最終更新日 2022/06/05

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Infinite Alternative World(インフィニティ・オルタナティブ・ワールド)
〜探索は食から(仮)〜


5話 暗雲

4月10日(金曜日)

午後8時

「すみません。昨日、ボアを生息地を聞いた者ですけど、
ダンジョンを見つけたら、報告するんですか?」

今日は、昨日の事が気になったので、フィンテル冒険者ギルド支部に来た。

「そうですね。ダンジョン化は、魔力を吸収しやすい場所に現れます。

そして、魔物の氾濫や、魔物のランクアップが起きる事が確認されているので、
早期に分かれば、我々で調査します。

どこで、見つけたんですか?」

僕は、昨日の状況を話した。

「という事は、ダンジョンの様に、魔物が養分となるのに、
ダンジョンコアが見つからなかったという事ですか?」

「はい。出来る限り、念入りに鑑定で調べましたが、
数百体のボアとビッグボアと戦った後なので、見逃しもあるかも知れませんが。」

「そうですか。ちなみに、ビッグボアは回収しましたか?」

受付のお姉さんは、僕の話を聞いて色々と考えていたが、
ビッグボアに何かあるのではないかと考えたようだ。

「ええ。もちろんです。放置して腐らせるのは勿体無いので。」

「次に、魔石は取りましたか?」

「いいえ。疲れていたので、次の日にしようと思ってしませんでした。」

「分かりました。それでは、ギルマス立合でビッグボアを調べましょう。」

この後、冒険者ギルドに併設されている解体所に行き、ビッグボアを出した。

「ほう。これは、今まで見て来たのよりも大きいな。」

「そうですね。栄養豊富な何かがあったと、私は考えています。」

「ふむ。カルア、魔石を取り出してくれ」

ギルマスのルクウェルさんが、解体所のカルアさんに合図を出すと、
カルアさんは、魔石の場所を数分で探し出し、魔石を取り出した。

「これは・・・。この様な魔石があるとはな。」

ギルマスが驚いているのは当然で、魔石は石と名が付く様に、
灰色が一般的だけど、今、取り出した魔石は光にかざすと、
虹色の様にきらきら光っているのだ。

「きれいですね。これをオークションに出せば、場合によっては、
ミスリル金貨もあるんじゃないですかね。」

「ああ。十分にありえるな。どうだ、コーヤ。
近々、王宮でオークションがあるから、そこに出品すれば、高額で落札するだろう。

金額によりけりだが、黒金貨は確実に手に入る。」

「そうですね。僕が持っていても、現在、使いみちがありませんし。お願いします。」

「了解した。それで、このビッグボアとボアはどうする?

