目次
是を以って、高御產巢日神・天照大御神、亦、諸神等に問う
葦原中國之所に遣わした天菩比神が久しく、不復奏(ふくそうせず)
亦、何(いず)れ之神を使わすが吉
爾(なんじ)、思金神答えて白(もう)す
天津國玉神之子 天若日子遣わす可(べ)き
故爾(ゆえに) 、天之麻迦古弓【自麻下三字以音】・天之波波【此二字以音】矢賜るを以って、
天若日子、而(すなわち)遣わす
於是(これを)、天若日子、其國に到り降りる
卽(すなわ)ち、大國主神之女 下照比賣娶る
亦、其國を慮(おもんぱか)りて獲る
八年于(に)至り、不復奏(ふくそうせず)
故爾(ゆえに)、天照大御神・高御產巢日神、亦、問諸神等に問う
天若日子、久しく不復奏(ふくそうせず)
又、曷(いず)れの神を遣わすを以って、天若日子之淹留所の由を問う
於是(これを)、諸神及思金神、答えて白(もう)す
雉名鳴女を遣わす可(べ)き
之(これ)詔(みことのり)する時、汝、天若日子者(は:短語)行った狀(様子)を問う
汝、葦原中國に使わす所以者(は:短語)、
其の國之荒振神等之和(やわらぎ)者(は:短語)趣(すみや)かに言う也
何(いず)れ、八年于(に)至り不復奏(ふくそうせず)
天之波波矢
「天之波波矢」には、「此二字以音」と注記あり、「音読み」指定になっています。
「天」:あま
「之」:の
「波」:呉音・漢音:ハ
上記により、呉音・漢音共に「はは」となりそうです。
波
今までは、「波」という漢字を気にしていませんでしたが、
字形を見ると、違う意味がある可能性が出てきました。
参照127のサイトにある「楚系簡帛」と、参照128のサイトにある「楚系簡帛」の字形を
比較すると分かりますが、見た目の字形を下記にまとめます。
「波」:「氵(さんずい)」+「艹(くさかんむり?)」+「尸(しかばね)」+「メ」
「皮」:「口?」+「尸(しかばね)」+「十」
「波」と「皮」で、注目すべきは2つです。
「波」で「艹(くさかんむり?)」と書きましたが、そもそも「艸(くさかんむり)」が基本で、
参照129のサイトを見ると「清代」まで続いています。
字形の箇所を見ても、「甲骨文字」を抜かして、全て同じ字形になっています。
なので、「楚系簡帛」の時代に「艸」→「艹」に変更してはいないと思います。
何か?と言うと、情報が足りないので、字源辞典で考察します。
参照125: 波: zi.tools
参照126: 皮: zi.tools
参照127: 波的解释|波的意思|汉典 “波”字的基本解释
参照128: 皮的解释|皮的意思|汉典 “皮”字的基本解释
参照129: 艸: zi.tools
これも、参照127のサイトと、参照128のサイトの字形を比較すると分かりますが、
「波」は「メ」で、「皮」は「十」なのは、微妙な差ではなく、目視出来ます。
そうなると、当然、意味も異なってくると思われます。
「説文解字」では、「メ」や「十」を「又(手)」の「三本指」と解釈しています。
確かに、参照126のサイトにある「西周金文西周中期」〜「戰國金文戰國早期」
までの期間の字形では、「又(手)」の字形だと思います。
そこで、「又(手)」も合わせて比較するために、
参照130のサイトにある「楚(戰國)簡帛包山」を見ると、
「メ」でも「十」でもなく、「三本指」の字形があります。
参照125のサイトにある「楚(戰國)簡帛天星觀」は、「又」の同時代の字形と比較すると、
問題は無いと感じます。
参照126のサイトにある「楚(戰國)簡帛郭店」は、「又」の同時代の字形と比較すると、
参照126のサイトにある字形は、「上向き」ですが、参照130のサイトにある字形は、
「横向き」で「三本指」となっていて、明らかに異なります。
これらから、「皮」の字形の「又(手)」と言われている字形が、
「又」の字形に当てはまらないのが、「波」の字形よりも多いように感じます。
なぜ、その様になったのか?色々と考察します。
参照130: 又: zi.tools
参照125のサイトにある「波」の意味として、「説文解字」には「水涌流也」とあります。
普通、「波」というと、「海」や「川」の「波」と思われますが、
