最終更新日 2024/06/30

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 第三章 大國主神

故其大年神 娶神活須毘神之女 伊怒比賣 生子 大國御魂神 次韓神 次曾富理神 次白日神
次聖神 五神 又娶香用比賣此神名以音生子 大香山戸臣神 次御年神 二柱
又娶天知迦流美豆比賣訓天如天 亦自知下六字以音生子 奧津日子神 次奧津比賣命 亦名
大戸比賣神 此者諸人以拜竈神者也 次大山(声注:上)咋神 亦名 山末之大主神 此神者
坐近淡海國之日枝山 亦坐葛野之松尾 用鳴鏑神者也 次庭津日神 次阿須波神此神名以音
次波比岐神此神名以音 次香山戸臣神 次羽山戸神 次庭高津日神 次大土神 亦名 土之御祖神
九神

上件大年神之子 自大國御魂神以下 大土神以前 幷十六神

羽山戸神 娶大氣都比賣自氣下四字以音神 生子 若山咋神 次若年神
次妹若沙那賣神自沙下三字以音 次彌豆麻岐神自彌下四字音 次夏高津日神 亦名 夏之賣神
次秋毘賣神 次久久年神久久二字以音 次久久紀若室葛根神 久久紀三字以音

上件羽山之子以下 若室葛根以前 幷八神
解読

故、其の大年神、神活須毘神之女、伊怒比賣娶り生む子
大國御魂神、次韓神、次曾富理神、次白日神、次聖神 五神

又、香用比賣【此神名以音】娶り生む子、大香山戸臣神、次御年神 二柱

又、天知迦流美豆比賣【訓天如天 亦自知下六字以音】娶り生む子、
奧津日子神、次奧津比賣命、亦名 大戸比賣神、
此れ者(は:短語)諸(もろもろ)の人者(は:短語)竈(かまど)を以て神を拜(おが)む也

次、大山上咋神、亦名 山末之大主神
此の神者(は:短語)、近淡海國之日枝山に坐し、亦葛野之松尾に坐し、
鳴る鏑(かぶら)を用す者(は:短語)神也

次庭津日神、次阿須波神【此神名以音】 、次波比岐神【此神名以音】、
次香山戸臣神、次羽山戸神、次庭高津日神、次大土神、亦名 土之御祖神 九神

上件大年神之子 自大國御魂神以下 大土神以前 幷十六神

羽山戸神、大氣都比賣【自氣下四字以音】神娶り生む子、
若山咋神、次若年神、次妹若沙那賣神【自沙下三字以音】、次彌豆麻岐神【自彌下四字音】 、
次夏高津日神、亦名 夏之賣神、次秋毘賣神、次久久年神【久久二字以音】
次久久紀若室葛根神【久久紀三字以音】

上件羽山之子以下 若室葛根以前 幷八神

解説

02

羽山戸神の子孫


大氣都比賣神の子

読みに関しては「自氣下四字以音」と注記があるので、「音読み」指定となります。

謎なのが、「娶大氣都比賣(自氣下四字以音)神」とあり、
「娶天知迦流美豆比賣訓天如天 亦自知下六字以音」の様に、
外に注記があるのではなく、わざわざ、「神」の前に記載した事です。

原文を簡単に調べてみましたが、やはり、「大氣都比賣神」としてはあっても、
「大氣都比賣」と「神」を分ける事は、ここだけのようです。

読み

「自氣下四字以音」なので「氣都比賣」までが、「音読み」指定のようです。

「氣」:呉音:ケ、漢音:キ

「都」:呉音:ツ、漢音:ト

「比」:呉音:ヒ、ビ(表外)、漢音:ヒ

「賣」:呉音:メ、漢音:バイ、慣用音:マイ

上記により、呉音「けつひめ」、漢音「きとひばい」になりそうです。

まとめ

第一章〜第三章までに、登場した人物名を、
今後、人物辞典に掲載する時に、改めて考察したいと思います。

若山咋神

若山咋神

天坂神社、由里若神社、中野神社(相模原市)

若山咋之神

狹岡神社

若山咋命

健軍神社 境内 日吉神社、熊野神社(児玉郡、合祀)、松尾神社(甲斐市)、
上粕屋神社(合祀)

若年神

若年神

大歳神社(新温泉町)、静間神社 および境内 大歳社、津島神社 境内 児之社、小野神社、
金刀比羅宮 境内 御年神社、亀谷山八幡神社、大縣神社、日高神社、多為神社(合祀)、
河尻神宮 境内 歳神社、夜支布山口神社 境内 御年神社、小野神社

若年之神

狹岡神社、御年神社(北諸県郡)