ここ数ヶ月は、ボア狩りする冒険者やハンターがいなくてな、値段がすごい事になっている。」

「そうですね。では・・・。」

考えるのは、ボアを数えてからと思って、全て出すと658体いた。

それで、ビッグボアの半分を貰い、半分は市場に流す。

ビッグボア自体、定期的に狩られない為に、高騰していて、
肥えていて大きいので、半分だけでも、黒金貨30枚となった。

ボアは、ギルマスから、一度に流すと、値崩れするから、商業ギルドにお願いして、
鑑定で美味しさのランクが高かった28体を残し、買い取って貰った。

1体あたり、金貨5枚で、630体なので、金貨3150枚となり、
所持金が、黒金貨31枚、白金貨5枚という大金持ちになった。

だけど、さすがに商業ギルドも、一括で払うと、運営出来ないと言われたので、
冒険者ギルドに預けて貰い、後で受け取る方式になった。

前払金として、白金貨5枚を受け取った。

ちなみに、ボアの魔石は取り出し完了し、
極大1個、大6:8個、大1:20個、中8:126個、中3:203個、中1:300個となった。

ギルマスの部屋

「とりあえず、ビッグボアとボアの売買に関しては、なんとかなった。
あとは、ダンジョンと思われる場所の調査だ。

コーヤ。もう一度、当時の状況を話してくれ。」

僕は、受付のイリネさんに話したのと同じく話した。

「ふむ。それはダンジョンコアを、ボアが食べて巨大化し、
ビッグボアに変異した可能性が高そうだ。」

「ダンジョンコアって、そんな簡単に、ボアとかが食べる事が出来るんですか?」

「出来るぞ。コアと言っても、魔力溜まりと似ているから、
魔力を吸収出来る魔物は、普通に食べるだろうな。

それに、658体までに増えたのも、コアを食べたボアから魔力が漏れ、
それを他のボアが吸収した事によるだろう。」

受付のイリネさんが、話を引き継いだ。

「それで、コーヤさん。最下層に何かありませんでした?」

「ありましたよ。山になっている場所が、角にあったので、全て回収しました。

あ。でも、一番下から、鑑定しても”はてな”の多い魔法袋が出て来たんですけど、
鍵がかかっているようで、中の確認は出来ませんでした。」

「では、出してみて貰えますか?」

僕は、言われた通りに出してみた。

昨日は、分からなかったけど、装備品には淡い光が出ている魔法が付与されたのもあった。

山積みになっていた装備品、魔法付与なし:100点、魔法付与あり:30点が9割以上で、
後は、商人袋や冒険者などが持っていたと思われる魔法袋。

商人袋は5個あり、書店に並ぶ本やポーションの材料の薬草など。

袋には、状態保存の魔法が付与されていて、問題は無かったが、
薬草などの素材の品質は1となっていた。

冒険者などが持っていたと思われる魔法袋は26個あり、
日常品や研磨剤、予備の装備などがあったが、高価な物は無く、普通に買える者のみだった。

強固な魔法袋

最後に、かぎのかかった魔法袋。

「おう。これは、強力な守りだ。シャーラを呼んで来てくれ。」

10分後、呼ばれて来たシャーラさんが、解錠に挑戦するも苦戦。

「はぁ。はぁ。はぁ。これは。今まで発見された物で、くっ!最強です。」

苦戦しつつ、30分かけて、解錠に成功した。

「やっと開いたか。解錠レベル18のシャーラでも、
これだけ時間がかかるというのは、大事な物を入れているのだろう。」

シャーラさんが、中の物を1つずつ慎重に取り出すが、危険な品は無かった。

中に入っていたのは、本が50冊、ポーション中100本、レア中のレアな素材26点、
魔法紙(魔法木テアミン繊維使用)257枚、剣・短剣・盾・弓・小剣・杖(魔法付与、レア度9)

「これは、すごいな。これだけの物が入っていれば、厳重にするのは分かるが。
しかし、なぜ、ダンジョンにあったのかだな。」

受付のイリネさんが、本を見ながら、話を引き継ぐ。

「ギルマス。見て下さい。この本。イルサ暦598年とあります。」

「確か、イルサ歴は500年以上前だったか。
最低でも、その本を入手出来る年代という事か。

であれば、最低でも400年前は固いとかは思うな。」

ぱらぱらと本を見ていた、シャーラさんが気が付く。

「ギルマス!ここに、失われた無限袋の作り方があります!」

「なんだと!?(本を読み)ふむふむ。確かに。
これは、戦争などで失われる事を惜しんだ人物が、強固な鍵を付けた可能性があるな。」

イリネさんが、これらの扱いに付いて、ギルマスに聞く

「ギルマス。どうしますか?
現在、失われた製法も多くあると思いますし、国宝級だと思います。」

シャーラさんも話に加わる。

「そうですね。コーヤさんから買い取り、王宮に話をした方が良いと思います。」

「ふむ。その意見は当然だな。しかしだ。
これは、コーヤが苦労してダンジョン制覇して見つけた品だ。

本来は、コーヤが見つけたのだし、仮に俺達に報告しなくても問題はない。

もし、冒険者の獲得した物に意見を言えば、信用を失い、素材も売ってくれなくなるだろう。

その場で見つけた物は、原則、その人物の物だ。」

ルクウェルさんの言葉に、イリネさんとシャーラさんが、黙り込んでしまった。

それは当然で、ルクウェルさんが言ったように、売ってくれるように圧力をかけたり、
不当な介入をすれば、すぐに拡散されて冒険者が、冒険者ギルドに来なくなる。

そうなれば、困るのは自分達なのだ。

3人で話をしている間、僕は色々と考えていた。

「何点か聞きたい事があるんですが?」

「何だ?俺で答えられる事なら答えるぞ。」

「では、まず、王宮は信用出来るのですか?」

「確かに、王宮を信頼出来なければ、渡す事も無理だな。

俺が今まで、王宮と対応して来た印象だと信用していい。」

その時、戸を叩き、急いで報告した。

「ギルマス!大変です!王宮が、魔族に襲撃され、応戦中との事!」

「なんだと!!!!」

ルクウェルさんが思い切り立ち上がる。

「その様な、前兆など無かったのに・・・。」

「先程、早馬での知らせでは、魔族が変装していた商人と謁見していると、
変装を解いて、国王様に切り込み、親衛隊が一瞬で倒されて、国王様も殺害されたと。」

報告を聞くと、ルクウェルさんは悔しそうな顔をする。

「くっ!ここまで、早く動くとは!!!」

「あの。その魔族は、フィンテル方面に来ているんですか?」

僕が、報告してくれた人に聞くと、答えてくれた。

「いいえ。現在まだ、王宮は襲撃され、国王様も殺害された様ですが、
まだ、王宮も王都も占領されたとの、報告は来ていません。」

「ありがとうございます。」

僕は、50冊の中から、今回必要なアイテムを作るレシピを探した。

「コーヤ。何を探している?」

「先程、無限袋のレシピがあると言っていたので、
もしかしたら、転移出来るアイテムのレシピが無いかと思って。」

「なるほど。確かに、転移出来れば、応援を送れそうだ。」

そこで、みんなで転移に関係するアイテムのレシピを探して、
10分後にシャーラさんが見つけてくれた。

「シャーラさん、ありがとうございます。え〜と、素材は・・・。」

アイテム名は転移札。

魔石や宝石に転移を付与して、魔法紙で挟んで、固定して完成。

ただ、座標を登録する必要があるが、魔石や宝石にある魔力が尽きるまで、
何度でも使えるので、座標を推測しながら、王都に向かうのもありだと思う。

そうして、ルクウェルさんは、緊急クエストを発布し、
僕とシャーラさんで、転移札作りを進めた。

転移札は、本にある製法を使えば、最大6人まで転移可能とあったので、
多めに50枚を作成した。

ボアの魔石に中1があったので、それを使った。

時間がありそうだったので、体力・魔力・スキルの各吸収札を5枚ずつ作成。

全ての準備が出来たのは、報告があってから50分後。

間に合わないかと思ったが、偵察の話では、
以前、混戦だと言う事で、まだまだ、介入できる。

僕は、国王様が死んでいない可能性もあるので、
10分早くに、王宮に向かった。

ルクウェルさん達は、10分後に万全な状態で転移するとの事。

「よし!いいか!これから、王宮と王都にいる魔族を一体残らず倒すぞ!」

「(集まった全員)おーーーーー!!!!!!」

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