「説文解字」には、「湧き流れる水」とあり、山の奥にある「源泉」をイメージできます。
ここで不思議なのが、「波」の字源を調べると、「皮」の話も出てきますが、
なぜ、「皮」なのか?などについての情報が、「説文解字」にはありません。
参照126のサイトにある「字源諸説」を見ると、「?」も見えます。
下記に書きます。
《説文》:剥取獸革者謂之皮。从又。爲省聲。凡皮之屬皆从皮。
獣から剥ぎ取った革者(は:短語)之(これ)皮と謂う
《字源》:象形 从又(手)剥取兽皮,?像兽头及躯干,?像剥取之皮,所谓“合体象形”
兽(獣?)の皮を剥ぎ取る。
兽(獣?)の头(あたま?)及び躯(からだ)を干した像(かたち)
剥ぎ取った皮、之(これ)所謂(いわゆる)合体象形
《漢多》:甲骨文「又」在頂部,金文「又」在底部。獸口之形後來訛變為「廿」,
再訛變為「竹」(季旭昇),為《說文》古文所從。一 說「皮」字從「又」從「革」省,
象以手剝去獸革之形(王國維)。本義是剝皮、獸皮。甲骨文では、「又」は頂部に在り、金文では、「又」は底部に在る。
獣の口の形、後に訛(あやま)りが来て、「廿」に變(か)わると為す
《說文新證》:甲骨文、金文从又,?象獸頭角尾之形狀,コ指皮所在,又象手剝取之。
上記の文を一部解読してみましたが、「皮」と「革」が混同している様に見えます。
ここで印象的なのは、「甲骨文では、「又」は頂部に在り、金文では、「又」は底部に在る。」で、
「漢多」の編纂者達も、違和感があったのかも知れません。
疑問点としては、「説文解字」の「剥取獸革者謂之皮」を、
「獣から剥ぎ取った革者(は:短語)之(これ)皮と謂う」と解読した場合、
「説文解字」では、「剥ぎ取る」前後で、「革」か「皮」かが決まると解釈できます。
「皮」と「革」の違いを検索すると、「皮」=「未加工」、「革」=「加工」と書いています。
しかし、「説文解字」では、「革」=「未加工」、「皮」=「未加工」と解釈できます。
先程は書きませんでしたが、「口」の字形が何を指すのか?気になります。
「波」の字形には、「口」の字形の様なのは無いので、
「波」の中の「皮」は、最終的に、その形になっただけで、
「皮(かわ)」の意味がないのではないか?と、考えています。
もし、同じであるのならば、微妙な差で、解釈の違いしか問題にはならないはずですが、
「波」の「艹(くさかんむり?)」に見える字形、「皮」の「口」(くち)と思える字形と、
目視で判断できる程大きく異なっています。
「尸(しかばね)」の様な字形が、本当に「しかばね」を指しているのかも疑問です。
「波」も「皮」も、各辞典では、全く考察していません。
やはり、本来は、一番古い字形から、色々と考察するものですが、
なぜか、「皮」は特に、古い字形には興味無さそうで、「既成概念」が強い様に思えます。
参照128のサイトにある「皮」の「九年衛鼎西周中期集成2831」の字形を見ると、
「尸(しかばね)」の様な形がありますが、参照131のサイトの字形の変遷を見ると、
「皮」の「西周中期」にあるような字形では無いので、「尸(しかばね)」では無い事が分かります。
参照131: 尸: zi.tools
上記の様に考察した結果、「波」は「氵(さんずい)」+「皮」ではなく、
「氵(さんずい)」+「皮」に見える字形の可能性が高そうです。
そもそも、「波」が、「説文解字」にある「湧き流れる水」の意味であるならな、
「皮」で「なみうつ」といった意味が、不要となり、後世に「皮」と誤って解釈したのだと思います。
だとした場合、「天之波波矢」の意味ですが、最初、野球やサッカーで、
無回転を使った場合、空気によって、色々な場所に行くような事が、
矢で起きるのかと思っていました。
「波」の意味を知る手がかりが、ほとんど無くなってしまったので、
改めて、「甲骨文字」や「金文」が無いかと探しましたら、参照132のサイトが見つかりました。
このサイトの中で、「金文」とあるのは、「口」が「甘」へと変わった形だと思うので、
こちらは「皮」の字形だと思います。
「皮」の字形は、「甘」ではなく「口」なので、「秦代」辺りの字形かと思います。
