最終更新日 2022/06/05

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Infinite Alternative World(インフィニティ・オルタナティブ・ワールド)
〜探索は食から(仮)〜


7話 低湿地帯の探索

4月11日(土曜日)

昨日は、王都から帰ってすぐに、亡くなった方の追悼を行った。

その後、死者を悼む事も含めて、飲み会になった様だ。

様だというのは、冒険者ギルドだけでは、席が足りず、
止まっている宿屋でも、酒盛りがあったとおかみさんに聞いたからだ。

午前10時

今日は、土日が連休という事もあり、低湿地帯を探索するつもりだ。

一番期待しているのは、「稲」の存在する可能性だ。

「稲」が量産出来れば、ご飯と魚で定食に一歩近付く。

もう一つ、どうも、奥には滝がある様で、釣りをしている間も音が聞こえていた。

もしかしたら、滝壺には違う魚がいるかも知れない。

「ここからは、鑑定を使いながら、慎重に探していこう。」

鑑定を使う頻度が多い事もあって、現在のレベルは12まで上がった。

それに伴い、表示される情報量も増えて来たので面白い。

「あ。これは蒲だね。へぇー、抽出スキルで油(軟膏)を採取出来るのか。

そして、葦だ。紙・薬・茅葺きの材料か。量産できないかな。

自分で家を建てる時に、屋根に茅葺きを使うのも面白そう。」

どんどんと先に進むと、見た事のある植物を見つけた。

「あ!稲だ!(鑑定)うん。鑑定でも稲となっている。
う〜ん、でも、このまま、採取して、植え替えして大丈夫なのか。」

マップに印を付けて、奥へと進む。

「稲」を見つけた他は、使えそうな素材が無く、滝の場所までやって来た。

「おー!落差200m以上ありそうだ。そして、いた!魚だ!」

滝壺を見ると、元気に泳いでいる魚を見つけた。

午後12時

お昼時という事もあって、以前に作った川魚の刺し身を食べながら、
当たりを待つが、昼食を摂り終わっても、魚がかかる感じがしない。

30分程待っても同じなので、鑑定して調べると・・・。

「はぁ!?え?これが魔物魚?」

そう。魚の内臓を鑑定すると、魔物魚の餌と表示されたのはあったが、
魔物魚がどの様な魚かを調べていなかったので、びっくりした。

「という事は、ここで、内臓を使うのか。(少し撒いてみる)」

内蔵を水の中に撒くと、すぐに勢い良く食いついて来たので、
釣り竿を投げ入れるが、なぜか、食い付かない。

そこで、今度は陸地に撒いて見ると、どんどんと魔物魚が陸地に上がって来たので、
魔法付与された短剣で倒して行く。

結果として、32匹の魔物魚を確保すると、滝壺には通常の魚が出現した。

どうも、条件付きで魔物魚になる様に思えた。

「うーん、普通に考えれば、魔石を食べさせる事で、魔物魚になると思うんだけど。」

鑑定が13になり、前提条件の”鑑定 lv10”はクリアしているので、分析を取得し使ってみた。

その結果、確かに魔石を与える事で、変異するようだけど、
量や場所にについては、現時点では分からなかった。

「まぁ。追求するのは後にして、魔物魚を捌いてしまおう。」

鑑定すると、どの様な調理法でも、美味しく食べる事が出来るとあった。

味を確かめる為に、31匹は状態保存の魔法袋(中)に収納し、
一番小ぶりな魔物魚を捌く事にした。

捌いて分かったのは、肉の様な弾力があるが、白身だという事。

内臓がなく、中2程度の魔石があった。

「よし。とりあえず、1切れ食べてみよう。(ぱく、もぐもぐ)!!!!!!!!」

すごく美味しかった。

肉と魚の良いところ取りみたいで、適度に脂もあって、くせになりそうな程。

食べる前に鑑定したら、

魔物魚の刺し身:空腹度90%回復、HP1000回復・MP950回復、レア度10
        回復超過分は、HPとMPに上乗せされる。(特殊能力)

「確かに、これはレア度10だな。それに特殊能力もすごいし面白い。」

午後2時

魔物魚を捌いた後、後片付けして、昼食の為にログアウトした。

休憩し、再びログインしたのは、午後1時。

低湿地帯を一通り見たので、蒲から油を抽出したり、稲の株ごと採取したりと
充実な時間を過ごしていた。

「さて、岩塩は無いのかな?」

普通に塩が売られているので、たぶん、海塩だと予想し、
海塩があるなら、岩塩も存在していてもおかしくない。

鑑定レベルを伸ばす為にも、細かく調べてみたところ、
滝がある崖で覆われた場所に存在した。

「ツルハシで岩塩堀をしてみよう。」

採掘スキルは先程、取得したので、現在は1。

レベル1では、一度に1〜5個と決められているので、頑張ってレベルを上げた。

午後4時

2時間、懸命にツルハシで岩塩堀をして、採掘レベルが7まで行った。

レベルが5以上で、初心者卒業なので、
7にもなれば、収穫量は一度に100個近く入手出来る。

「はぁ。はぁ。はぁ。実際にした事が無いスキルは、コツを掴むまで苦労するなぁ。
ふう。今掘っているところで、今日はおしまいにしよう。」

そして、最後の力を使って、ツルハシを振り下ろすと、
大きな岩石にあった岩塩を取る事が出来たのだが・・・。

「え〜と、これって、洞窟?」

滝のある場所の崖から、反応のあった場所で、採掘しても、
表面しか無く、移動しながら採掘をしていた。

でも、レベル上げても採取量が少なかったので、採取量が多い場所を調べていたら、
滝の右隣りにあった、大きな岩石の中には、1キロの採取量があると表示されたので、
レベル上げもあった事から、ツルハシを振り下ろしていたのだ。

ところが、岩石を取り除いてみると、洞窟の様な空洞を発見。

疲れていた事もあり、魔物魚の刺し身を食べて、回復させてから洞窟内に入った。

「ん〜。前のダンジョンは、人工と思える跡があったけど、
ここは、自然に出来た洞窟みたいだな。」

ライトの魔法を使い、奥に進むが、魔物が出て来る気配がないので、
慎重にしつつ、どんどんと奥へ進んで行った。

そうすると、途中から”ぴちゃん・・・ぴちゃん・・・”と雫の音が聞こえて来た。

「これって、もしかして、鍾乳洞かな。」

洞窟に入って30分程、少し、曲がりくねってはいたけど、
最奥に到着すると、鍾乳洞の予想はあたり、きれいな場所だった。

「おー!段々畑みたいな場所もあるし、つららの様な場所や、下から伸びた鍾乳石もある。」

ここで行き止まりになっていたので、鍾乳石に注意して、
周りを歩いて、スクショも何枚も撮った。

「ふうう。なんか癒やされるなぁ。帰るか・・・。うん?これは?」

帰ろうと思い、足場を注意をしようと下を見ると、所々に結晶体が落ちていた。

「(鑑定)ふむふむ。これは、水結晶というのか。」

鑑定と分析を使うと、水結晶は、鍾乳洞みたいな水が豊富な場所に、生成されて、
基準となる数値を超えると、結晶化するみたいだ。

どうやら、ここには、100年近く、誰も訪れていないようで、
水結晶が至る所で、転がっていて、127個採取出来た。

主に、錬金術の材料として、使われる事が多いらしい。

僕は、洞窟を出て、フィンテルに戻り、ログアウトした。

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