞いてみた。

「アキホお姉ちゃん達は?かかった?」

「私達は、精神系無効のアクセサリーが出るダンジョンで、
メンバー分揃えていたから、かからなかったわ。」

「私もベータからだから古いけど、あったかしら。聞いた事無いわ。」

イオさんが、不思議そうにアキホお姉ちゃんの話を聞いていた。

「イオちゃん。当然よ。だって、生産系の素材出ない場所だから。」

「なるほど。確かに、私達は生産素材の無い場所はスルーしていたし。」

「お兄ちゃん!悔しいよ!干渉されないアイテム作れない!?」

ミュウちゃんが、縋り付いて来た。

「う〜ん。なんかあったかなぁ。

まぁ、とりあえず昼ごはん食べて落ち着こうか。」

騙され組は、鬱憤を晴らすかの様に食べていた。

午後2時

食べ終えて、みんな、昼寝したりする中、僕は今までに手に入れた本を調べていた。

「コーヤさん。どう?何かありそう?」

「ん?ああ。イオさん。魔法陣でも精神系無効となると、特殊らしいね。

以前、カイト達と行ったダンジョンで見つけた、中級編15冊の中には無かったです。

魔法を考えて調べたんですが、干渉を弱体化は出来ても、完全では無いね。」

「それで、それは、何を見ているの?」

イオさんは、僕が読んでいる本を、興味津々に聞いて来た。

「これ?これは、魔族再襲撃で、ミュウちゃん達が戦った魔族の片方は、
霊体を拘束され、力だけを使われていたようでね。

その人が、消滅する前に、自分の知識や技術を本にしてくれたんだって。」

「へぇー。なかなか、細かく時代背景が作られているのね。ありそうかしら?」

「判断が難しいけど、上手く作用してくれれば、解決出来ると思う。

一つは反射、もう一つは吸収なんだけど、どう思う?」

「反射はそのままよね。

問題は反射したは良いけど、ブロック崩しの様に結局は自分に返って来るから、
根本的な解決にはなっていないと思うわ。吸収って、魔力を吸収だけでしょ?」

「うん。ところが、普通に魔力を吸収するだけでなくて、
一度経験した、精神系攻撃を80%ブロックしてくれるらしい。

あとの20%を、別のパーツで補完できれば、完全防御になる。

確か、魔法陣の中級編に似た効果があるパーツがあったから、
それを使えば、問題は解決しそうかな。

ただ、経験した事を記録するのに、魔力を多く使うみたいだから、
そこが、問題点と言えそうだけど、後は、検証実験次第かな。

それと、侍祭ルリの遺本の中に、レア中のレアなんだけど、
合言葉の様に、吸収対象を大まかではあるけど指定出来るらしいんだ。」

「それは、面白そうね。なんて、指定するつもり?」

「そこが問題なんだよね。〈精神干渉系魔法〉って指定しても無理だと思うから、
〈外側からかけられた魔法〉で、上手く行かないかなって思っているんだ。」

「そうね。悪くは無いと思うわ。あとは、検証ね。上手く行けば量産すれば良いし。」

と言う事で、みんなに話ししたら、ミュウパーティーが立候補したから、
試験なので、普通の鉄製指輪に〈指定ありの吸収〉と〈精神系干渉防御(大)〉付与して、
渡したら直ぐに島に行ってしまった。

午後3時

ミュウちゃんのパーティーが帰って来た。

「ただいま〜〜〜♪」

「おかえり。どうだった?」

「(ぶい!)」

「なるほど。上手く行ったようだね。」

「うん!塔へは30階まで行って戻って、
森林地帯や水エリアとか一通り回って来た!!」

残っているメンバーが集まって、報告を聞く。

「まず、精神干渉系は、一人かかった状態にして、
指輪持ちが鑑定すると、精神支配(弱)と出た。」

シエルちゃんの言葉に、動揺が走る。

「なんと。精神支配か。道理で島にいる間、気が付かない訳だ。

俺達じゃ、対抗手段持っていないからな。」

「要は、最初の関門で、これをクリア出来なければ、褒美は貰えないという事ね。」

「そして、島には森林地帯・水源・砂丘・火山のエリアは確実に存在する。

ただ、完全に見ていないから、そこに何が隠されているかは分からない。」

「シエルちゃん。建物は無かった?」

「お兄ちゃんの言うのは小さい建物?だったら、各エリアに1つずつ存在した。

あと、森林地帯の真ん中に、大きい図書館が建っていた。」

「ありがとう。図書館は興味があるなぁ。小さい建物は、ヒントになりそうだ。」

「そうだ。コウちゃんのドローンで、島を映し出す事は出来ないの?」

「どうだろう?あれだけの高さだから、下からは無理じゃ無いかな。

だから、島に移動してから、ドローンを開放してなら大丈夫じゃないかな?」

「そうね。私達で試して見るわ。」

「問題は、地球の4元素に当たる4属性しか、島に存在していないのか?って事だね。」

そう。島のからくりを解く為には、どれだけの属性が存在するのか?が、
大事なポイントだし、難易度を計るためにも必要になって来る。

「う〜ん。普通に考えれば、他の属性としては、光と闇だよね?」

「闇は地下だと思うけれど、光ってどこだろう?コウちゃんはどう思う?」

「まぁ。普通に考えると島における地上に、火・水・風・土の4属性。

地下が闇とすれば、光は真逆の位置にある事を考えれば、
全ての塔をクリアすると、作動する何かがあると考えるのは、
一番簡単なんだけど、それだけだろうか?」

「わたしも、お兄ちゃんと同じように、そこを気になっていて。
島は広いし、もっと秘密の場所が存在していても、おかしくないと思うんだよね。」

「だからこそ!探索が楽しみになる!俺達は、まず、全ての塔の攻略を目指す。」

カイト達は、戦闘組らしく全ての塔の攻略を第一目標にしたようだ。

「じゃあ。私達は、森林地帯と水エリアを調べようか?」

アカネさんがそう言うと、メンバーが頷き返す。

「私達は、ミュウちゃんに火山を任せて、砂丘エリアの謎を調べるわ。」

アキホお姉ちゃん達は砂丘を調べるようだ。

「了解!わたし達は火山地域を調べるね。」

「あとは、みんな無理しない程度に頑張ろう。

それと、どうする?近況を持ち寄って情報共有する?」

「コウちゃん、当然よ。各自がバラバラに動いても効率悪いんだし。

情報を集約して、整理しながら、共有するのは、必要な事よ?」

「なるほど。アキホお姉ちゃんは、ここを情報集積地としたいと?」

「ふふふ♪コウちゃん、分っているじゃない。

ほら、ここなら、他のプレイヤーに知られないように話し合う事も出来るでしょ?」

「まぁ。もう、いつもの事になりつつあるから、良いんだけど。

さて、今日は、そろそろ、午後5時だからお開きにしようか。」

「え〜?コーヤ君、まだ、良いんじゃない?」

「良いの?明日から学校だけど?」

その言葉で数人が凍り付いた。

「はぁぁ(ため息)」

僕とイオさんはため息を付き、結局、今日は、お開きとなった。

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