最終更新日 2022/06/05

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56話 フィンテル防衛戦・勝利

「お・終わったぁーーーーー!」

「勝ったーーーーーーーー!」

周りから歓声が聞こえる。

「コーヤ様。助かりました。ありがとうございました。(頭を下げる)」

ソアリスさんは、ボロボロの体を引きずりながら、僕のところまで来た。

「想定通りに事が運んで良かったです。

相手は、ソアリスさんに意識が向いていたので、準備を簡単に出来ましたから。」

「コーヤよ。改めて礼を言わせてくれ。ありがとう。(頭を下げる)」

国王様も合流した。

「本当にね。死ぬかと思ったよ。」

「ああ。俺も、死を覚悟したが。それにしても、最後の高出力攻撃はなんだ?」

そこに、ヴィオさんとルクウェルさんが合流した。

「はい。あれは、すごい威力で、びっくりしました。」

ソアリスさんは、発射した時の威力を思い出しているようだ。

「あれは(苦笑)。昨日の夜に思い付いて、徹夜して取り付けた機能です。
まぁ。その寝不足のせいで寝過ごしたんですが・・・。」

「なるほどのう。おかげで、街も軽度の損害を出しただけで済んで良かった。」

「しかし。コーヤ様。せっかくの武器も壊れてしまいました。すみません。」

ソアリスさんは、せっかくの武器を壊してしまい、しゅんとなっている。

「まぁ。魔王の半身を吹き飛ばすだけの力ですから、壊れて当然ですよ。(剣を受け取る)
一応は、自動修復付けてはいますけど、どうやら、完全修復まで1年近くかかるようですね。」

「どうしましょう。これで、使える武器がなくなってしまいました。」

「大丈夫ですよ。これを使って下さい。(剣を渡す)」

「これは?」

「今回の様に、変形するわけでは無いですけど、耐久度が高いので、長く使えると思います。」

「ありがとうございます!」

「さて。コーヤよ。

変形武器に関して聞きたい事があるから、時間のある時で良いから、王宮へ来てくれ。」

「分かりました。過去の技術ですから、後々、話そうとは思っていましたから。」

「ルクウェルよ!勝鬨を上げよ!

そして、戦った者達を祝ってあげてくれ。費用は我々からも出そう。」

「はっ!ありがとうございます!コーヤ。皆に見えるようにディスプレイを出してくれ。」

「分かりました。(ディスプレイを出し、ドローンを飛ばした)」

街中に画面が現れ、驚きの表情で見ている。

「俺はフィンテル冒険者ギルドのマスターをしているルクウェルだ。

今回の魔王襲撃を一緒に戦ってくれて感謝する!

皆のおかげで、全滅しか無かった未来を変える事が出来た!

勝利を祝して、冒険者ギルドで祝杯を上げる事になった。

魔王に勝った勝利の美酒を皆で分かち合おうではないか!」

街中から、歓声が湧き踊る。

次に国王様が話し始める。

「皆の者!わしは国王じゃ!今回の勝利は、皆が一致団結した結果だと思っている。

そこで、全員には無理じゃが、活躍した者には、褒美をやろう。

日時は、後に発表する。今日は、大勝利に酔ってくれ!」

国王様の話が終わると、「お〜!」と言う地響きが起こった。

「では、我々は、各地の被害状況を確認せねばな。あとは、よろしく頼む。」

「はっ!お任せを!」

国王様達は、馬車に乗り込み、南から出て、北上する遠回りルートで、王宮へ帰って行った。

ヴィオさんが近付いて来た。

「コーヤ君。お疲れ様。おかげで団員が欠ける事なく、生き残れたよ。」

「それは良かったです。そうだ。この武器をどうぞ。(武器を渡す)」

「これは?」

「変形機構が見つかる前に作った物で、単体での耐久度はダンジョン産武器を超えています。
ただ、変形機構にすると全体的に耐久度が下がるみたいですね。」

「貰っちゃって良いのかい?」

「ええ。国王様の周りは激戦区だったようですし、
今の武器は、そろそろ限界では無いかと思ったので。」

「それは、ありがたい。確かに、ひび割れもあって、いつ壊れるかと思っていたんだよ。」

「ちょうど良かったですね。こちらを、ルクウェルさんに渡して貰っても良いですか?」

「これも、同じ物なのかい?」

「はい。僕・ユヅキちゃん・ヴィオさん・ルクウェルさん・ソアリスさんの5人分を、
拠点の鍛冶場が完成して、試行錯誤して作り上げたのがそれです。」

「そうか。ありがとう。助かるよ。こっちの剣はルクウェルに渡しておこう。
それじゃあ、僕達も詰め所が気になるから戻るよ。」

「はい。お疲れ様でした。」

ヴィオさんが騎士団の元へ戻ると、ミュウちゃん達がやって来た。

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