「お・終わったぁーーーーー!」
「勝ったーーーーーーーー!」
周りから歓声が聞こえる。
「コーヤ様。助かりました。ありがとうございました。(頭を下げる)」
ソアリスさんは、ボロボロの体を引きずりながら、僕のところまで来た。
「想定通りに事が運んで良かったです。
相手は、ソアリスさんに意識が向いていたので、準備を簡単に出来ましたから。」
「コーヤよ。改めて礼を言わせてくれ。ありがとう。(頭を下げる)」
国王様も合流した。
「本当にね。死ぬかと思ったよ。」
「ああ。俺も、死を覚悟したが。それにしても、最後の高出力攻撃はなんだ?」
そこに、ヴィオさんとルクウェルさんが合流した。
「はい。あれは、すごい威力で、びっくりしました。」
ソアリスさんは、発射した時の威力を思い出しているようだ。
「あれは(苦笑)。昨日の夜に思い付いて、徹夜して取り付けた機能です。
まぁ。その寝不足のせいで寝過ごしたんですが・・・。」
「なるほどのう。おかげで、街も軽度の損害を出しただけで済んで良かった。」
「しかし。コーヤ様。せっかくの武器も壊れてしまいました。すみません。」
ソアリスさんは、せっかくの武器を壊してしまい、しゅんとなっている。
「まぁ。魔王の半身を吹き飛ばすだけの力ですから、壊れて当然ですよ。(剣を受け取る)
一応は、自動修復付けてはいますけど、どうやら、完全修復まで1年近くかかるようですね。」
「どうしましょう。これで、使える武器がなくなってしまいました。」
「大丈夫ですよ。これを使って下さい。(剣を渡す)」
「これは?」
「今回の様に、変形するわけでは無いですけど、耐久度が高いので、長く使えると思います。」
「ありがとうございます!」
「さて。コーヤよ。
変形武器に関して聞きたい事があるから、時間のある時で良いから、王宮へ来てくれ。」
「分かりました。過去の技術ですから、後々、話そうとは思っていましたから。」
「ルクウェルよ!勝鬨を上げよ!
そして、戦った者達を祝ってあげてくれ。費用は我々からも出そう。」
「はっ!ありがとうございます!コーヤ。皆に見えるようにディスプレイを出してくれ。」
「分かりました。(ディスプレイを出し、ドローンを飛ばした)」
街中に画面が現れ、驚きの表情で見ている。
「俺はフィンテル冒険者ギルドのマスターをしているルクウェルだ。
今回の魔王襲撃を一緒に戦ってくれて感謝する!
皆のおかげで、全滅しか無かった未来を変える事が出来た!
勝利を祝して、冒険者ギルドで祝杯を上げる事になった。
魔王に勝った勝利の美酒を皆で分かち合おうではないか!」
街中から、歓声が湧き踊る。
次に国王様が話し始める。
「皆の者!わしは国王じゃ!今回の勝利は、皆が一致団結した結果だと思っている。
そこで、全員には無理じゃが、活躍した者には、褒美をやろう。
日時は、後に発表する。今日は、大勝利に酔ってくれ!」
国王様の話が終わると、「お〜!」と言う地響きが起こった。
「では、我々は、各地の被害状況を確認せねばな。あとは、よろしく頼む。」
「はっ!お任せを!」
国王様達は、馬車に乗り込み、南から出て、北上する遠回りルートで、王宮へ帰って行った。
ヴィオさんが近付いて来た。
「コーヤ君。お疲れ様。おかげで団員が欠ける事なく、生き残れたよ。」
「それは良かったです。そうだ。この武器をどうぞ。(武器を渡す)」
「これは?」
「変形機構が見つかる前に作った物で、単体での耐久度はダンジョン産武器を超えています。
ただ、変形機構にすると全体的に耐久度が下がるみたいですね。」
「貰っちゃって良いのかい?」
「ええ。国王様の周りは激戦区だったようですし、
今の武器は、そろそろ限界では無いかと思ったので。」
「それは、ありがたい。確かに、ひび割れもあって、いつ壊れるかと思っていたんだよ。」
「ちょうど良かったですね。こちらを、ルクウェルさんに渡して貰っても良いですか?」
「これも、同じ物なのかい?」
「はい。僕・ユヅキちゃん・ヴィオさん・ルクウェルさん・ソアリスさんの5人分を、
拠点の鍛冶場が完成して、試行錯誤して作り上げたのがそれです。」
「そうか。ありがとう。助かるよ。こっちの剣はルクウェルに渡しておこう。
それじゃあ、僕達も詰め所が気になるから戻るよ。」
「はい。お疲れ様でした。」
ヴィオさんが騎士団の元へ戻ると、ミュウちゃん達がやって来た。