最終更新日 2022/06/05

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Infinite Alternative World(インフィニティ・オルタナティブ・ワールド)
〜探索は食から(仮)〜


11話 ゲームセンター

5月1日(金曜日)

放課後、帰ろうと準備していると、海人から声がかかる。

「なぁ、光矢。ゲームセンターに寄って行かないか?」

「へ?なんで?」

「最近まで、近場のゲームセンターで、IAW2の専用ゲーム機があって、すごく混んでいたんだ。

だが、ここ数日は、する人がいないから、光矢と一緒に出来ないかと思ってな。」

「ふぅ〜ん。そこまでして、僕を取り込みたいと。」

「まぁ。そうだな。お前の頭脳と速さは、今のプレイヤーには少ない。

そして、ここが重要なんだが、お前は、生産系に走るだろ?」

「まぁ。そうだね。前線には興味ないし。」

「だよな。でだ、俺達パーティーの装備品を作って欲しくてな。」

「え!?別に僕でなくても、他にいるでしょ?」

「残念ながら、今のゲーム内は、
過去に戦闘職と生産職が対立した事もあって、発展には到っていないんだ。

本当にすごい装備品を作る人は、あまり人がいない場所に居たりする。

現在、生産をしているのは、事情を知らない人が大多数だ。」

「へぇー、そんな事があったんだ。

なるほど。確かに、装備品が悪ければ、探索するのも大変か。」

「ああ。それで、雰囲気だけでも知って欲しくてな。どうだ?」

「そうだね。明日から連休に入るし、今日なら別に良いかな?」

「おお!助かる!」

この話を聞いていた牧之原さんが話しかけて来た。

「ねえ。それって、私が一緒でも大丈夫?」

「なんだ?牧之原もしたいのか?」

「うん。妹から誘われているんだけど、どんなゲーム化知らないし、丁度いいかなって。」

「別に俺は構わないぞ。」

「僕も問題は無いよ。」

「ありがとう。」

この後、海人の通学路にある、ゲームセンターに3人で移動した。

ゲームセンター

到着して入ると、何回か来た事あるけど、相変わらず、音がすごい。

海人の先導で、ゲーム機のある場所へ移動した。

「これが、IAW2のゲーム機だ。」

そこには、3台設置されていて、ゲーム機の裏の壁には、
誰でも自由に、ゲームの中の状況が分かるようになっている。

ゲーム機本体は、ブースの中に設置されている。

「おお。かっこいいね。」

「本当。

ゲームセンターと言っていたから、
もう少し使い込まれていると思っていたけど、すごく、きれいだね。」

僕達の感想を聞き、海人は得意顔になっている。

「だろ?きれいじゃないと、人が来ないだろうしな。じゃあ。早速、遊ぼうぜ!」

店員から、注意事項を聞き、ゲームの世界にログインした。

「(うん。動くのは問題無さそうだ。)」

動きを試すと、カイトが近付いて来た。

「リンネとコーヤ。どうだ、きちんと動けているか?」

「僕は問題なかった。リンネさんは?」

「私も動きにくいとは思わなかったよ。」

「そうか。なら、専用クエストをしてみよう。」

「(2人ではもる)専用クエスト?」

カイトが説明してくれた。

「ああ。

さすがに、ゲームの世界そのままでは、いつまでも居座る者が出て来るから、
専用クエストを用意したそうだ。

まぁ。当然だな。回転率が悪くなるしな。」

「うん。それで、クエストとは?」

カイトに先導をお願いした。

「俺も、ここでは遊んでいないから分からんが、普通に考えて、魔物退治だろ。」

その後、チュートリアルによって、クエスト場所まで到着した。

確かに、魔物退治クエストだった。

初めてのクエスト

「うん。ゴブリン退治か。数は15体。これは、人数で変化する様だな。」

「ふむ。という事は、一人あたり5体だね。まぁ、慣れれば、なんとかなるかな。」

「私は、今までほとんどゲームした事無いんだけど、大丈夫?」

「そこは、俺達でフォローすれば問題ないだろ。」

魔物退治のクエストを受けた僕達は、問題となっている場所へと来た。

「なぁ、コーヤ。この辺りにゴブリンいないぞ。まさか、洞窟か?」

「う〜ん。その様だね。スキルで〈索敵〉取ったから、調べてみよう。」

調べると、確かに、現在地から100m程離れた場所に、洞窟があった。

その洞窟は、最奥にゴブリンが15体いるだけの、簡単なものだった。

「よし!それじゃぁ。俺は、前でゴブリンを引きつける。

コーヤは、遊撃で対処してくれ。

リンネは、俺達の回復と弱くても良いから、攻撃魔法を頼む。」

僕とリンネさんは「了解!」と答え、すぐに戦闘に入った。

「ちっ!早いな!簡単には終わらせない為か!(ざしゅっ!)」

「だろうね。」

僕は速さで、ゴブリンの裏へ回り、短剣で頸を切って行く。

順調に思われた中、リンネさんが悲鳴を上げた。

見ると、倒しきれていなかったゴブリンが、近くにいたリンネさんに近づいていた。

ちょうど、僕の周りには、ゴブリンがいなかったので、
全速力で、リンネさんの方へと向かった。

「はぁ!(ざしゅっ!)大丈夫ですか?」

「コーヤ君、ありがとう。ごめんね。足引っ張っちゃって。」