ただ、「皮」+「氵(さんずい)」と、「波」とは逆の字形になっています。
この字形の「氵(さんずい)」は、もしかしたら「彡(さんづくり)」かも知れません。
「須」という漢字が、書物によっては「湏」の漢字を使っているので、
「皮」+「彡(さんづくり)」かも知れませんが、探しても見つかりませんでした。
「六書通 篆體字」の中の真ん中が「波」だと思われます。
参照127のサイトにある「波」の「メ」の箇所が「又(手)」に変化しているだけです。
【其他解读】
皮,是"坡"的省略,表示缓缓凸出的山地。
波,金文=(皮,"坡"的省略,表示缓缓凸起)+(水),
造字本义:比喻水流坡状涌动,起伏。篆文基本承续金文字形。
古人称在水面上滚涌的坡状水体叫"波",称水波腾出水面后的形态叫"浪"。
「其他解读(読む)」の内容が、今までにない解釈だったので、詳しく見ていきます。
「皮」=「坡」と書いているので、参照133のサイトの字形を見ると、
「春秋金文春秋晚期」の字形が確かに、「口」の様な形があるし、
参照134のサイトの「異説」を否定することは出来ません。
しかし、残念ながら「甲骨文字」がなく、「皮」かどうかの確認が取れませんでした。
「戰國金文戰國」の字形では、「口」ではなく、「甘」の様な字形になっています。
参照135のサイトにある「甘」の「戰國金文戰國」の字形を調べると、
かすれていて分かりづらく、「甘」となっているのかは、判断できません。
参照133のサイトの「戰國金文戰國」の字形は、判別できるのに、
参照135のサイトの「戰國金文戰國」の字形では判別できないのは、
非常に不思議で、他に良い写真はなかったのでしょうか?
この様に考えましたが、異説の内容は、
「波」の「皮」が「皮(かわ)」の字形であるというのが、基本となっているので、
確かに「皮」=「坡」の可能性はありますが、
ここに現時点では、「波」を関連付けてはダメだと思っています。
「波」にしろ、「皮」にしろ、不明な点があり、
現在の定説は、後世の人が想像しているだけです。
これにより、「天之波波矢」の意味を知る事が難しくなりました。
今後、有益な情報が見つかれば、その時に、改めて考察します。
参照132: 【波】 的甲骨文金文篆文字形演变含义
参照133: 坡: zi.tools
参照134: 坡的解释|坡的意思|汉典 “坡”字的基本解释
参照135: 甘: zi.tools
「其の國」とは、どこの事でしょうか?
「到」は、「
至于三年 不復奏」でも書いたのですが、気に なった事があったので、
改めて考察します。
到
参照136のサイトの「到」の字形変遷と、参照137のサイトの「至」の字形変遷には、
大きな異なりとして、「甲骨文字」があるかどうかがあります。
「到」の最古の字形が「秦簡帛睡虎地」に対して、
「至」の最古の字形は「商甲骨文𠂤組」となっていて、時代差も大きいです。
参照として「致」を出すと、最古の字形は「西周金文西周中期」になっています。
この事は、すごく不可解で、「至」の字形から「到」に変化したのならば、
「派生」したとして、途中までは「至」だとしても、ここから「到」になりましたと、
書けば良いのです。
そこで、「到」の「甲骨文字」や「西周金文」を探しましたが、全く見つかりません。
参照136: 到: zi.tools
参照137: 至: zi.tools
参照138: 致: zi.tools
検索すると、参照139のサイトが見つかりました。
しかし、その「甲骨文字」を見ると、
右側にある字形を「跪いた人が横から見ている形」だと書いています。
ところが、参照140のサイトにある「甲骨文字」の「人」の字形を見ると、
参照139のサイトの「甲骨文字」の様に、「丸み」がある字形はありません。
これらにより、多分に、「人」ではない可能性もありそうです。
色々と調べると、参照141のサイトの「丮」が近いように感じましたが、
参照139のサイトにある「甲骨文字」と同じ様な字形では無いので、
近い字形を探せば、見つかるかも知れません。
参照139: 漢 字「到」の成り立ちと由来
参照140: 人: zi.tools
