最終更新日 2022/06/05

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22話 ダンジョン産装備品

8月3日(水曜日)

次の日、イベント開始から4日目。

冒険者ギルドの空き部屋を借りて、宝箱の開封作業を行った。

ただ、残念なのは、自分達より先に宝箱を手に入れて、誰かが、
冒険者ギルドに報告されていた為に、宝箱入手したと言っても、全然驚かれなかった事。

誰なんだろうか?

レイドボス有効装備品箱と消耗品箱の個数は、全員のを合わせると283個あった。

消耗品は、体力回復・魔力回復・各種状態異常回復・生産加速がランダムで手に入り、
足りないのもあったから大助かり。

装備品の方は、想像を超えていた。

「ねぇ。こんな装備品でないと、あの魔獣倒せないの?」

「のようね。うちらが持っている装備品でダメージ入らないのは納得。」

「うん。店とかで買おうとしたら、どれだけかかるんだろうね。」

「でも。これって、わたし達の袋に入らないよね?」

「あ〜〜〜!これだけの量だもんね。売る?」

「それしかなさそう。区分けして、1番効果のある物を装備しよう。
そして、予備も分けて、本当に使わない物から売りに出そう。
上手く行けば、魔法袋(中)を買えるかも。」

「うん!そうしよう!」

受け付けのお姉さんに相談すると、ギルドで使っている魔法袋(大)を貸してくれた。

「え!?良いんですか?こんな、貴重な物借りて。」

「ギルマスとも相談してね、誰にでも貸すわけではないけど、
あなた達なら問題ないと思うから。」

「ありがとうございます!!すぐに返しに来るので、少しの間お借りします!」

私達は、運良く袋を借りる事が出来たので、全て袋に入れて、まずは武器屋に来た。

「すみません!!武器売りたいんですけど、良いですか?」

「お〜、いらっしゃい。何を売ってくれるんだ?」

「多いので、まずは、これだけを。」

受け付けカウンターに置けるだけ、とりあえず置いて、査定して貰った。

「(鑑定しながら)おい。お前達。これをどこで手に入れた?」

「これは、ダンジョン産ですよ♪」

「ダンジョンって。神殿の地下のだろ?確か、誰も見た事がないって筈だが・・・。」

「ええ。私達も最初はそう思っていたんですが、探して見るとあったんです。
それで、まだ、あるんですけど、金額はどれくらいになりそうですか?」

「ちょっと、待て!こんな高価な物はこの店じゃ買い取れねぇ。」

「ええぇ〜!嘘でしょ。」

「本当だ。嘘じゃない。これだけの特殊能力が付与されているんだ、
最低でも金貨3枚以上になっちまう。そんな金は無いんだよ。」

「はぁぁぁ。そんなぁ。」

私達の話を聞いたからなのか、冒険者の女性パーティーが近付いて来た。

「ねぇねぇ。じゃあさ。私達に売ってくれない?ダメ?かな。」

この人達が買ってくれるみたいだけど・・・。

「え?別に構いませんけど。ただ、こちらは正規の値段が分からないので。」

「それじゃあ。武器屋の親父さんに査定して貰った金額を払うのでどう?」

「良いんですか?わたし達はそれで別に構わないですけど。」

「ありがとう!!ふっふっふっ!これで、イベントも前に進めそう!」

「おいおい!独占するつもりか!俺達にも買わせてくれ!!」

近くにいた、冒険者達が押し寄せて来た。

「分かった!分かった!俺が査定するから。で、嬢ちゃん達、売る品はどれだけあるんだ?」

「え〜と、約200個かな?ねぇ?」

「うん。確か、そのくらい。」

「ようし!約200個程装備品があるらしい!嬢ちゃん達に迷惑かけずに買うんだ!いいな!」

「お〜〜〜〜〜!!!!!」

最初は、少ない人数だった売却も、話を聞きつけて来た冒険者で店があふれ、
人数が多いという事で、噴水広場に場所を移し、オークション形式での落札に変更された。

最終的に、私達の売上は金貨で800枚にもなった。

「ははは(苦笑)すごかったね。こんなになるなんて。」

「本当。でも、これで、活動しやすくなった。」

「ねぇねぇ。早く、ダンジョン産装備品の効果確かめに行こうよ!」

ダンジョン産装備品の効力は凄まじく、今まで、ダメージが100程度しか出なかったのが、
平均1万を超える値を出す事が出来た。

「行ける!行けるよ!この装備があれば、今までの遅れを取り戻せるよ!」

「確かにね。後は、宝箱回収しながら。足りない装備を見つける事だね。」

「うん。敵の体力は4日目後半になったのに、まだ、1割しか削れていない。
期限までに倒せるかは微妙かも。」

「シエル!大丈夫だよ!だって、まだまだ、夏休み中なんだから!!」

「ははは(笑)ミュウらしい。少々の無茶は出来るから、なんとか、挽回しないとね。」

この後、ダンジョン産装備品の話はどんどん広がり、ダメージが入らないと
魔獣討伐をリタイアした人達が、戻って来た事によって、魔獣の体力は削られて行った。

その中で、私達も装備を揃えつつ、ポイントを着実に加算して行った。

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