最終更新日 2022/06/05

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53話 フィンテル防衛戦・前編

9月18日(日曜日)

今日は、「防衛戦」というイベントの日。

このイベントは、戦う場所を決めて、魔物が大発生して、襲撃するので、
制限時間一杯、持ち堪えれば成功となっている。

告知は、2週間前の9月4日(日曜日)。

その為、依頼されていた、映像魔法〈ディスプレイ〉と100個の撮影機〈ドローン〉を
今月7日に納品を完了した。

多すぎると思って、ユカリさんに渡していない分を使用して、
コツコツと作業を行って、イベントで使う装備作りと並行して終わらせる事が出来た。

当然、担当者へのレクチャーも終わらせ、
報酬として、ドローン込みで1台金貨1枚、計金貨100枚を貰った。

レクチャー代は、色々とお世話になっている為、無しにした。

先週貰った、オークションの売却益を考えれば、サービスにして良かったと思う。

それとフィンテルでは、修練の間周辺を、ソアリスさん主導で現地調査が行われ、
現フィンテル領主と連携し、2週間程で宿屋などの店を誘致し、建設ラッシュに沸いている。

今後、大いに賑わうだろう。

午前8時

今回は初めての防衛戦と言う事で、ログインしていれば、参加扱いになる。

僕達は急遽取り入れた機能を、朝から入念なチェックをしていた。

「よし。袋に必要な物は入れたし、時間までゆっくりしていようか。」

「そうですね。急遽作った物もあってバタバタしてましたし。眠たいです。(あくび)」

「ははは(苦笑)僕も眠ってしまいそうだ。ふぁぁ。仮眠でも取ろうか。」

「ですね。」

この時は、仮眠のつもりだったけど、
知らないうちに疲れが溜まっていて、熟睡してしまった。

一方、各パーティーは・・・。

ミュウとシエルSIDE:

「ねぇねぇ。シエル。お兄ちゃんいつ頃来ると思う?」

「うーん。後半に入ってからじゃない?」

「えー!もう少し早くならない?」

「無理だと思う。今日の為に何か作っていたら、
それに集中しすぎて、忘れているかも知れないから。」

「あ〜。それは、あるかもねぇ。
じゃあ、お兄ちゃん来るまで全滅しないように頑張らないとね。」

「うん。お兄ちゃんが来れば、良い方向に行くと思うから、それまで持ち堪えればいい。」

牧ノ原姉妹SIDE:

「うーん。結構、多くの人が参加するんだね。初めてのイベントだから、ドキドキだよ。」

「今まで、ここまで大きなイベント無かったから、みんな、張り切ってるね!」

「でも、こんな後方で良いの?」

「うん。まだ、お姉ちゃん、戦闘になれていないし、魔法で支援するほうが良いかなって。
それに、前線は大混戦になるし、お姉ちゃんの今の装備だと、すぐに死に戻りしちゃうし。」

「え、そうなんだ。出来るだけやられない様に頑張るよ!」

アカネパーティーSIDE:

「お〜!みんな、張り切っているねぇ♪」

「大規模戦って、今まで無かったからね。
それにしても、さすがに、魔王が来る事は無いわよね?
もし、魔王が当たったら全滅よ?」

「どうだろうねぇ。可能性はゼロじゃ無いし。で、コーヤ君はどこだろう?(周りを見渡す)」

「どうやら、まだ、拠点みたいよ。(フレンドの位置を確認しながら)」

「と言う事は、前半は来ないのかな?」

イベント開始時間になると、上空からAIの天使が降りて来て、ルールを表示した。

《たくさんの参加ありがとうございます。時間になりましたので、
イベント防衛戦を開始したいと思いますが、まず、改めてルールの説明を致します。》

ルール:

時間:実時間で午前10時〜午後1時の3時間

勝利条件:

1:ランダムで国王が登場するので守り抜く事

2:制限時間終了まで拠点を守り抜く事

※国王がいない場合は拠点の防衛のみ

敗北条件:

国王が殺害されるか全滅した時点で敗北

※敗北した拠点(街や村)は復興に力を入れる為に、発展度が下がります。

ポイント:

一般魔物:1〜50ポイント(弱い魔物と強い魔物がいる為)

小隊長:100ポイント

中隊長:500ポイント

魔将軍:1000ポイント

魔王:1万ポイント(残り時間30分切ると1割の確立で登場)

国王守護成功:3万ポイント

魔王襲来し国王守護成功:6万ポイント

《では、これより第一回防衛戦を始めたいと思います。今から5分後に魔物の大群が来ます。

皆さんは、戦う準備をお願いします。》


ミュウとシエルSIDE:

「5分後かぁ。少し、余裕があるね。」

「あとは位置取りをどうするか。」

「私達は、前線から溢れて来た魔物を片付ければ良いと思うから、
もう少し前に移動しましょう。」

「あとは、国王様がどの街に現れるかだよね。魔物だけを相手に出来れば楽なんだけど。」

「でも、その場合、ポイント低いよ?」

「そっかぁ!う〜ん、悩ましい。」

《5分経過しました。魔物が押し寄せます。》

「来るみたいだね。みんな!準備は良い?」

「(メンバー全員)大丈夫!」

「うん、今までの成果を試す時。」

牧ノ原姉妹SIDE:

「なんか、この、待ち時間が嫌だね。」

「まぁ。私達みたいに最初から準備が出来ている人は、待ち時間になるよね。

でも、パーティーで配置を変えたりするところもあるから、
そういうところは助かっているんじゃない?」

「なるほど。そうかもね。ても、ごめんね。あくあに負担かけて。」

「気にしない♪気にしない♪そもそも、一緒に遊ぼうって誘ったのは私だし、
お姉ちゃんは機器だって誕生日になって貰ったんだから、今更だよ。

それよりも、お姉ちゃんは始めてのイベントなんだから、いっぱい楽しんでよ?」

「うん。ありがとう。楽しむよ。」

《5分経過しました。魔物が押し寄せます。》

「(戦闘の音が聞こえて来る)前線で口火が切られたようだね。」

「(うずうず)」

「(微笑み)」

こうして、防衛戦というイベントが始まった。

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