「さて、これから、どうしようかなぁ。土砂回収率は3割弱。
ユヅキちゃんもダンジョン産装備品で武装出来たし、魔石で成長出来た。
あ〜、そう言えば、創った魔法の実戦での検証してなかったな。」
「そうですね。確か、3分から5分しか持続しないんですよね?」
「魔石で魔力上げたんだけど。何が悪いのか?」
僕達2人は、5日目から6日目の昨日まで、スキルの検証と魔法の創作と実験を主にしていた。
空いた時間に、神殿のダンジョンに潜り、宝箱と魔石の回収に励んだ。
空間スキルの検証だけど、結果としては、自分で作った魔法袋は解除が簡単だが、
他人が作った魔法袋は、解除する事は相当難しかった。
でも、これにより、もう少し、セキュリティをしっかり確立出来れば、
色々と応用が出来そうだ。
あと、魔法を2つ創作した。
直接、前衛に魔法を発動させて、
攻撃に使用する部位の力を底上げし、ダメージを増やす。
実験はして見たが、他人へは使用していないので、要検証。
後衛支援こちらは後衛の力を底上げし、前衛に有利な支援させる(要検証)。
次に、2人の力を上げる為に、神殿のダンジョンに潜り、宝箱と魔石を回収。
1日目は2時間程潜り、地下20階まで、宝箱は約200個、魔石は小2を約100個を獲得。
2日目の昨日は、創作魔法の検証もあり、休みながら6時間潜った。
ユヅキちゃんも戦闘に慣れて来て、地下70階を攻略して終了。
収穫は、宝箱約700個、魔石は小2を約300個、
小4を約200個、中2を約150個、大1を20個だった。
このゲームは、ステータスは存在しないが、体力と魔力を魔石で上げる事が出来るので、
休憩の間に、魔石から経験値を獲得して体力と魔力を上げた。
現在、僕は、体力が8000、魔力が15000。ユヅキちゃんは、体力が10000、魔力は8000。
「お〜!ここが最下層で、あれが、魔獣ケルベロスかぁ。」
「封印されていても、圧がすごいですね。以前なら、この圧だけで倒されていました。」
「1週間で残り4割弱か。微妙だなぁ。」
ユヅキちゃんは、攻撃しているパーティーを探す。
「コーヤさん。今から3つ首の1つを斬ろうとしているパーティーがいます。
創作魔法《ダメージブースト》の検証に良さそうですよ?」
「確かに。よし。ターゲットロック。ダメージブースト発動。」
タイミング良く、女性プレイヤーがケルベロスの首に、剣を差し込む時に発動し、
苦労していたのが嘘なくらいに、あっさり、3つ首の1つは一刀両断された。
「お。上手く行ったみたいだ。さて、魔力も危なくなって来たし帰ろう。」
後ろでは、首の1つを切り落としたプレイヤーに、おめでとうの言葉がかけられていた。
その後、拠点で休憩し、
海の街アクセリアの近くにある誘拐犯達の逃亡先を調べた。
その場所まで行って見ると、古ぼけて傷んでいる二階建ての洋館を発見。
慎重に探索するが、人がいないようで、20個近くある部屋を調べて行く。
調べるが隠し通路や隠し部屋は無く、
部屋にも鑑定して重要な品が無く、残すは地下室となった。
「やっぱり、こういう大きな建物には、地下室は付き物だよね。」
僕達は、地下室に降りると、数個の部屋が並ぶ通路に出た。
数えてみると、地下室の部屋は6個あり、一つは八畳程の食料庫、
一つは12畳程の装備品の倉庫。
この2つの倉庫は、階段に近い場所に向かい合うようにあった。
他の部屋は、食料庫の奥に2つ、装備品倉庫の奥に一つ、通路の終わりに一つあった。
通路の終わりにある部屋以外は、書類置き場として使われていた様で、
現在は、その書類も風化して痕跡は、置かれていたであろう跡のみだった。
そして、最後の部屋は、倉庫の管理人が使用していた部屋のようだ。
ここにあった書類や机なども風化し、部屋はガランとしているが、
この部屋の物置には、誘拐犯達が置いたと思われる木の箱があった。
「コーヤさん。どうやら、これが犯人達が移動させた品らしいですね。」
「うん。そのようだ。罠は無しっと。開けて見よう。」
開けて見ると、魔法袋(中)一つがあった。
「まぁ、当然か。じゃぁ。確認はヴィオさんと一緒にしよう。」
洋館を出て、夕方にフィンテルに戻って来て、騎士団詰め所に来た。
「やぁ。コーヤ君。助かったよ。それで、中身はまだ?」
「はい。僕達では判断出来ない物もあるかも知れませんから。」
「なるほど。じゃぁ。袋の中身を見てみよう。」
魔法袋はセキュリティの設定をしていなかったようで、簡単に開ける事が出来た。
中身には、過去の犯罪に関する書類と、今回の誘拐に関する依頼書があった。
他には、奪ったと思われる一般の装備品やポーションなどのアイテムが入っていた。
「いやぁ。この過去の犯罪の書類があれば、多くの不正を正す事が出来そうだ。
それと、コーヤ君が欲しいアイテムがあれば持って行ってよ。」
「良いんですか?」
「以前にも話したと思うけど、僕達が持っていても宝の持ち腐れだからね。
コーヤ君なら有効活用出来るだろう?」
「では、お言葉に甘えて。」
僕は一つずつ鑑定して、有用なアイテムを探した。
僕が選んだ品は以下の通りだ。
薄汚れた〈全魔法大辞典〉、多くの種類の紙のレシピ、魔法紙10枚、空魔法袋(小)2枚
この後、宿屋に戻ってログアウトした。