最終更新日 2022/06/05

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109話 グリーンドラゴンの宝

クラン≪疾風雷≫拠点

「ふうう。ドラゴン倒せて、宝も手に入って、万々歳だな。
コーヤ、結局、あそこはなんだったんだ?」

「あの場所は、今から350年前の初心者訓練所。
罠だったり、鍵開けだったり、必要なスキルを取得できたり、当時は大盛況だったとあるね。

元々、あの場所を寝床にしていた魔物がいて、退治していたけど、
初心者でも倒せる程の強さだった事もあって、訓練所としたらしい。

ところが、300年前に、突然、あのグリーンドラゴンが、天井をぶち破って侵入して来た。

騎士団と冒険者で連携して、倒そうとするも、勝てなかった。という歴史がある場所。

ただ、魔法陣中級編があった場所は、200年前ぐらいに、部屋を見つけて、
誰かが封印したらしいけど、僕がおばあさんの紙で見た隠し場所は違うと思う。」

「なるほどね。だから、全ての階を調べても、目ぼしい物が無かったのね。
コーヤさん、さっそく、宝の解説お願いしても良い?」

オリエさんから頼まれたので、1つずつ取り出して、解説する事になった。

まとめたのが下記の通り。

旧通貨

400年前〜300年前頃まで使われていた旧通貨。

未分類の旧通貨100kg


装備

基本、騎士団・冒険者共に、鉄装備に魔法が付与され、強化されている。

300年前に冒険者が装備していた物が1000人分あり、
一部、ミスリルやアダマンタイトなど、貴重な鉱石を使用している。

騎士団が装備していた鉄装備3000人分。

他に、初心者が付けていたと思われる、鉄装備300人分。


アイテム

各種回復薬各9862個、爆弾115個、魔法札305枚、転移羽230枚、魔法書15冊、
魔法陣上級編3冊、日用雑貨1319個、魔法袋小508枚、魔法袋中356枚、
瓦礫100kg、開けられていない宝箱67個、魔法紙(魔法木テアミン樹脂使用)100枚

「なるほどな。俺達にとっては、旧通貨を買い取って貰えるくらいか。」

カイトは、他には興味が無いみたいだ。

「他はそうね。回復薬や魔法袋は良さそうよ。ユニはなにかある?」

「う〜ん、オリエが言った他は、わたし達では有効利用出来そうもないし、
コーヤさんへの報酬で良いんじゃないかな?」

その後の話し合いで、魔法袋小508枚、魔法袋中356枚、未分類の旧通貨100kg、
各種回復薬(僕が合成後に渡す)をカイト達が受け取り、他は僕が貰う事になった。

フィンテル冒険者ギルド支部

カイトが、第三エリアの冒険者ギルド支店に知り合いがいないと言うので、
フィンテル支部に移動して来た。

「コーヤ、久しぶりだな。話に聞くと、国の初期に使っていた通貨が見つかったらしいな?」

「ええ。まだ、未分類なんですが、この魔法袋に入れておきました。」

「カヤ、どうだ?」

ルクウェルさんが、隣に座っている、通貨に詳しい女性のカヤさんに話をふった。

「そうですね。(旧通貨を手に取って鑑定しながら)
ここにあるのは、400年前〜300年前頃まで使われていたと思われます。

この400年前は、建国して100年程でまだ、国として安定してません。

安定しだしたのは、現在、330年前頃と言われています。

これらから、通貨に使われる材料の分量が異なっていると言われています。

他にも、システムが異なっていて、研究者の間でも賛否が分かれています。」

「ほう。という事は、良い研究材料になるというわけか。買い取ると、どれ程になるそうだ?」

「全て見終わってから出ないと、判断できません。」

「ふむ。そうか。時間はかかりそうか?」

「そうですねぇ。2時間あれば大丈夫だと思います。」

「カイト、どうだ?」

ルクウェルさんが、カイトに聞く。

「それなら、無限袋作らない?」

「そうだな。二時間あるなら、その方が良さそうだ。」

こうして、2時間後に集まる事になった。

2時間後

フィンテル支部の応接室に、再び集まった。

「結果はカヤから頼む。」

「分かりました。全ての通貨を調べました。その結果が、机に袋に入れて置いてあります。

皆さんから見て、左が一番古く、右が一番新しいのになります。

見て貰うと分かる通り、右に行くに連れて、袋が大きくなっています。

詳しく調べると、一番左の年代が403年前、一番右の年代が309年前でした。

403年前の通貨の発掘は、ほぼ皆無と言っていい程、見つかっていません。

309年前の通貨の発掘は、最近になって多くなっていますが、まだまだ、数は少ないです。

これらから、支部が買い取る場合、黒金貨100枚以上を考える必要があります。」

「なっ!!そこまでか!?」

ルクウェルさんがすごくびっくりしている。

「当然です。特に403年前のだけの値段ですので、
他のも合わされば、ミスリル金貨程まで行くかも知れません。」

「そうか。そうなると、支部で買い取るのは無理か。」

ルクウェルさんが、神妙な顔で唸っているので、提案してみた。

「じゃぁ。王宮で全て、買い取って貰えばどうですか?」

「確かに、それは出来るかも知れないが、
金額がすごいから、王宮側も首を縦に振るかどうか。」

「研究家に貸し出せば良いのです。複製して。
予め複製品として貸し出せば、研究家が多く借りたいと思うのではないですか?」

「なるほどな。それであれば、大丈夫かもしれん。」

カイトの方を向く。

「カイト。どうだ?一時的に俺に預けてくれんか?
王宮が買い取ってくれれば、連絡して、お金を渡そう。」

「俺は構いないぞ。どのみち、ここまで大事になれば、すぐに換金は無理だろう。」

「良し。早速、王宮に掛け合ってくる。」

ルクウェルさんは応接室を飛び出していった。

その後、僕の提案が採用され、公表されると、研究家が王宮に殺到し、
レンタル料金だけで、3分の1を回収出来たと、ソアリスさんから聞いた。

ちなみに金額は、黒金貨524枚になった様だ。

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