目次
次に成る神名、國之常立神(亦、常立の訓は上の如く)。次に豐雲野神。
此の二柱神、亦、獨り神(ひとりがみ)而(に)成りて坐り隱れる身也。
次に成る神名、宇比地邇神。次に妹須比智邇神。(此の二神の名は、音を以ってす。)
※次妹須比智邇(声注:去)神【此二神名以音】の「音」が、
「国宝真福寺本」では、「旁」に変わる。
次に角杙神。次に妹活杙神。(二柱)
次に意富斗能地神。次に妹大斗乃辨神。(此の二神の名は、亦、音を以ってす。)
次に淤母陀流神。次に妹阿夜訶志古泥神。(此の二神の名は、皆、音を以ってす。)
次に伊邪那岐神。次に妹伊邪那美神。(此の二神の名は、上の如く、亦、音を以ってす。)
※「伊邪那岐神」の「邪」が、「国宝真福寺本」では、抜けていて、
「妹伊邪那美神」の「邪」も「耶」に変わっている。今後も同様に置き換わる。
上の件、自ら國之常立神以下、伊邪那美神以前を并(あわ)せて神世七代と称える。
上の二柱獨り神(ひとりがみ)で各一代と云う。
次に雙(ならぶ)十神、各二神合わせて一代と云う也。
豐雲野神
この人物から、「声注」と言う発音に関する注記が入り、
「豐雲
上野神」と表記されています。
この人物もまた、多くの事が分かっていません。
ただ、参照2のサイトに
水蒸気の分子が組み合わされて、
いろいろな形の雲に現れてくるでしょう。
あのお空の雲の形を見ていると、いろいろ不思議な、
象の鼻みたいなものもあれば、豚みたいな恰好をしているのも
あるし、いろいろと雲の形が湧き出てくる。
と記載があり、「雨乞い」をイメージしました。
そこで、「豐雲野神」は農業に必要な天気を予想し、雨が降らなければ、
雨乞いのような事をする仕事をしていたのではないか?と考えました。
現代では、気象衛星で天気が予測出来るけど、古代ではそのような物は無いので、
もしかしたら、雨乞いで水蒸気から雲を作って、雨を降らしていたのかも知れません。
ちなみに、過去のブログでも、
「豊(豊葦原中國?)の野で雲を観察し天気を予想する」と書いてありました。
「豐雲野神」の一族は、やはり、戦いにおいても必要な「気象の変化を知る事」、
つまり、現代の「気象予報士」の役目を持っていたのではないか?と考えています。
この人名を祀っている神社は非常に少ないです。
多くの方は、「豐雲野神=豊斟渟尊」の図式が出来ていると思いますが、
「とよくもの」と「豊斟渟尊」読むのか、すごく疑問です。
詳しくは、日本書紀編で検証して行きたいと思います。
神社で祭神として祀っているのは、下記の3社となります。
「十二所神社」と「宮浦宮」は、選択した人名こそ違いますが、
主に古事記の表記を祭神名としています。
「荒橿神社」は、現在では「豊斟渟尊」を祭神としていますが、
参照3のサイトによると、
國常立命 豊雲野之命 阿夜訶志根命
『明治神社誌料』他
だった様で、現在の「國常立尊・國狹槌尊・豊斟渟尊」に変更されたのは、
明治以降と考える事が出来ますが、なぜ、変更したのでしょうか?
参照3:荒橿神社