最終更新日 2022/06/05

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128話 持ち物整理4-2

4月9日(水曜日)

午後8時

鑑定不能アイテム

アカネさん達の元拠点のランクアップさせた報酬として、
鱗・指輪・剣・槍・盾を取り出し、改めて鑑定してみる。

「あの頃は、まだ、鑑定のレベルが低かったけど、今なら何か分かるかも。」

鑑定してみると、驚きの事実が分かった。

”獣人の落とし物”と出たのだ。

解析と分析を使い、詳しく調べると、
フォルセニア王国の建国時には、国中に多くの獣人が住んでいたらしい。

大都市などにも住んでいて、店を持ったりして、国民とも良好の関係を築き生活していたが、
200年前の巨大地震で、国民の態度が変わってしまったとある。

どうも、巨大地震を獣人が引き起こしたという噂が拡散されたようだ。

当然、見に覚えのない獣人は、説得するも聞き入れてもらえず、
ある獣人は、討伐対象になったとも書かれている。

そうして、徐々にフォルセニア王国から、獣人が完全に居なくなった。

「なるほど。移動もしくは逃げている間に落としたのか。」

解析・分析では、西に移動したとあるが、地名までは書かれていなかった。

また、鱗・指輪・剣・槍・盾の5点は、耐久力がほぼ無いことが判明した。

世界樹劣化版

「う〜ん、後は、ずっと放置していた世界樹劣化版の状態でも見るか。

その後に、魔力木テミアンの種でも植えてみよう。」

リンネさんがログインして来た。

「水晶(コーヤ)君、こんばんわ。裏庭に行くの?」

「リンネさん、こんばんわ。

うん、ほら、クラン対抗戦の前に植えた世界樹劣化版を放置していて、
見ていないから、確認しようと思って。」

「確認していなかったの?」

「ははは(苦笑)そうなんだよね。

作れたいものがあったから、そこに集中しちゃって。」

雑談しながら、裏庭に到着すると、世界樹劣化版は、第一進化を始めようとしていた。

「光っている?なんで?変化するかな?」

考えている間にも、光が強くなり、上空へと弾け飛んだ。

「(上を見上げて)これは、また、一気に成長したなぁ。

(鑑定)ふむふむ。どうやら、この後、4回成長するのか。」

鑑定で見ると、以下の結果が出た。

1段階:1メートルまでは普通に成長し、進化で3メートルまで伸びる。

2段階:近くの魔力を吸収し、進化により地下5メートルにまで根が到達。

3段階:近くの魔力を吸収し、進化により地下20メートルにまで根が到達し固定。

4段階:近くの魔力を吸収し、
    進化により木全体に魔力が巡り、葉などに魔力が蓄えられて行く。

最終形:蓄えた魔力の熟成期間が終わると進化し、完全体となる。

※注意事項

なお、必要な魔力量が足りない場合、徐々に枯れて行き、種に戻る。

また、4段階目以前は、素材に使っても普通の木の効果のみとなり、
進化後は、魔力の貯蓄量によって、効果が変化する。

あと、完全体の素材は、世界樹完全版の半分の効果を有する。

「う〜ん。これは、大量の魔力が必要になりそうだ。」

「そんなに?」

「うん。

根を地下20mまで伸ばしたり、木全体に蓄えるから、
なにか、手を考える必要がありそうだね。」

「どうするの?」

「魔力木テミアンの種を周りに植えてみようかなって。」

「ああ。確かに、テミアンなら周りの魔力を集めるから、
その集めた魔力を、世界樹劣化版が吸収すれば回りそうだね。」

このあと、2人で魔力木テミアンの種20個を植えた。

グラベダド・バインド

一番古く、ずっと気になっていた、
魔法短杖《グディラビア》1本、魔法長杖《グラビティシノワ》4本を、
合成などで、性能を上げる事が出来ないか、調べてみる。

天空の島で入手した本の中に、失われた技法を使えば、
〈グラベダド・バインド〉という重力魔法に進化させる事が出来るとあった。

複雑な手順な事もあって、苦労したけれど、無事に進化させる事が出来た。

ちなみに、方法とは魔力紙に〈グディラビア〉と〈グラビティシノワ〉の魔法を移動し、
その魔力紙を、特殊な魔法陣を用いて合成するというものだ。

これにより、〈グラベダド・バインド〉が付与された魔力紙と、
長杖4本・短杖1本に分離することが出来、
杖は特殊な材料を使っていないので解体することにした。

瓦礫

グリーンドラゴンの巣穴で見つけた瓦礫を調べる事にした。

1つずつ鑑定しながら調べて行くと、石や風化して使えなくなった木、
風化した装備品の残骸がほとんどで、使えるのは少なかった。

ただ、弓の弦に攻撃力上昇の魔法が付与されたなど、再利用できるのもあった。

全て、仕分け終わり、分野別の魔法袋に入れる際に、
木に鳥の羽の一部と思われる物を発見し、鑑定すると”天使の羽”の一部と判明。

詳しく調べると、神族の天使族がグリーンドラゴンの巣穴の近くに住んでいたようだ。

ところが、グリーンドラゴンが現れたのと同時期に、
魔族が現れて戦闘になり、双方が甚大な被害が出た事により、
魔族は母国に帰り、天使族も復興する事が難しくなり、神界へと戻った。

「という事は、神族や天使族は、地上にそれなりの数いるのかも知れないな。」

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