「免疫ない人なら、普通でしょ。後は、カイトの周りだけだ。」

リンネさんが落ち着いた頃には、カイトもゴブリンを倒し終えていた。

「ふうう。リンネは大丈夫だったか。

さすがに、5体以上を相手にしていたから、救援には行けなかった。」

「ううん。コーヤ君に助けて貰ったから。」

「そうか。さて、どうする?後は、報酬貰えば終わりだろうし。」

僕は疑問に思ったので聞いてみた。

「あれ?これで終わりじゃ?」

「いや。俺もそう思っていたんだが、”クエストクリアしました。”と出た後に、
”5個中1個クリア”とも出たんだ。」

僕とリンネさんは、履歴を見ると確かに書かれていた。

「もし、リンネがもうしたくないと考えているなら、ここで終わろう。」

「私は大丈夫。さっきのは、視野狭窄になっていたから。」

「なら、ゆっくり頑張ろうぜ。」

その後も、僕達はクエストをクリアして行き、最後のクエストになった。

最終クエスト

最後のクエストは、総集編のと言う感じで、今までの敵が出て来て、45体に増える。

しかし、こちらもスキルのレベルが上がったりしているので、対処していた。

「コーヤ。奥にいるゴブリンアーチャーを引きずり出してくれ。」

「了解。」

この時は、普通の速度では、敵の的になると思い、ギアを上げて走った。

相手は予想外だったらしく、戸惑っているところを倒す事が出来た。

その瞬間、目の前に”全てのクエストクリアおめでとうございます!”と出た。

「ふう。これで、全てのクエストは終了か。

そ・れ・よ・り・も・だ!コーヤ、いつ、瞬動を取ったんだ!?」

「はぁ?取っていないけど?」

「いやいや。あれは、だれが見ても瞬動だ。もう1度してくれ。」

カイトが言うので、再現した。

「うん。瞬動だ。お前が足が早いのは知っているが、どうやっているんだ?」

「え?別に、高速移動だと、相手に反応されそうだったから、少し早くを意識しただけだね。」

カイトがうねり出した。

「う〜ん。お前だからか。コツはあるのか?」

「コツねぇ(少し考える)ちなみに、カイトは瞬動をどう理解している?」

「そうだな。最初と最後を意識しつつ、早く走っているな。」

「なるほどね。僕の考えている高速移動とは違うね。

僕の場合、繋がりがあると思っているから。」

「繋がり?どういう事だ?」

「車を考えてみてよ。ずっと、道路は続いている。
でも、スポーツカーなど高速を出せる車が、目の前を通過する時、一瞬で過ぎ去ってしまう。

しかし、車が時空を超えたりしているわけでない。

ただ単に、人間の目では見る事が出来ないスピードなだけ。」

「なるほどな。その考えは無かった。確かに当然の事なのに、なぜか、欠落していたな。」

「たぶん。ゲームの世界と考えてしまうからじゃないかな。」

「それも言えているな。俺は、自分のキャラで確かめる。
後は、報酬を受け取れば、終わりだ。」

最後の報酬を受け取ると、自動的にログアウトした。

ブース前

がやがやがやがや

「ふう。良かったんじゃないかな?」

「そうだね。私も良い体験出来て良かったよ。」

「ああ。俺も収穫があったし。それより、騒がしくないか?」

僕達がゲーム機本体があるブースから出ると、
すごい人だかりだった。

「なんだ、これは?すごい人だかりだ。」

海人も珍しそうに見ている。

「うん。何かあったのかな?」

困惑していると、店長さんが来てくれた。

「やあ。全クエストクリアおめでとう。君達には、これを贈呈だ。」

そうして、渡してくれたのは、通し番号が掘られたIAW2のピンバッジだった。

「えーと、僕達は77組目という事ですか?」

「ああ、そうだ。先月は多くの人が来てね。あと、もう一つ、こちらがデータとチップだ。」

紙に印字された今回のデータと、チップを渡された。

「チップの中にも、紙に印字したデータが入っている。

本体にチップを差し入れてゲームを立ち上げたら、
自動でゲームデータに上書きするか聞いて来る。

他に、全クエストクリア特典として、リストの中から、賞品を選ぶ事が出来る。」

紙の裏側に、賞品リストがあり、海人は選ぶのに夢中だ。

「伝えるのは、これで終わりかな(資料を見る)うん、大丈夫そうだ。

あと、君が先程、瞬動を使った人かい?」

店長さんが僕に聞いて来た。

「はい。そうですけど。」

「ちょっと、お願いがあってね。ほら、後ろの画面に人だかりがあるだろ?

あれは、君が瞬動を使った事で、データ録画サービスを使って、
多くの人が録画しているんだ。

たぶん、まだまだ、続くだろ。

しかし、さすがに、ここまで集まると、他の客に迷惑になる。

そこで、君に成功させるヒントを貰いたいんだ。」

どうやら、迷惑になっているようだ。

「ヒントですか。それなら、”車”はどうですか?」

「(ホワイトボードに書き込む)車っと、これで良いかい?」

「はい。関連ワードを辿れば大丈夫だと思います。」

「そうか。ありがとう。君達が帰った後に置いておこう。」

この後、店長さんが通行整理してくれて、解散となった。

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