参照141: 丮: zi.tools
参照142のサイトを新たに見つけました。
こちらには、「金文」とありますが、時代を調べると下に「伯到尊」とあり、
参照143のサイトを見つけて確認すると、
参照136のサイトの「秦簡帛睡虎地」よりも前の字形の様です。
しかし、参照140のサイトの「人」や参照144のサイトの「刀」と照合しましたが、
字形を載せているサイトには、同じ字形を確認できませんでした。
参照142: 到_百度 百科
参照143: 漢 字源流
参照144: 刀: zi.tools
上記にあるように、「到」の漢字について、色々なサイトを参照しつつ、
考察しましたが、最低でも、現在の「刂(りっとう)」の字形は、
「刀」でも「人」でも無い字形で、時代の変化によって、「刀」の様な字形になったと思われます。
そうでなければ、字形サイトに、掲載されていないのは、不自然だと思います。
降
気になるのは「阝(こざとへん)」の字形です。
この字形は、「甲骨文字」から存在していますが、
参照145のサイトの字形を見ると、字形が一定していません。
また、参照146のサイトにある「降」の字形ですが、「字形演化」では分かりづらいので、
ページ後半にある「字形」を見ると、「阝(こざとへん)」が、「左」だったり、「右」だったりと、
統一されている感じがありません。
「阝(こざとへん)」と「夅」で、分解して考察します。
参照145: 阜: zi.tools
参照146: 降: zi.tools
参照145のサイトの「字源諸説」と「説文解字」には、下記の様に書いています。
《字源》:异体 𨸏
《漢多》:甲骨文象階梯。一說象高高的土山,其山坡有梯級。
故「阜」可指梯級、山阜、高地。甲骨文、階梯の象(かたち)。一説に高い高い土の山の象(かたち)。
其の山、坡(土手?)に梯(はしご)有り。
故、「阜」梯(はしご)を指す可(べ)き
《說文新證》:甲骨文阜字,葉玉森謂象山土高峭有阪級,
徐中舒謂象古代穴居之腳窩或獨木梯之形甲骨文の阜の字、葉玉森(1880年—1933年)、
土の山高く峭(けわ)しい阪(さか)有ると謂う徐中舒(1898年10月15日—1991年1月9日)、
古代の穴居(ほらあな)の窩(むろ)の腳(あし)、或いは獨木の梯(はしご)の形と謂う
「説文解字」:
大陸,山無石者。象形。凡𨸏之屬皆从𨸏。
「説文解字注」:
大陸也。
[也字今補。《釋地》、《毛傳》皆曰:大陸曰阜。李巡曰:高平曰陸。謂土地豐正名爲陸。
陸土地獨高大名曰阜。阜冣大名爲陵。引申之爲凡厚,凡大,凡多之稱。《秦風》傳曰:阜,大也。
《鄭風》傳曰:阜,盛也。
《國語》注曰:阜,厚也。皆由土山高厚演之。] 山無石者。象形。[山下曰:有石而高。
象形。此言無石。以別於有石者也。詩曰:如山如阜。山與𨸏同而異也。《釋名》曰:土山曰阜。象形者,象土山高大而上平。可層絫而上。首象其高。
下象其三成也。房九切。三部。] 凡𨸏之屬皆从𨸏
「阜(こざとへん)」を、検索すると、「丘」とか出てきます。
しかし、上記を見る限り、現代の意味とは異なっている様です。
上記には、一部解読しましたが、結局、「阜(こざとへん)」が、何を指すのか、
現代に至るまで、解答できない状況の様です。
これは、参照145のサイトにある「阜(こざとへん)」の字形のパターンが、
多いからではないかと考えています。
この字形は、検索すると「下向きの足」と字源解説で書いていますが、
参照146のサイトの「字源諸説」では、下記の様にあります。
《說文》:下也。从𨸏。夅聲。
《字源》:会意 从双止向下,从𨸏,会从高处降下之意,与甲骨文、
西周金文中的陟字构型之意正好相反《漢多》:甲骨文從「阜」從二「止」,「阜」象山丘、山陵之形,
二「止」象兩隻腳趾向下的腳。全字表示二足從山上往下走。
引申為下 降、降落、降臨、降服之意。
こちらの字源では、「下向きの足」ではなく、
「字源」、「漢多」が「止」が2つといいう見解を出しています。
参照147のサイトにある「止」の字形を見ると、なるほどと思いました。
後は、まとめで考察します。
参照147: 止: zi.tools
