最終更新日 2022/06/05

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Infinite Alternative World(インフィニティ・オルタナティブ・ワールド)
〜探索は食から(仮)〜


2話 ゲームの世界へ!

がやがや、がやがや

「(ここが、仮想現実の世界かぁ。)」

光が収まって目を開けると、中世ヨーロッパの都を思わせる景色が入って来た。

確かに、CMでもそれらしい場面があった。

チュートリアルでは、草原だった為、気にならなかったけど、
街ともなると、だいぶ違うように感じる。

周りを見れば、まだ、春休みの人もいるのか、賑わっていた。

街のマップを見ると、現在地である初心者限定のログイン転移場所の噴水広場を中心に、
東西南北へ大通りが伸び石畳が敷かれ、全てではないが、碁盤の目になっていて
迷いにくくなっている。

「さてと、まずは衣食住の確立の為にもギルドに登録しないと。」

そう、つぶやくとすぐ目の前にある冒険者ギルドに向けて歩き、中に入ることにした。

からんころん

冒険者ギルドに入ると、不思議な事に外とは違って、それほど人が多くなかった。

空いている受付に向かった。

「すみません。登録したいのですが・・・」

「はい、いらっしゃいませ。こちらの用紙に必要事項の記載をよろしくお願いします。」

登録名は「コーヤ」、職業は「錬金術師」、性は「男性」と書き込み提出。

「はい、ありがとうございます。次に、こちらの水晶玉に手を置いて下さい。」

その間にも受付の人は作業を進めている。

水晶玉に手を置くと、ちりーんと鈴が鳴るような音が鳴った。

「はい、ありがとうございます。問題もないようですので、ギルドカードを発行します。」

受付の人が、1枚のカードを眼の前に置く。

「こちらが、冒険者ギルドのカードとなります。冒険の最中に倒した魔物の数、依頼の確認、
称号などの確認などの機能があるので、無くさないように気を付けて下さい。」

「はい、分かりました。」

「注意事項として、生産活動や魔物狩り、ダンジョン探検などでカウントしますが、
冒険者としての活動を3年行わなかった場合は、カードは自動消滅します。
冒険者の活動データは保存していますので、問題があった場合には、報告して下さい。」

「はい」

「では、頑張って下さいね。(にこ)」

冒険者登録が完了し、お礼を言って、冒険者ギルドを出て、ゲームを本格的にスタートさせた。

本来であれば、冒険者と言う職業は、『危険を冒す』のが仕事だから、
試験を行うのが普通だが、ゲームではそこを省略している。

確かに、試験に受かれば問題がないが、落ちた時は魔物討伐が出来ないから、
店でアルバイトをしながら腕を磨く事になる。

ラノベの様に、異世界転移によって現実がファンタジーになれば、それでも問題ないと思うが、
ゲームである以上スタートさせないと言う選択肢は無いのだろう。

時間を見ると、午後5時3分前、今後の事を考えて、情報収集する事にした。

情報収集する先を色々と考えて、定番の宿屋兼酒場にした。

旅人の豊潤亭

きーーー

「いらしゃいませ!!」

午後5時という事もあって、酒飲みが賑やかに騒いでいた。

宿屋の受付に向かう。

「いらっしゃい!何泊にするかい?」

良く漫画とかにも出て来そうな、恰幅の良いおかみさんが受付をしてくれた。

「とりあえず、7日でお願いします。」

「7日ね。分かったよ。それで?食事はどうする?」

「食事が付くって事ですよね?この後、釣りをしたいので、食べる時に払います。
それで、釣りが出来そうな場所知っていませんか?」

帳簿に書き込み終わると答えてくれた。

「そうねぇ。この街を南下すれば海だから、海釣りはそっちの方が良いね。
川釣りなら、この街の北西に小高い丘があるんだけど、その裏で川釣りが出来るよ。」

「ありがとうございます。」

7日で食事なしの料金は、中銅貨8枚だった。

小高い丘

宿屋のおかみさんに、紹介して貰った、フィンテル北西にある小高い丘に来てみた。

すごく、見晴らしが良くて、フィンテルの街が一望では無いけど、
半分以上が見える。

移動中に、鑑定してみたけど、
この丘には建物などの人が住んでいた形跡が全く無かった。

ただ、鑑定レベルが1なので、もしかしたら、高レベルになれば、
反応するのかも知れない。

ある程度満足したら、次に裏にある、川釣りスポットへ移動。

川釣りスポット

着いてから鑑定したり調べてみると、この場所は、低湿地帯に近い事が分かった。

そこから考えると、稲が見つかるかも知れない。

「それじゃぁ。釣りをしてみるか。ここでは何が釣れるのか。」

フィンテルには、釣り道具を売っている店があり、
そこで、釣り道具を大銅貨5枚使って購入、それと〈釣り〉スキルを取得。

特に、釣り竿は耐久性に優れているのを選んだので高かった。

「へぇー、色々と魚の隠れ場所が多いから、大きい魚も釣れるのかな?」

周りには、生い茂った草が多く、隠れ場所が多い。

とりあえず、川に向かって、餌を付けた釣り竿を投げてみる。

「なかなか、現実では釣りも出来ないし、ゲームで出来るのは良いなぁ。」

そんな風に、最初はのんびり出来れば良いと思っていたのだけど、
数分で、魚を釣ってから、入れ食い状態になり、
午後6時までの一時間で、103匹の魚を釣る事が出来た。

内訳は、鮎30匹、ウグイ27匹、イワナ30匹で、カジカ16匹、レア度は全て1だった。

「う〜ん。逆に困ったぁ(苦笑)」

そこで、特典の魔法袋(中、2週間限定、状態保存付与)があったので、
全ての魚をその袋に入れて、宿屋に戻り、ログアウトした。

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