12月20日(金曜日)
新素材を見つけてから、3日経過し、その間、物理型とバランス型の武器を、
新素材を使って作っていた。
内蔵されている魔宝石に、敵から吸収した魔力を蓄積。
その蓄積した魔力を、自分がイメージした武器形態で開放し、大技を出す事が出来る。
それと、自分の魔力を魔宝石に蓄積する事も可能で、複数回大技を出せるが、
蓄積スピードが、徐々に落ちて行く。
あとは、いつも通りに、魔法陣などで強化。
物理型の武器をメインにして、変形武器とした。
銃での大技と、物理武器での大技、どちらも選べるが、
使わなかった方の魔力は霧散する。
こちらも、いつも通りに、魔法陣などで強化。
そして、現在、カイトパーティーと第四エリアボスの領域手前に来ている。
「おー!やっと、第五エリアに行けるぜ!」
「カイト!ボスを倒してからよ。
コーヤさんも、言っていたけど、試作品で上手く行くか分からないんだから。」
「オリエ。コーヤが作ったんだ。それは、大丈夫だろう。」
「まぁ。僕は、ここでのんびり、みんなの動きを観察させて貰うよ。」
「ああ!コーヤ!勝利を見せてやる!」
「ははは(苦笑)今日のカイトは、何を言ってもダメらしいね。
でも、コーヤ君。カイトの話だと、一人分の試作品と言っていたけど、
5人分用意してもらって大丈夫かい?」
ライアさんが、気になっているようだ。
「大丈夫ですよ。カイトからメンバーが使っている武器については聞いていますから。
ただ、申し訳ないですが、杖と弓に関しては、以前の武器に強化しただけになってしまって。
こちらも、色々と実験したかったんですけどね。(苦笑)」
「え!?という事は、杖と弓も同じ方法が使えると?」
「ええ。可能性がありますね。
それが出来れば、魔力伝導率が上がって、威力も上がるかも知れません。」
「そう。それは、今後の楽しみにして。今日は、カイトとライアに頑張ってもらうわ。」
この後、戦いを開始した。
序盤・中盤と連携技を駆使して、エリアボスから体力を削って行く。
「オリエ!敵は、体力4割だ。何かして来そうか!?」
「今は大丈夫そうよ。アカネちゃんから聞いたけど、1割切るくらいまでは、大丈夫だって。」
「良し!じゃぁ。敵が大技出す前に倒すぞ!」
「(メンバー)おー!!!」
終盤
「ふう。あともう少しで体力が2割になるか。ここまで、出来たのは初めてだ。」
「本当だよね!弓もすごく使いやすいし、技が出しやすい!」
「私も同じ意見ね。あ!大技来るわよ!ライア!」
「了解!防壁!」
ライアが、防壁を発動すると、パーティーの周りに石壁が出現し、
数秒遅れて、ボスの大技が発動し、石壁に大ダメージが入り、消滅してしまう。
しかし、目隠しを目的とした行動なため、石壁の後ろには、カイト達はいなかった。
エリアボスが大技を出し終わったタイミングで、裏に廻ったカイト達は一斉攻撃を開始。
攻撃の勢いに逆らう事が出来ずに、体力を減らしていき、2分程で力尽きてしまう。
第四エリアボス撃破が表示されると、カイトは右腕を空へと突き出す。
「よっしゃぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!!!!」
「ふうう。本当に勝てたわね。」
「ああ。僕が使った大盾も、重さが軽減されているし、今までよりも威力が強かった。
なにより、使っていて、気持ちよかったな。
この武器なら、第五エリアでも、良いところまで行くかも知れないな。」
「ほんとう♪ほんとう♪さて、コーヤさんのところに戻ろうよ。
第五エリアはその後でも良いでしょ、オリエ?」
「そうね。カイト。戻るわ。」
「おめでとう。」
僕は、カイト達が戻って来ると祝福した。
「おー!ありがとう!やっと、第五エリアに行けるぜ!」
「冷水を浴びせる様で悪いんだけど、敵から吸収した魔力使った?」
この様に聞くと、カイト達は「あ。」という感じになり、みんな苦笑する事になった。
「あー、すまん!忘れていた!」
カイトらしい。
「ははは(苦笑)私も最後には、すっかり忘れていたわ。」
オリエさんでも冷静ではいられなかったか。
「うん。わたしも攻撃がさくさくって当たるし、体力削れるしで楽しくなっちゃって・・・。」
ユニさんは、らしいのかな?
この後、ライアさんとシルフェさんも弁明した。
「まぁ。最後以外は、良い結果が出たから、テストとしては合格かな。
あとは、改良出来ればするって感じで、微調整すれば良いかな。」
「コーヤ、本当にすまん。
そこでだ、5月のゴールデンウィークに、壁が崩れた中に、ダンジョンがあって、
最下層には、第四エリアボス程ではないが、強い敵がいる。
だから、その敵でテストさせてくれ。」
「そうね。あの敵なら、テストに適していると思うわ。」
「ちなみに、座標は分かる?」
「はい!大体の位置なら覚えているよ!」
ユニさんが、大まかに位置を覚えていたので、ドローンで見てもらって、
探して、転移札で移動した。