最終更新日 2022/06/05

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68話 魔族の襲撃

念の為、索敵を周囲300キロに設定しておいたら、索敵レーダーに、敵対勢力の反応が出た。

対策が功を奏した様だ。

「あ〜。これは、戦いが起きるね。」

「戦いですか?誰と?」

「今、偵察機飛ばしているけど、たぶん、魔族だと思うね。なんせ、魔王が倒されているし。
あ。見つけた。人のいない場所に移動しよう。」

映像を見ると、2000体程の魔族が闘技場目指して移動していた。

「距離は300キロ。1時間後には到着するスピードで進んでいるね。」

「速いですね。どうしますか?」

「今のままだと、多くの死傷者が出そうだから、
賞品として出した装備の改良版の試作品を複製しよう。

時間的に、知り合いの人数分は大丈夫だろう。

あとは、同時並行で回復アイテムの合成とかで頭数を揃えよう。」

「はい!」

複製機Ver5を使って、魔法陣初級応用編パーツで製作した一体型装備とアクセサリーを量産し、
回復アイテムの材料を商店スペースで調達し合成して、多めに作って行く。

午後3時

魔族軍は、目視出来るところまで迫って来ていた。

この頃には、ライカさん一家を襲った盗賊は捕まり、殺された人の供養は終わっている。

午後3時半

闘技場

闘技場の会場では、順位が決まり、表彰式が行われていた。

「それでは、最後に無差別のクラスで優勝しました、マカ選手に金一封と賞品が贈られます。」

「優勝おめでとう!素晴らしい戦いじゃった!」

「ありがとうございます。国王様。」

「(金一封を渡し)次にこれが賞品じゃ。これからも精進するように。」

「はい。(にやり)」

優勝者が賞品を受け取る瞬間、賞品である武器・防具一体型装備は、
優勝者の手を弾き、置かれていた台に戻った。

「なに!?どうゆう事じゃ!?」

「くっ!なんだこの音は!」

「なっ!あなたは魔族!」

組み込まれていた、変身解除機能が作動して、
優勝者は変身を維持出来なくなり、魔族の姿を皆の前にさらけ出す。

「!? ちっ!変身が解けちまったか。その装備は絶対壊す!」

「そうはさせません!お父様は、後ろに下がっていて下さい!」

「まぁ。変身姿では動きにくかったからな。(ちら)そいつをよこせ!」

2位の人が貰った変形武器を魔族に奪われてしまう。

「なっ!まずい!」

「くくく(笑)この剣も同じ職人が作ったんだろう?だったら、両方とも破壊してくれる!」

ところが、変形武器の方だけが、砕け散ってしまう。

「なに!?ほう!こちらは砕けぬか。ならば、俺の得意なこの剣で粉砕してくれる!」

魔族の腕から魔力による剣が形成され、一体型装備へと攻撃をするが、
装備自体に意思があるような動きをして、魔族の攻撃を躱し、上空に留まる。

「なんだと!?この装備に意思でもあるというのか!」

「なるほど。この装備は素晴らしいですね。悪に付かない意思表示が出来るとは!」

ソアリス王女は感心している。

「くっ!このような武具を作り出すとは!人間を甘く見ていたようだ。
だが、使う人間がいなくなれば問題がない。
そろそろ、時間的に、魔族軍が近くまで来ている頃だ。」

「なんじゃと!ソアリスよ!まずいぞ!その男をなんとかしてくれぬか!」

「しかし、この男、相当の力の持ち主です。今のままでは・・・。」

ソアリスには、対峙しているので分かっていた。

この男が、自分よりも上である事を。

「闘技場にいる人間よ!良く聞け!!俺は魔王様親衛隊5番隊の隊長マカだ!

どうだ?聞こえるだろう!?魔族の軍勢の音が!!ここで、お前達に選択肢をやろう。

俺等魔族側に付くか。それとも、俺等と戦って死ぬか。好きな方を選べ!!」

騎士団詰め所SIDE:

一方、騎士団詰め所では、団長・副団長クラスを集めて対抗策を話し合っていた。

「なんだ!これは!!魔族の大軍だと!?いつの間に来たんだ!」

「ソレイエルさんどうしますか?
魔族側も僕らに感知されないように近づいて来たんでしょう。」

ヴィオは冷静に分析していた。

「伝令です!

国王様と剣姫様のいる闘技場内部に、
特殊な力が張られていて入る事が出来ません!」

「伝令です!魔族の軍勢約2000と思われます!」

「一般人の避難はどうなってる!」

「はっ!時間が遅かった事が幸いして、避難はほぼ完了しております!」

ソレイエルは、続々届く、報告に苦虫を噛み潰した様な顔をする。

「ヴィオ。お前は魔王が来てなお、生き残る事が出来たのだ。
何か、この状況を打破する良い方法はないか!?」

「あの時は、ただただ、
国王様の周りを騎士団員と冒険者ギルド職員で囲んで防御していただけですよ。

状況が一変したのは、コーヤ君が来てからです。」

「そうか。今回も、何か策を練っているのか?」

「分かりません。しかし、コーヤ君に頼ってばかりでは騎士団の名が泣きます。

なので、僕達、フィンテル騎士団は、少しでも国王様達を助ける可能性があるならば、
それに賭けたいと思います。

その為にも、魔族の侵攻を止める為に頑張って来ますので、
あとは、よろしくお願いしますね。」

ヴィオが席を立つタイミングで、フィンテル騎士団副団長が入って来た。

「団長!フィンテル騎士団用意完了しました!」

「よし!これより、外で戦ってくれている仲間の救援に向かう!
死を恐れるな!その心があれば、必ず、負けはしない!行くぞ!」

「はっ!!」

この事態より30分前に、コーヤ達、プレイヤーには通知が来ていた。

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