最終更新日 2022/06/05

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66話 闘技大会と鍛冶職人

11月3日(日曜日)

午前10時

「これより!第2回闘技大会を開催します!」

「(会場中)うぉーーーーー!」

「今回は、前回とは違い、飲食店の出店スペース、一般の人が自由に売り買い出来るスペース、
救護スペース、娯楽スペースなどをご用意致しました!

是非是非、楽しんでいただきたいと思っております!

これからは、場外担当と場内担当に分かれて、
大会を盛り上げますので、よろしくお願いします!」

ひゅ〜〜〜〜、どん!どん!どん!

開催を告げる花火が打ち上がりスタートした。

「始まったようだね。」

「はい。どこから見ましょう?」

「う〜ん。フリースペースにでも・・・。」

どこを見て回るかを考えていると、前からアカネさんとリンネさんが歩いて来た。

「あ。コーヤ君おはよう♪」

「水晶(コーヤ)君、おはよう。」

「おはよう。あれ?メンバーは?」

「私達は予選で敗退しちゃって(苦笑)今日は、観戦だけだから、自由行動。」

「私は、妹がリアルで用事があるから、その間、見物しようかなって。
それと、あくあも良いところまで、勝ち進んだけど、ダメだったわ。」

どうやら、アカネさんのパーティーとあくあさんはダメだったようだ。

「残念だったね。僕達は、フリマで面白い物が売っていないか見に行くよ。」

「あ〜。私も行くわ。可愛い物とかあるかも知れないし。リンネさんはどうする?」

「私も行こうかな。すごく広いからどこから回って良いか分からないし。」

「そうしよう♪そうしよう♪」

フリースペースまで移動して、順番にわいわいガヤガヤしながら見て行った。

午後12時

「う〜ん(伸び)全部見ていないけど、特徴的な物もあって、面白かった〜♪」

「ほんとう。かわいい物も結構あったし。」

「僕達は、昼食休憩するけど、アカネさんとリンネさんは?」

「そうだね。午後は闘技場の観戦もあるから、早めに昼食しておこうかな。」

「私も一緒に行くわ。中央付近で屋台があるから、そっちに行かない?」

4人で屋台で昼食をして、見に行きたい場所に各々行くので解散。

午後1時

僕達は、装備部門のフリースペースに来ていた。

「結構、装備品売りたい人多いんですね。」

「だね。店で売るより高くなるかも知れないからじゃない?」

「なるほど。」

売っている装備品を鑑定しながら、掘り出し物は無いかと見ていくと、一本の剣に目が行く。

「ん?これは。すみません。この剣はあなたが作ったんですか?」

「え!?あ・あの・はい・・・そうです。」

僕は、鑑定から解析に変更して、剣を見ると、
まだまだ、荒削りだけど、基礎を学べば、能力を伸ばす事が出来そうだ。

「コーヤさん。この人、経験積んだら良い職人になりそうですね。」

ユヅキちゃんも同じ考えのようだ。

「僕もそう思うよ。今、有能な鍛冶職人少ないからね。これって、独学ですか?」

「はい!そうです。わたしの村は、古いしきたりが強い村で、
女性が鍛冶職人するなんて!って言う程なんです。

でも、父が鍛冶職人していたので、小さい頃からずっと見て育って、大きくなったら、
父と同じ鍛冶職人をしたいと思っていたんです。

しかし、両親から猛反対されて。でも諦められずに、自分で少しずつ、
手作りの鍛冶場を完成させて、そこで、見様見真似で、
やっと、最近、その剣を作る事が出来ましたので、出品して見たんです。」

「独学でここまで技術力を高めれる人は、なかなかいないと思うよ。自信を持ってよ。」

「ありがとうございます。(お辞儀)」

今の話を聞いて、独学でここまで出来るなら、才能もあるのだろう。

「名を聞いて良いかな?僕はコーヤ、そして、隣はユヅキだ。
僕達も装備を作ったりしているんだ。」

「!?」

なぜか、ユヅキがびっくりした顔をしている。

「私はアスハと言います。」

「ありがとう。アスハさんは、自分の工房を持ちたい?
それとも、他の鍛冶職人の下で働きたい?」

「そうですね。出来れば工房を持ちたいと考えています。
でも、まだまだだと思うので、最初は鍛冶職人の下で修業をしたいです。」

「うんうん。良いと思うよ。」

そんな事を話ししていると、見回りらしいヴィオさんが通りかかる。

「お〜。コーヤ君もここに来ていたんだ。」

「ヴィオさん。こんにちは。呼ばれたんですか?」

「そう。闘技場専属部隊が無いから、
数カ所の街の騎士団から20人前後、招集がかかったんだよ。」

「確かに、防衛部隊いませんからね。ちょっと、こちらの剣を見て下さい。」

ヴィオさんにも、アスハさんの剣を見て貰う。

「へぇ〜。なかなかに技術力が高いねぇ。なるほど。
最近、フィンテルも発展して、人材不足だから良いかも知れない。」

「僕よりも、ヴィオさんの方が話がスムーズに行きそうなので、お願い出来ますか?」

「了解した。え〜と、アスハさんだっけ?僕はフィンテル騎士団で団長をしているヴィオだ。
君さえ良ければ、鍛冶職人へ紹介するし、サポートもしよう。どうかな?」

「え!?そんな。本当に良いんですか?」

アスハさんは、突然の話にびっくりしている。

「ああ。僕達もアスハさんのような有望な人材が来てくれると助かる。」

「あの!お願いします!」

立ち上がって、深々と頭を下げた。

「よろしく。闘技場の中に各街の騎士団員がいる詰め所があるから、
用事が終わったら、そこに来て欲しい。
フィンテル騎士団団長ヴィオの紹介と言えば通してくれるから。」

「分かりました。ありがとうございます。(頭を下げる)」

「じゃあ、僕は見廻りに戻る・・・。」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁー!!!」

悲鳴がフリースペースにも近い、闘技場外壁出入り口付近で聞こえた。

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