御年神社 宮崎県北諸県郡三股町宮村

・若年ノ神(わかとしのかみ)
 この神は誰であるか不明であるが、
 大歳大神の長子宇麻志治尊[ウマシチノミコト]であろうと思われる。

上記は、参照178のサイトに載っている記事ですが、「不明」と言っておきながら、
「大歳大神の長子宇麻志治尊」と言うのは、何か根拠があっての事だろうと思われる。

その根拠について、すごく、気になります。

もしかすると、重要な資料になり得るかも知れません。

参照178:御年神社について

妹若沙那賣神

この人物名には、「妹」が付いていますが、主張するような場面では無いです。

そこから考えると、「妹若沙那賣神」は「誰か」より「若い女性」と解釈できます。

では、その「誰か」ですが、「若沙那賣神」に対してだと思われます。

つまり、「若沙那賣神」が存在していて、子だからなのかは不明ですが、
「若い女性」を主張するように、付ける必要があったからこそ、付けたと考えられます。

もしかすると、その人物が、当時は珍しい「大陸西側」の人だったから、
「大氣都比賣神」が親であるとした可能性もあるように思っています。

しかし、正解を知ることは出来ないので、推測の域が出ません。

読み

「自沙下三字以音」と注記があり、「若沙那」が「音読み」指定となります。

「若」:呉音:ニャク、ニャ、漢音:ジャク、ジャ、宋音:ジャ、唐音:ジョ

「沙」:呉音:シャ、漢音:サ

「那」:呉音:ナ、漢音:ダ(表外)、宋音:ノ(表外)

上記により、呉音「にゃしゃな」、漢音「じゃさだ」になりそうです。

今回の疑問は、「若」の音読みが「拗音(ようおん)」と思われる読みから始まる事です。

今までは、一文字目以降にはあっても、今回のように一文字目と言うのは、
初めてかも知れません。

そこで、色々と検索すると、「古代ヘブライ語」に「にゃ」があるらしいのは見つけましたが、
他の古代語なのかどうかまでは、知る事が出来ませんでした。

「大氣都比賣神」の子して記載がありますが、本当にそうなのか?という疑問が出ましたが、
第一章から登場しているので、混同されている可能性が高く、
知りたい情報を知ることは、すごく難しいと感じています。

神社と神名
妹若沙那賣神

狭岡神社

若沙那賣命

狭宮神社、佐那神社(合祀)

彌豆麻岐神

「自彌下四字音」と注記があり、「音読み」指定となります。

「彌」:呉音:ミ、漢音:ビ

「豆」:呉音 :ズ(ヅ)、漢音:トウ

「麻」:呉音:メ(表外)、漢音:バ(表外)、慣用音:マ

「岐」:呉音:ギ(表外)、漢音:キ

上記により、呉音「みずめぎ」、漢音「びとうばき」となりそうです。

意味

正しいかは不明ですが、「麻岐」=「めぎ」と読んだ場合、参照179のサイトにあるように、
「女木/雌木」や「目木/小=蘗」が関係している様に感じます。

特に、「麻」と「岐」で構成されているので、
「枝葉などを煎(せん)じて目薬とする」事に関連した仕事をしていたと解釈することも出来ます。

参照179:「めぎ」の意味や使い方 わかりやすく解説

神社と神名
彌豆麻岐之神

狹岡神社、眞木尾神社(亀山神社に合祀)

弥豆麻岐神

津島神社 境内 滝之社

夏高津日神

「亦名 夏之賣神」とありますが、詳細不明です。

また、神社も「夏高津日神」として祀っている神社は少数です。

「夏之賣神」も探しましたが「乙子神社」しか見つけられませんでした。

秋毘賣神

「夏高津日神」の時と同様です。

久久年神

「久久二字以音」とあり、「久」の音読みは「呉音:ク、漢音:キュウ(キウ)」なので、
呉音「くくとし」、漢音「きゅうきゅうとし」となりそうです。

「舊事紀」では、「冬年神」とあるようですが、詳細不明です。

久久紀若室葛根神

「久久紀三字以音」とあり、「紀」の音読みは「呉音:コ(表外)、漢音:キ」なので、
「久久二字以音」と合わせて、呉音「くくこ」、漢音「きゅうきゅうき」になりそうです。

まとめ

「上件羽山之子以下 若室葛根以前 幷八神」で締めに入っているのですが、
「羽山」ではなく「羽山戸神」ですし、「若室葛根」ではなく「久久紀若室葛根神」です。

これは、明らかに異なるのを分かっていて、この様に記載したと思われます。

「羽山戸神」→「羽山」と「神」などの地位は無位、「臣」などの「姓(かばね)」も無いので、
庶民として暮らしていたのかも知れません。

「久久紀若室葛根神」→「若室葛根」も「羽山」と似ていますが、情報不足です。

第二章〜第三章のまとめで、系図にしてみて、可能性を考察しようと思います。

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