最終更新日 2021/12/31

※Social Postage Stamps

コラム へようこそ Welcome to Column


倭國とは

解釈

10

旧唐書(部分抜粋)

1:

原文:倭國者、古倭奴國也。

解読:倭國者(は:短語)、古の倭奴国也

2:

原文:四面小島五十餘國皆附屬焉

解読:四面に小島、五十余国あり、皆附屬す。

3:

原文:其王姓阿毎氏

解読:其の王、姓は阿毎氏

4:

原文:衣服之制頗類新羅

解読:衣服の制は頗る新羅に類す

旧唐書
1:倭國者、古倭奴國也。

この「古(いにしえ)」はどこを指すのか?

後漢書の「倭奴國」と「倭國」の記事を見る限り、
同時期に存在している様に感じるが、どういう事なのだろうか?

2:四面小島五十餘國皆附屬焉

南朝鮮南岸には諸島群が多くあるので、納得できます。

これを列島と考えた場合、「四面」、
つまり見渡す限り小島がある場所を考えつきません。

3:其王 姓阿毎氏

古事記には、「天」を「阿麻(あま)」と書いています。

そして、「阿毎」も「あま」と読め、
今までの考察では、「天(あま)一族」の本家と考えています。

今後、「阿麻(あま)」と「阿毎(あま)」の
時代考証をしたいと思っています。

4:衣服之制頗類新羅

これは、衣服の制度が新羅と同じということは、
旧唐書の「倭國」は南朝鮮に存在していた証拠になりそうです。

もし、列島の場合、わざわざ、取り寄せる必要も無いです。

この記述の時代は、「新羅」の傘下だったのかも知れません。

まとめ

元々、母親を頂点とした「母系社会」、父親を頂点とした「父系社会」があり、
「倭」が女性主体を指すのなら、「倭人」は「母系社会」の中で発展したと思います。

それは、狩りや戦で男性が死ぬ確率が多かったからなのかも知れません、

「天(あま)一族」の「阿麻(あま)」と南朝鮮「倭國」の「阿毎氏」の繋がりが
あったのであれば、相互関係を築いていたと考えられます。

「倭人」は、元々大陸や南朝鮮で平和に暮らしていたが、
古代中国の勢力拡大等により、
南下して来た、「天(あま)一族」や「遊牧民」の「阿毎一族」と提携する事によって、
存続出来るようになったのだと思います。

南朝鮮の倭人

「阿毎一族」と提携し、「倭王」の座を渡し、
「阿毎一族」の技術力等により発展し、最終的に称号を得るまでになった。

しかし、その勢力を維持できずに、滅んでしまい、
その後、列島に移住したと思われます。

傍証として、「倭田中直」、「倭淹知造」などの「姓(かばね)」があり、
倭國の王族などが列島に帰化した際に与えられたのでしょう。

列島の倭人

確認できていませんが、「天(あま)一族」にも「倭人」は協力し、
その傘下に入る事で存続したと思われます。

「大倭豐秋津嶋」の名は一端だと思います。

古事記に記載されている事からして、
「倭」は「重要な名」だったのだと考えられます。

その他の倭人

ユーラシア大陸などに「倭人」は存在したが、
紆余曲折を経験し、単独で生き残る事が出来なかったのだと思います。

読み

読みに関してですが、古事記と日本書紀に「倭=やまと」の記載が無いので、
元々の「倭=わ」以外に使っていないのではないかと思っています。

なぜなら、後世の人が古事記を見て「倭=やまと」と判断するのは難しいでしょうし、
地名に用いた字が、違う意味に思われたら本意ではないと思うからです。

ただ、「倭=やまと」と当時の人々が読んでいたと仮定すると、
何かしらの理由が存在するわけですが、倭人が追われる立場になった時に、
故郷の景色からなのか、列島の景色からなのか分かりませんが、
読みを「わ→やまと」に切り替えたという可能性は捨てきれません。

漢字表記を改めずに、読みのみを改めても不思議ではないからです。

その場合、「倭」に強い執着心があると分かります。

倭族

過去のブログでは、「鳥越憲三郎」さんの「倭族」説を取り上げました。

倭人はその稲作と高床式建物を携え、雲南から各河川を通じて、
東アジア・東南アジアへ向けて広く移動分布した。

そうした文化的特質を共有する民族、つまり日本人と祖先を
同じくするものを鳥越は、「倭族」という新しい概念で捉えている。

参照12のサイトを見ると、上記の記述があり、少々考え方が異なりますが、
大枠では同意する内容となっています。

それに、鳥越憲三郎さんが倭族説でイメージしたと思われる地図を、
記事を書いた方が地図化した画像を見る事が出来ますが、
その中に、「南朝鮮」も含まれています。

とはいえ、「倭國とは」でした仮説に対する状況証拠が揃っていないので、
今後は、状況証拠を探す事になります。

参照12:日本人の起源ー鳥越憲三郎の倭族仮説とはどういう説か

Copyright © 水晶光矢 All Rights Reserved.