参照148: 夅: zi.tools
参照149: 夅的解释|夅的意思|汉典 “夅”字的基本解释
「降」の意味をまとめるんですが、
「阜(こざとへん)」の意味が「梯」は無いかなと思っています。
「F」の形の様な字形が、続いていれば可能性がありますが、
参照145のサイトにある字形を見れば分かるように、一時的な字形と考えられます。
「夅」の意味を、参照148のサイトでは「服」と「説文解字」にあります。
「阜」の意味を仮に、「山丘」としたとしても、「夅」が「服」なら繋がりません。
そうなると、この字形を作った人物以外に、本当の意味を知らないのかも知れません。
「降到其國」の「其の國」は、「葦原中國」とは書いていないので、
別の國となります。
「到」は、「至」の「目的地に着く」のと違い、色々な場所によりながら、
最終的に「目的地に着く」なので、
「多分に「葦原中國」に到着前に、「降りた」場所だと思います。
「降」は、色々と考察した結果、「船」から降りるだと思いました。
「天(あま)なる國」の下に「高天原」や「葦原中國」があるのは、
第二章で判明しているので、「弓矢」を「賜った」とあるので、
「天(あま)なる國」で、「天照大御神」などから貰ったのだと思います。
そうなると、「天(あま)なる國」・「高天原」・「葦原中國」の3つの國と地域は、
行き来が楽になるようになっているはずなので、わざわざ、遠回りする必要が無いと思います。
しかし、別の國に行った事から、「船」での移動の可能性があります。
この場面は、「到其國」で良いはずなのに、「降」を入れたのは、
その様な意味があったのではないか?と思っています。
しかし、情報が少ないので、真偽不明です。
止
情報を求めて、多くのサイトを見ましたが、「夅」の字源について、
「下向きの足」や「あし」とはありますが、
「止」の字形だと書いているサイトがありませんでした。
「下向きの足」だとしても、そこには、字形が存在しているので、
「止」の漢字からきたと書いても、全く問題にはなりません。
ところが、自分が見たサイトには、「止」の漢字の事を書いていません。
不思議です。
そこで、「止」の意味について、考察しようと思います。
参照147のサイトの「字源諸説」には、下記の様にあります。
《説文》:下基也。象艸木出有阯。故㠯止爲足。凡止之屬皆从止。
《字源》:象形 字本像人足之形,甲骨文中或写实,或勾廓,字乃“趾”之初文
《漢多》:「止」的甲骨文及金文皆為獨體象形字,象人的腳掌。
今天通用的「止」字,是隸變後的結果。在隸變以前的古文字中,
解腳掌的 「止」其實有左右之分,也有朝上朝下之別,
故實可包括「止」、「少」、「夊」、「㐄」這四種基本形態,分別指向上或前的左腳,
向上 或前的右腳,向下或向後的左腳,和向下或向後的右腳,此外還有一些變形。透過四者的混合使用,許多有空間導向的字都可以形成,如 「步」、「夅」、「陟」、「降」、「韋」、「舛」、「出」、「各」等。
「説文解字」には、「下基也」とありますが、何を指しているのか、ここからは分かりません。
次の「象艸木出有阯。故㠯止爲足。」を、「艸(くさ)が有り、木が出る阯(あと)の象(かたち)」、
「故、止に㠯(もち)いて足と爲す」と解読しました。
「艸(くさ)が有り、木が出る阯(あと)の象(かたち)」は、「阯」が気になります。
参照150のサイトには、「土台という意味がある。また、跡地という意味もある。」とあり、
「ある場所に、艸(くさ)や木があったが、今ではそれらが無くなった跡地があるだけ」
とイメージできます。
もちろん、正しいかは不明ですが、「阯」の漢字を使っているので、
あながち間違っていないと思っています。
「故、止に㠯(もち)いて足と爲す」と続くわけですが、
これは、「止」に「足」の意味は存在していなかったとも解釈できます。
ただ、これらは、「説文解字」の字形から判断したと思われるので、
どこまで、本来の意味を知っていたかは不明です。
この字形が完成した時から、「足」の意味だったのか。気になります。
参照150: こざとへんに止で「阯」は何て読む? - 漢字ミックス